いまさら翼といわれても の商品レビュー
古典部久しぶりに読んだけど、もうほぼなにもかも忘れていた。 「いまさら翼といわれても」単行本では読まなかった(上に「概算」は単行本で読んだ)ので間が空きすぎた……それでも奉太郎が好きだったことは思い出したよ。そうか、そんなきっかけがあったか。
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シリーズ第6弾か。久しぶり過ぎて「二人の距離の概算」までの記憶が朧すぎたまま読み始めたけれど、こんなにジーンとくるシリーズだったかと。 「わたしたちの伝説の一冊」は単なる漫研のいざこざに留まらず、あの頃なりに夢に真剣に向かい合う熱さがじわっときて、ホロッとしそうだった。 「いまさら翼といわれても」での奉太郎の彼なりの誠実さや優しさが、全然正義じゃないところがいい。急に籠から放たれた鳥は飛べるのか、千反田さんの今後が気になります!
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ほろ苦いを通り越して、ビターだなあ!が最初の感想。 読み終えてみると前々巻の「遠回りする雛」というタイトルも、色々な意味合いがありそうですね。 「雛」を読んだ時の、あの桜の下の旧家の跡取りであることの想いと決意が、切なく、そして違った形で甦りました。でも、彼女達は、まだ高校生、「今さら」ではない、まだまだ拡がる翼が背中にあるのです。 久しぶりの古典部のメンバーに会えたのは嬉しかった。 個人的には、翼も好きですが「鏡に映らない」が好きですね。 ただ、残念なのは「女帝」入須先輩が出てこなかったこと(笑)
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〈古典部〉シリーズの最新作。前作『ふたりの距離の概算』の内容が思い出せなくて、ブクログの記録をみたら2013年らしく、本を閉じたあと衝いてでた言葉が「いまさらというには君は若すぎる」だったということにも得心がいった。 あぁ本当になんて無神経な言葉なんだろう。恥ずかしくさえある。こ...
〈古典部〉シリーズの最新作。前作『ふたりの距離の概算』の内容が思い出せなくて、ブクログの記録をみたら2013年らしく、本を閉じたあと衝いてでた言葉が「いまさらというには君は若すぎる」だったということにも得心がいった。 あぁ本当になんて無神経な言葉なんだろう。恥ずかしくさえある。こうやってどんどん面の皮が厚くなるんだ。里志の正義感も摩耶花の情熱も奉太郎の繊細さもえるの強さと弱さも、もっともっと親身に感じていたような気がするのに。 そして、次の〈古典部〉もずっと先のことになるであろうと予感をして涙をする。でもきっと待っているんだろう。願わくば、次作を読むときは登場人物たちのような思慮深さをもっていますように。
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氷菓から始まる古典部シリーズの最新巻。これまでと違い短編6つの構成。前作からかなり空いて細かいことは覚えていなかったけれど読み始めればすぐに四人の輪郭がはっきりと。 普段ミステリーも青春ものも殆ど読まないけれど、このシリーズは事件解決の楽しみの横で描かれる心の機微が絶妙で年甲斐も...
氷菓から始まる古典部シリーズの最新巻。これまでと違い短編6つの構成。前作からかなり空いて細かいことは覚えていなかったけれど読み始めればすぐに四人の輪郭がはっきりと。 普段ミステリーも青春ものも殆ど読まないけれど、このシリーズは事件解決の楽しみの横で描かれる心の機微が絶妙で年甲斐もなく胸に迫ってくる。視点や時間を横断するこの短編集形式では殊更それを感じた。 摩耶花は前に進み奉太郎も変わりつつある中えるは…。続編が読みたい!
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<古典部シリーズ>の6冊目。 このシリーズ、今年になって読み始めたが、この最新刊でようやく追いついた。 今回は、自分から『気になる』と言い出したり、何だか調子が良くて当てもなく散歩に出るなど、一見いつもと違ったホータローが描かれる。 だけども、千反田が『実は、そんなに変わってい...
<古典部シリーズ>の6冊目。 このシリーズ、今年になって読み始めたが、この最新刊でようやく追いついた。 今回は、自分から『気になる』と言い出したり、何だか調子が良くて当てもなく散歩に出るなど、一見いつもと違ったホータローが描かれる。 だけども、千反田が『実は、そんなに変わっていないんじゃないか、って』と言うように、ホータローはこれまで通りのホータローだ。 卒業制作で手を抜いた謎が明らかになったり、ふと気になった昔の出来事に自分なりのケリをつけたり、今のように『やらなくもていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に』になった経緯を自ら明かしたりする中で、よりホータローという人物が分かって切なくなるの巻。 表題作は千反田の話、タイトルの意味はそういうことね。 いいとこの子にはいいとこの子なりの悩みがあるか。 あの後、歌いに行ったのか、行かなかったのか…、いずれにせよ、次巻(あるよね!?)での彼女の姿が楽しみ。
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課せられていたものや、背負っていたものがなくなると、どうしたらいいかわからなくなる… 本当は自分がそれにすがって、拠り所にしていたみたい。 だからいつでも、理由は自分の内にあるようにしたい。自分軸で生きていたい。 タイトルが素敵。ふたりの距離の概算、も。 翼って、無いと憧れるけ...
課せられていたものや、背負っていたものがなくなると、どうしたらいいかわからなくなる… 本当は自分がそれにすがって、拠り所にしていたみたい。 だからいつでも、理由は自分の内にあるようにしたい。自分軸で生きていたい。 タイトルが素敵。ふたりの距離の概算、も。 翼って、無いと憧れるけれど あると扱いに困るのかしら。 風にお前はここだと教える、野の草になりなさい。 …この言葉と、少し重なるなと思ってみたり。 むにゃむにゃ。
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■「大人」になるため、挑まなければいけない謎。 神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所...
■「大人」になるため、挑まなければいけない謎。 神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは? 時間は進む、わかっているはずなのに。奉太郎、える、里志、摩耶花――〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。
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古典部シリーズの愛読者であるから 評価はこのくらいは当然のこと。 それぞれのエピソードからも 彼ら古典部員たちの懐かしい空気が 漂ってきて 心地よく安らぎ 時折胸がざわつくところも 変わりなく。 作者のあとがきの言葉が心に残る。 「本書に収録されている短編は、どれも、いつかは書かれねばならなかったものです。」 古典部員たちの過去と未来。どのエピソードも そこにつながる彼らの「今」を記していた。 なるほど。「行きかふ年」が 歳月は行くことも戻ることもあるのだという タイムトラベラー芭蕉の存在証明以上に意味深い。
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短編集。どれもこれもすごくよかった。井原の漫研騒動が特にお気に入りです。連峰と翼はしんみりするものがあった。トリックで一番好きなのは鏡です。選挙の話で折木とふくちゃんがラーメン食べるシーンが好きだし、長い休日で折木の過去を垣間見れたのもよかった。
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