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ストーカーとの七〇〇日戦争 の商品レビュー

3.7

66件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2020/02/18

マッチングアプリで出会った彼が、別れ話からストーカーに 著者が実際に遭遇し 体験したストーカー被害とその戦いをノンフィクション作品としてまとめた一冊 豹変した元カレの執拗な中傷誹謗 被害者は心身が疲弊して思考力もストップ 右往左往しながらもグダグダな対応をしている その様子が生...

マッチングアプリで出会った彼が、別れ話からストーカーに 著者が実際に遭遇し 体験したストーカー被害とその戦いをノンフィクション作品としてまとめた一冊 豹変した元カレの執拗な中傷誹謗 被害者は心身が疲弊して思考力もストップ 右往左往しながらもグダグダな対応をしている その様子が生々しく読んでいても怖い。 著者は「よく頑張った。」そしてよく書き上げたと思う。 自分の常識が通じない相手との対峙 そして 法律の壁 現状 ストーカー被害は完全解決は難しく セカンドレイプの心の傷も大きい 色々と考えさせられる本だった。 法律関連は分かりにくいが 文章はテンポが良い(感嘆の声や口語はんん?だが) 知識として一読をお勧めする。  

Posted byブクログ

2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恐怖が人間をいかに思考停止させるか、といった過程を追体験できる良書。 加害者の男性の粘着気質は中々で、ゲスな行為の数々に怒り心頭する様子はよくわかる。がしかし、凄惨な暴力等を行使した訳ではないので、読者によっては「頭の弱い小悪党」という印象を抱いてしまう可能性は否めない。加えて、著者にもいくつかの落ち度があり、それらを赤裸々に書いてしまっているため、「頭の弱い小悪党と隙だらけの中年女性の残念な恋愛事情」と勝手にカテゴライズし、上から目線で断罪しているレビューがちらほら散見されて非常に残念に思う。 それなりの社会経験を積んだ著者が、怒りと恐怖と疲労から思考力を徐々に失い、うかつな失敗を頻発した結果、さらに事態が悪化していく過程は筆舌に尽くしがたいほどのリアリティを帯びている。私たちの日常に大悪党はいない。小さな悪意と小さな失敗がちょっと続くだけで、あっというまに負のスパイラルを生み出すことを私たちは経験的に知っている。そして、加害者の男性のような残念な人間が少なくないことも知っている。したがって、私たちが著者のような不幸に巻き込まれる可能性は日常に潜んでいる。 本文中に何度もあるが、自分の愚行をさらけ出すのは死ぬほど恥ずかしい行為だろう(まさに闇歴史)。しかしながら、その過程を詳細に、綿密に描写してくれたことで、私たちは同じ過ちに備えることができる。負のスパイラルに飲み込まれないよう対策をねることができる。著者の勇気に敬意を表したい。 最後になるが、「私はそんなことしない」「私は違う」といった幼い全能感から本書の事件を対岸の火事ととらえ、上から目線の説教臭いレビューをあげている方々は、加害者の男性同様、「他者への想像力が欠如した認知能力」の持ち主であるという自覚を持った方が良い。

Posted byブクログ

2020/02/17

別れ話がちょっともつれただけ。ありふれた話だ。 相手の男が別れを受け入れられず、何度も何時間も電話をかけてくる。「これ以上しつこくするなら警察に相談…」と送った途端、逆上。 執拗なメール、ネットでの誹謗中傷。 男は、ストーカーと化した。 誰にでも起こりうる。 誰もが被害者に、そ...

別れ話がちょっともつれただけ。ありふれた話だ。 相手の男が別れを受け入れられず、何度も何時間も電話をかけてくる。「これ以上しつこくするなら警察に相談…」と送った途端、逆上。 執拗なメール、ネットでの誹謗中傷。 男は、ストーカーと化した。 誰にでも起こりうる。 誰もが被害者に、そして加害者にもなりうる。 それもある日、突然に。 印象に残っている2点。 まず、①ストーカーは「病気」であるということ。 ストーカーのうちの大半は、警告を受ければ我にかえり大人しく行為をやめる。が、一部のストーカーは、自分がストーカーであるという認識がなく全く自制が利かず、警察などに注意されたことでむしろ逆上し違法行為に突き進んでいってしまう。この種の者は、行動制御能力に障害をきたす精神疾患であり、治療が必要となる。 ストーカー治療には、認知行動療法と条件反射制御法の2つがあり、どちらも明らかな効果が証明されているにもかかわらず、世間はもちろん警察や検察、弁護士すらも、ストーカーは病気であり治療で治るのだということを誰も知らないというのが日本の現状だ。(私も知らなかった) 処罰しかできない現行法では、被害者は一生安心して暮らせないだろう。 なぜなら、未治療のストーカーは、出所したらまっすぐターゲットのところへ攻撃に行く可能性があるからだ。 ーーこれが何を意味するか?  想像するだけで背筋が凍る。 ②つめは、一度ストーカー被害に遭ったら、警察や検察など組織、法律、制度など全てが、場合によっては自分の安全を保証してくれるものではなくなる、ということ。 内澤さん自身、ストーカーは殺傷事件が起きているくらいの社会問題であるから、いざ被害に遭ったとしてもそれなりの機関にたどり着けば、しかるべき解決方法がきちんと用意されているものだとぼんやり思っていたとおっしゃっている。 が、期待はことごとく裏切られる。 ストーカー規制法は、時代の変遷に追いつかない不備が多々あった。(内澤さんが被害に遭われた2016年にはまだ、FacebookなどのSNSは処罰の対象ではなかった) 加害者と示談を成立させて不起訴、釈放となった後、示談を破ってまた加害者が嫌がらせをしてきた時は、助けを求めたにもかかわらず誰一人動いてくれなかった。 この辺の記述は、著者の無念さと怒りが伝わってきて、読む進めるのもツラかった。 ストーカー被害者は、住み慣れた町や職場を変え、家族を持つことも諦め、息を潜めて隠れるように生きている。 加害者が住所を突き止めてやってきやしないかと毎日怯え、郵便や宅配も直接来ないようにし、友人がSNSにあげる写真に顔が映らないよう極力注意し、毎年住民票の閲覧制限の更新の煩雑な手続きをしなくてはならない。 接触しないとしても、誰もが目にするSNS上でありもしないことを書かれ、LINEや電話で酷い言葉を浴びせられているうちに、恐怖で判断力も思考力も理性も人間としての尊厳さえも どんどん失われていく。…… どう考えても、おかしい。 画期的な治療方法はある。 解決策はそこにある。 ないのは、法だけ……。 日本もストーカー対策先進国のイギリスの取り組みを見習い、一日も早く司法と医療が連携し加害者をスムースに治療につなげ、被害者に平穏な生活を取り戻してあげて欲しい。 これ以上被害が増えてからでは遅すぎる。

Posted byブクログ

2020/02/16

「世界屠畜紀行」はすごくインパクトがあって、その著者のイメージとストーカーに付き纏われるというイメージが全く結びつかなかった。非常に強くたくましい女性というイメージだったから。この本の初めの方に、複数の男性から言い寄られる、ということが書いてあり、それも申し訳ないことに、私のイメ...

「世界屠畜紀行」はすごくインパクトがあって、その著者のイメージとストーカーに付き纏われるというイメージが全く結びつかなかった。非常に強くたくましい女性というイメージだったから。この本の初めの方に、複数の男性から言い寄られる、ということが書いてあり、それも申し訳ないことに、私のイメージに合わず、思わずネットで画像検索した。すごく綺麗な人だった。 読んでいてこちらもしんどくなってきた。でも読み進まずにはいられない。自分に起こったことの詳細なルポ。 自分の味方であるはずの弁護士とのやりとりなど、あー、こんな感じなんだろうなと、ほんとに共感を覚えた。示談交渉もこんな感じなのかとか、勉強になった。相手方が100%悪いと思えるのに、向こうの方が守られていて、被害を受けている方が守られていない、どころか、まるで悪者のように扱われるのも、なんかわかる気がする。本人はやりきれない。踏んだり蹴ったりだ。被害者はどこまでも被害を被る。 "しかし冷静になって考えれば、ああすればよかった、こう手を打てば良かったと、様々思いつくというのに、恐怖というものは、ここまで脳機能を低下させるのかと、しみじみ思う。恐怖に追い詰められていると、正常な思考と判断はできなくなる。当時の私はパニックこそは起こさずに、仕事もしていたし、日常生活も送り、引越しもこなしていたけれど、判断能力は普段の半分以下だったということだ。示談の方法などを、自分で調べる気力もなかった。I弁護士のことを信用できないと思いながら、彼に任せっきりで、なるべく事件のことを考えたくなかった。愚かであったこと、この上ない。" 本当にこの通りだったのだろうと、しみじみ思う。なるべく事件のことを考えないことで、自分を成り立たせている状態だったのだろう。 "しかし道義的に見て、どうか。いくら誰も助けてくれないからといって、嫌がらせの報復合戦をしていいのか。良くない。私は何も悪いことはしていないのだから。、Aと同じレベルに堕ちるのは最後の最後まで合法的に、正当なやり方で闘って闘って、闘った末のことだ。" 169ページ 相手の攻撃に対抗したくなる気持ちはとてもよくわかるし、でもそれを理性で抑えなきゃというところも共感しかない。 "「何通も送ったらダメ‼︎まったくもー。なにやってるんだよ。あとで裁判になったときに不利になるよ!絶対それ以上送っちゃダメだから」" 172ページ 相手に対抗するため、これくらいならいいだろうと思うことが「裁判で不利になる」と言われ、結局なにもできない。されるがまま。被害者は何度被害を受ければ良いのか。ずっと受けっぱなしではないか。 "私が住む家は、探偵を雇ったところですぐには見つからないと思うが(当時私はそう思い込んでいたが、実際には探偵は簡単に引越し先を調べることができるという。たとえば電力会社に内通者がいて、次の契約先の住所が漏れてしまうようなことがあるそうだ。略)" 174ページ そうなのか。勉強になる。 "希死念慮に呑みこまれないよう、最大限努力して面白いことを最優先して生きのびてきたのである。" 176ページ 結局、いい専門家に出会えたことが解決につながったと思う。そこにたどり着くまでがなかなか大変なのだ。たどり着いたとしても、金銭的なことで諦めなくてはならない人もいるのではないか。 金銭的にはかなりの持ち出しになっているだろう。被害に遭い、仕事も満足にできなくなっている上での経済的負担。 全く割りに合わない。 知力も体力も経済力も普通の女性よりは何倍も持っているであろう著者でさえ、これほどの辛い日々を重ねられてきたとするなら、一般的な人はどれほどの恐怖や不安の日々を送らなければならないのだろう。 世の中の不条理と戦い、より良い社会につなげたいと主張されるに至った著者を尊敬する。

Posted byブクログ

2020/02/11

法整備が追いついておらず同じような事件が繰り返されているんだなと痛感。犯罪者は参考にできる事例があるけど防ぐことは法的に困難。自分でなんとかしてくれと丸投げ。周りの知人や小豆島という比較的時間がありそうな警察のおかげで700日も戦えたのだろうと思うのだけど、自分が同じ立場だったら...

法整備が追いついておらず同じような事件が繰り返されているんだなと痛感。犯罪者は参考にできる事例があるけど防ぐことは法的に困難。自分でなんとかしてくれと丸投げ。周りの知人や小豆島という比較的時間がありそうな警察のおかげで700日も戦えたのだろうと思うのだけど、自分が同じ立場だったらファイトできたんだろうかね。 怖かったでしょうね。早くGPS義務化して欲しいわ。

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2020/02/07

内容が重い。とても、よく分かる文章で読みやすいのに、読みすすめられない。脳が煮えるとよく書いてあるが、その通りだと思う。 被害にあって、窓口がかわる度に思いだしたくもない話を何度もする。もう、それだけで耐えられない。警察も弁護士も仕事はきちんとしてくれるが、システムがうまくいって...

内容が重い。とても、よく分かる文章で読みやすいのに、読みすすめられない。脳が煮えるとよく書いてあるが、その通りだと思う。 被害にあって、窓口がかわる度に思いだしたくもない話を何度もする。もう、それだけで耐えられない。警察も弁護士も仕事はきちんとしてくれるが、システムがうまくいってなくて、筆者が思うようにことが進んでいかない様子がよく分かった。いろいろ調べてるし、できる人にできることを頼んで…と、さらっと書いてあるが、これがなかなか難しいと思う。

Posted byブクログ

2020/02/07

怖い、、、ストーカーに狙われてしまった恐怖感が ヒタヒタと迫ってきて身震いしてしまう。 ストーカーを扱った本は以前にも読んだことがあるけれど ストーキングされた本人が書いたものを読むのは初めてでした。 文章を『書く』という作業は、当たり前だけれど何度も何度も自分の書いた物を読み返...

怖い、、、ストーカーに狙われてしまった恐怖感が ヒタヒタと迫ってきて身震いしてしまう。 ストーカーを扱った本は以前にも読んだことがあるけれど ストーキングされた本人が書いたものを読むのは初めてでした。 文章を『書く』という作業は、当たり前だけれど何度も何度も自分の書いた物を読み返さなくてはならない。 思い出すのも怖い出来事を、無理にでも掘り起こさなければならなかった著者の苦しさを想像すると この本を書いてくれたことに頭が下がる思いだ。 ストーカーの被害者側であるはずなのに、それを訴えるだけでどうしてこんなに我慢やさらなる痛手を負わなくてはいけないのか。 警察や弁護士やストーカー事件に携わる可能性のある人たちが、ひとりでも多くこの本を読んでくれることを望みます。

Posted byブクログ

2020/01/19

こりゃすごい…一気読み。自分が被害者になることも、意図せず加害者になることだってあり得る。読んでおいてよかった。

Posted byブクログ

2020/01/18

200118.アトロク推薦図書から。 題名はキャッチー。ストーカが精神病というのは勉強になったし、関係各所に右往左往する流れも書き連ねているのは良いと思う。 しかし文書全体に漂うグチ感。途中読んでいて辟易した。なんでお金を出してまでこの人のグチを聴く(読む)のだろう。はあ?という...

200118.アトロク推薦図書から。 題名はキャッチー。ストーカが精神病というのは勉強になったし、関係各所に右往左往する流れも書き連ねているのは良いと思う。 しかし文書全体に漂うグチ感。途中読んでいて辟易した。なんでお金を出してまでこの人のグチを聴く(読む)のだろう。はあ?というくだりは筆者に対してイライラする。 冒頭にも触れていることだが、関係の切り方が悪いし、お互い様という側面が感じられてしまう。これは筆者の思うところではないと思う。 またグチ口調なので、全体の文書が3割増の煩雑さ。本人のセリフはどこまでが心の声なのか分からず、あなたが声を発せず勝手に思いを深めて相手を歪んでみているのでは?と思う場面も多かった。 小早川先生という方は有能らしいが、このように有能な方にみんなが頼り切ってしまうとすぐに疲弊してしまうし消耗されてしまう。 警察も検事も弁護士もあくまで中立な機関、立場だし、彼らの利得というか都合だってある。それに対し、正義の味方のはずなのにだとか、あくまで自分が正義という立場だからという姿勢が終始あるのは少し気持ちが悪かった。 寂しいのかもしれんが、さっさとSNS関連は止めるべきだし、ツーカー状態がいやな島民であるならやはり場所を移るという選択もありでは?と思ったり。 相手も筆者も狭すぎる世界で行き当たりばったり感があった。

Posted byブクログ

2020/01/13

役所の紋切型の対応が、とにかく歯痒い。 著者の熱量に追いつけず、所々飛ばし読みしてしまったが、ホント酷い話。 ストーカーは病気であって治療で治るとの話には 驚いた。個人的には、依存性は何でかんでも病気だという 見方については、事実としても納得いかないが、被害者や 本人にとっては...

役所の紋切型の対応が、とにかく歯痒い。 著者の熱量に追いつけず、所々飛ばし読みしてしまったが、ホント酷い話。 ストーカーは病気であって治療で治るとの話には 驚いた。個人的には、依存性は何でかんでも病気だという 見方については、事実としても納得いかないが、被害者や 本人にとっては重要なことだと思う。 この加害者は治療なんて受けないだろうけど。

Posted byブクログ