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ストーカーとの七〇〇日戦争 の商品レビュー

3.7

65件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2019/09/09

前作『漂うままに島に着き』は、内澤さんの本の中で一番スッキリしなくて、不思議に思っていたのだが、こんなことがあったとは。いつも内澤さんの本を読むと、清々しい気持ちになっていたのだが。癌の闘病記ですらそう思ったのに、自分の意思で島に移住し、好みの家を見つけて、可愛いヤギを飼い、した...

前作『漂うままに島に着き』は、内澤さんの本の中で一番スッキリしなくて、不思議に思っていたのだが、こんなことがあったとは。いつも内澤さんの本を読むと、清々しい気持ちになっていたのだが。癌の闘病記ですらそう思ったのに、自分の意思で島に移住し、好みの家を見つけて、可愛いヤギを飼い、したいことをするのは、苦労は多くてももっと楽しいものだと思うのに、それがあまり感じられなかったのだ。 こういう知り合い方を批難する人もいるだろうけど、いい大人が、結婚したい訳ではなく恋人がほしい場合、相手を見つけるのはすごく難しいと思う。内澤さんのような自立した(屠畜だってできる)知的な女性と付き合える度胸と自信のある男はそうそういない。で、変な男が寄って来てしまうのだと思う。 ストーカーが依存症と同じで治療できるというのは希望ではあるが、本人が治療したいと自覚しないとダメだというのは他の依存症と同じで、自覚させるには、やはりプロのカウンセラーが必要なのだ。カウンセラーの養成も喫緊の課題だ。依存症だけでなく、クレプトマニアや性犯罪者も治療できるようになれば、社会にとっても、加害者にとっても、ずっと良い。 自己肯定感の低い人が、ストーカー気質の人に狙われるというのも、納得できた。内澤さんは文章は上手いし、やってることも自信を持って胸を張れるものだけど、子どもの時に植え付けられた自己肯定感の低さは、どんなに素晴らしい仕事をしても、なかなか回復できないのかもしれない。とすれば、子育ての問題でもある。ストーカー被害者(DV被害者も自己肯定感が低いというし。)にしないためには、やっぱり的確に褒めて育てることは大事なんじゃないかなあ。子育て中の若い夫婦にも読んでほしい。 取材ではなく、自分の体験で書くことは、本当に辛く、苦しく、勇気のいることだったろう。でも、それだけの価値のある本だと思う。弁護士も検事も警察もあてに出来ないと苦しんでいる人が共感できるだけでなく、どうしたらいいのかを実体験で教えてくれるし、小早川先生というカウンセラーの存在を教えてくれた。小早川先生は、この本でお仕事がどっと増えてしまうかもしれないのが心配だけど、是非後進を育ててください。 内澤さん、お疲れ様でした。もう二度と(記憶は消えないけど)この件で苦しむことがないことを祈ります。 次回は可愛いヤギたちとの楽しい暮らしの本が読みたいな!

Posted byブクログ

2019/08/21

全く頭に入ってこなかったです。 被害者としては分かります しかし、色々な方との相談の中で 自分の思っていた処分と違う 怒る 話の中で それ今いる? と 逸れる で ごちゃごちゃする しんどい 多分 出会いがヤフーパートナーってところが 引っかかり どうしても作者に共感でき...

全く頭に入ってこなかったです。 被害者としては分かります しかし、色々な方との相談の中で 自分の思っていた処分と違う 怒る 話の中で それ今いる? と 逸れる で ごちゃごちゃする しんどい 多分 出会いがヤフーパートナーってところが 引っかかり どうしても作者に共感できなかったのだと思います。

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2019/08/13

「漂うままに島に着き」のあとがきで気になっていた著者のその後! 最初の何分の一か読んだだけでお腹いっぱいのじわじわくる怖さ。家族を巻き込んで、あわや社会的立場を壊されるかと思った自分の体験を思い出した。殺人に至らない、ニュースにもならない、「被害」として認定されてもいない、ストー...

「漂うままに島に着き」のあとがきで気になっていた著者のその後! 最初の何分の一か読んだだけでお腹いっぱいのじわじわくる怖さ。家族を巻き込んで、あわや社会的立場を壊されるかと思った自分の体験を思い出した。殺人に至らない、ニュースにもならない、「被害」として認定されてもいない、ストーカー被害はそこら中にあると思う。最後の章とかちょっと読みづらかったけど、向き合うも残酷な体験をまとめられた執念に☆四つ。

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2019/08/04

文体が良く言えば軽妙、悪く言えば軽いために、作者が言う怖さがあまり伝わらない。 また何と無く自分の体験を切り売りしている感があり、共感は得られなかった。

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2019/08/03

『本の雑誌』の連載「着せ替えの手帖」で、弁護士のスーツに言及しているところがあって、何かの手続きとか、次の作品の取材とかで弁護士に会っているのかなーと思っていたら、こんなにシビアな用件だったのですね。 これまでも自分のことをここまで書いちゃうか、という思い切りの良さというか激しさ...

『本の雑誌』の連載「着せ替えの手帖」で、弁護士のスーツに言及しているところがあって、何かの手続きとか、次の作品の取材とかで弁護士に会っているのかなーと思っていたら、こんなにシビアな用件だったのですね。 これまでも自分のことをここまで書いちゃうか、という思い切りの良さというか激しさを感じていたけれど、今回はホントに壮絶。

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2019/07/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

開けっぴろげに自身の身に起きたことを書かれているので、リアルに追体験。被害そのものよりも、被害者のために加害者の治療が必要という点が初耳だった。

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2020/09/02

内澤さんが経験した恐怖には及ばないが、私も話の通じない人に苦しめられたことがあるので、内澤さんの体験は痛いほどわかった。 こちらがどれほど論理的に説明しても、あちらは自分が作り上げたストーリーを崩すことを 絶対に しない。それがただただ怖いし不快だ。 また、被害者の感じている恐怖...

内澤さんが経験した恐怖には及ばないが、私も話の通じない人に苦しめられたことがあるので、内澤さんの体験は痛いほどわかった。 こちらがどれほど論理的に説明しても、あちらは自分が作り上げたストーリーを崩すことを 絶対に しない。それがただただ怖いし不快だ。 また、被害者の感じている恐怖とストレスが司法の場できちんと受け止められない、二次被害では?と思えるような状態に、私のストレスも爆発しそうだった。 一刻も早く加害者に対する治療が義務化されることを願います。

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2019/07/06

内澤氏らしい体験ノンフィクション。非常に大変で辛い思いをされたであろうことをひしひしと感じました。この短い人生の中で何故私が、と思うような負の出来事に巻き込まれてしまった時にでも、それを振り返ってかつ反省するだけでなく、現状の法整備や環境面を勉強され、被害者の立場から提言されてい...

内澤氏らしい体験ノンフィクション。非常に大変で辛い思いをされたであろうことをひしひしと感じました。この短い人生の中で何故私が、と思うような負の出来事に巻き込まれてしまった時にでも、それを振り返ってかつ反省するだけでなく、現状の法整備や環境面を勉強され、被害者の立場から提言されている、その姿勢に圧倒的なものを感じました。「世界屠畜紀行」でも感じましたが、体験談を面白おかしく書くことだけではなく、そこからの勉強や考察の視点が内澤氏は素晴らしい。今度は出来るだけご自身にとって不幸ではない体験談を上梓していただきたいものです。

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2019/06/28

べらぼうに面白い。大変な災難を面白い読みものにできるんだから作家はすごい。文章が明晰であるために自分との考え方の違いが分かるのが何より魅力的だった。

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2019/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 著者が実際に体験した話なので、その時々の恐怖や苛立ちや焦りなど、臨場感が半端ない。  別れ話から相手がSNSでつきまとい始め、だんだんこじれに拗れて恐怖を感じ、警察に相談してはじめて相手に前科があり、偽名を使っていたことを知る。驚いた。まるでドラマのよう。  最初の逮捕から不起訴、示談になる流れの中では、被害者が雇った弁護士にイライラが爆発してしまった。依頼人のための仕事をしない。誰の弁護士なんだ!と腸が煮えくり返った。信頼のおける専門家に依頼することがどれだけ大切か、よくわかる。  法整備が追いついていなかったり、被害者ばかりがいつまでも不自由さを強いられ、終わりの見えない不安な毎日を送らなければならない理不尽さ。一度陥ると、なかなか厄介なことになってしまう。 でも他人事ではない。恋愛関係に限らず、関係性がこじれてしまうと、つきまといや恨み、脅迫だけにとどまらず、最悪の場合は命を絶たれてしまう事態もある。 ここまでこじれないように、最初から対話を丁寧に重ねていいくことの重要性をしみじみと感じた。 自分や身近な人がある日突然、状況によってはどちらにもなりうる可能性もゼロではない、事件の当事者になるかもしれない、と心に刻むことにする。  とても良い本だった。気づきや教訓がたくさん。 いろんな人が読めば良いと思う。

Posted byブクログ