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ストーカーとの七〇〇日戦争 の商品レビュー

3.7

65件のお客様レビュー

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2024/04/25

大変な本だった。 『漂うままに島に着き』のあと、こんなことになっていたとは。 自分の体験・取材をもとにして書いてきた内澤さんだから このことについても触れないわけにはいかない。 書くことにも勇気がいると思うし、 書いてくれたからこそ、この先に法整備や手順の見直しなどが進んでいくと...

大変な本だった。 『漂うままに島に着き』のあと、こんなことになっていたとは。 自分の体験・取材をもとにして書いてきた内澤さんだから このことについても触れないわけにはいかない。 書くことにも勇気がいると思うし、 書いてくれたからこそ、この先に法整備や手順の見直しなどが進んでいくと思いたい。 突然豹変した相手と対するだけでもかなりのストレスなのに、 守ってもらうためのハードルがあまりに高すぎて絶望的になる。 「再犯防止」って口だけなのか。 何かあってからでないと行動されないって怖すぎる。 守ってもらうために何度も自分の体験を、行く先々の担当者に説明しなければならず、 手間のかかる方法で文書や記録に残してもらわなければならない。 これも大きな2次被害だと思う。 分かりやすくお膳立てされるわけではなく、 自分が知らなければ後悔するような手続きが山のようにある。 ただでさえ恐怖でパニックになっていて、周りにもあまり多くを伝えられずにいる中で 自分で調べる余裕などないよな。 何かが起こらないようにするために先手を打って対応する、という流れになっておらず、 相手をいたずらに刺激するような形でしか物事を進めて行けない。 ストーカーも依存症の一部なのだという認識が必要。 病なのだから治療が必要。 それは相手のためではなく、何よりも自分のこれからを守るため。 ストーカー専門のカウンセラーの方がいるということが分かったのは大きい。まだ数は足りないけれど。 表立って声を上げることのできない多くの被害者のかわりに みっちりと濃い体験談を、手続きの煩雑さも含めて詳細に書いてくれた内澤さんには感謝したい。 いつ誰が突然まきこまれるかもしれないストーカーという犯罪、 しかもまだ法整備を含めた対策が現状にまったく追いついていない状況で、 この本によって対策が進むことを願う。 被害にあって何をしたらいいのか分からない人に大きな助けになるはず。

Posted byブクログ

2023/02/06

作家であり、ライターである著者が、元彼からストーカー被害を受けたというノンフィクション。 著者は東京の喧騒から離れ、四国の離島に移住する。 そこでマッチングアプリでパートナーを探し、後にストーカー加害者になる相手方男性と知り合う。 交際期間中から、キレやすいことに違和感を抱き...

作家であり、ライターである著者が、元彼からストーカー被害を受けたというノンフィクション。 著者は東京の喧騒から離れ、四国の離島に移住する。 そこでマッチングアプリでパートナーを探し、後にストーカー加害者になる相手方男性と知り合う。 交際期間中から、キレやすいことに違和感を抱きつつ、身体的な暴力はなかったため、8か月ほど交際。 しかし、徐々に束縛が激しくなり、怖くなった著者は一方的に別れを宣告して連絡を断つ。 すると、相手方は、著者が有名人なのをいいことに、これまでの情事を週刊誌とネットに暴露すると脅すようになる。 相手方の豹変に驚き、最寄りの警察に相談したところから、1日目がスタートし、それ以降、二度にわたる逮捕、実刑判決までの戦い700日を描いてる。 700日というと約2年。その間、住居や仕事も制限され、常に戦闘態勢で外出しなければならない生活を強いられた著者の心労はいかほどかと思う。 ネットの評判を見ると、マッチングアプリで知り合ったこと、結婚を前提としたお付き合いをしていたわけではないことを理由に、著者の落ち度を指摘する人が多いことに驚く。警察でも同様の反応をされたそうな。 今どき、マッチングアプリで出会いを求めるのは普通だし、女性だって結婚を前提としないドライな関係を求めても良いのでは。 この本を執筆したことにより、著者が二次被害(いわゆるセカンドレイプ)にあっていないことを祈るばかり。

Posted byブクログ

2023/01/23

感情で行動が支配される人がいること、そういう人に関わったら面倒くさいこと、法律の知識の必要性、論理的な思考の大切さ… 読了60分

Posted byブクログ

2022/12/26

とても良い本だった。 ストーカー加害者、被害者、日本におけるストーカーに関しての情報がとてもわかりやすく、誰もが加害者、被害者になってしまう時代。 オススメ本です。

Posted byブクログ

2022/11/02

図書館で。本屋大賞ってノンフィクション賞もあるんですね。知らなかった。以前、清水氏のストーカー殺人事件を読んだ時は痛ましいな、とかこういう恐ろしい思考の人と円満に別れるためにはどうすれば良いんだろう?とか思ったのですが。別に年齢とかで差別するわけじゃないですが、もう少し上手に立ち...

図書館で。本屋大賞ってノンフィクション賞もあるんですね。知らなかった。以前、清水氏のストーカー殺人事件を読んだ時は痛ましいな、とかこういう恐ろしい思考の人と円満に別れるためにはどうすれば良いんだろう?とか思ったのですが。別に年齢とかで差別するわけじゃないですが、もう少し上手に立ち回れなかったのかな、とはちょっと思いました。 どんな出会いでも粘着質な異性と出会う可能性はあるし、友人の紹介や見合いの席で出会ったからと言って100%信頼のできる人である事は無いと思います。ただ、やっぱりネットでの出会いは慎重に慎重を重ねないとイカンのだろうなぁと思いました。あと気になったのが、著者が自分はずっと「被害者」で、相手のことは「加害者」と決めつけている点がちょっと引っかかりました。 別に擁護する気もないけど、加害者側の男性からしてみるとこんな感じなのかなぁと思ったんですが、「いつも俺の意見に合わせてくれる、結婚を前提に付き合ってる彼女が、ちょっとよそよそしくなったと思ったらいきなり別れ話をメールで送ってきた。その後はいくら電話しても出ないし、メールも他人行儀な文章のみ。納得いかない。他に好きなヤツでもできたのか、アイツ、浮気でもしてたのか。とにかく納得いかない。せめて一度ぐらい会って話をするべきじゃないのか。直接会って、顔を見て話したい」とか取っ掛かりはそんな感じだったんじゃないかなぁと。 つきあっているときは気まずくなったりこじれるのがイヤで相手に合わせていたとあったので、その辺りで男性の方は「コイツは俺の言うことを聞くヤツ」とか、「俺の事好きだろう」とか、「コイツはバカだから俺が守ってやらないと」なんて勝手に思い込みが強くなってそうだなぁ…とも思いました。 その後、男性が捕まって、色々こじれていく訳ですが。正直ネットの書き込みなんか無視すれば良いのになぁと読んでいて思いました。それやったらあなたも同じ穴の狢よ、と。 警察や弁護士への不満も、愚痴を言いたくなる気持ちはわかるけれども彼らは彼らなりにきちんとやってくれてるよなぁと読んでいて思いました。他人事だって怒るけど、だって他人事だし。結局は自分がどうしたいのか決定しなくては話は進まないですものね。 でも実際問題、住所も知られている相手が家に押しかけてきて何するかわからない、という状況の時に冷静に対処できるかと言われたら難しいものはあるかとは思います。 私は悪くない、向こうが一方的に悪い、とか、私はそんなに酷いことしてないのにストーカー化されるなんて酷いとか、そういう意識では解決は難しいんだろうなぁ。間に入ってくれる人が居て、相手の事情やこちらの事情を聴いてくれるカウンセリング大事なんだなと思いました。2人きりの付き合いとかは何かあった時に難しいですね。結局は、人間関係全般を大事にしておかないとイカンのだろうなぁとそんな事を思いました。

Posted byブクログ

2022/09/10

自身の経験を元に書かれたもの。被害者側の主張のみとなるので一方的な内容であることを前提として読むべきだろう。ストーカーも依存症と同じ精神的疾患の治療が必要となるレベルになるものであるというのには頷けた。ストーカー被害にあっている? と感じたらまずは然るべきところに相談すべきという...

自身の経験を元に書かれたもの。被害者側の主張のみとなるので一方的な内容であることを前提として読むべきだろう。ストーカーも依存症と同じ精神的疾患の治療が必要となるレベルになるものであるというのには頷けた。ストーカー被害にあっている? と感じたらまずは然るべきところに相談すべきというのはよくわかる。

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2022/08/14

ストーカー被害にあった筆者の壮絶なルポ。 赤裸々にオープンに記載することは、とても勇気を有することで、筆者の強い意志を感じる。 ストーカーに対応する対策は未だ整っておらず、今後も含めたリスクも消えないなか被害者は不安におびえ続けなければならない。 ストーカー事件に対応するに...

ストーカー被害にあった筆者の壮絶なルポ。 赤裸々にオープンに記載することは、とても勇気を有することで、筆者の強い意志を感じる。 ストーカーに対応する対策は未だ整っておらず、今後も含めたリスクも消えないなか被害者は不安におびえ続けなければならない。 ストーカー事件に対応するには、ストーカー自体と対峙するだけではなく、手続きの為に様々な専門的な組織(警察、検察、弁護士、裁判所etc)とのやりとりに時間がない中、自ら判断をしていかなくてはならない。 あとがきにも記載があるとおり _______ 『いつのまにかストーカー被害者になっていた。なんの準備もなくリングに上がらされたようなものだ。きっと多くの犯罪被害者の方も気がついたら被害者になっているのだろう。しかも闘う相手は加害者ひとりだけなのかと思っていたら、そうではなかった。味方なのか敵なのか、いや敵ではないけど本当に味方なのかと疑いたくなる、なんとも、よく分からない、組織や制度や法律条文、暗黙のしきたりその他を背負った方々との辛いやりとりが、延々と続く。自らの尊厳を守るために。』 また、筆者は最終的に事件を基礎して裁判をする。 有罪になったストーカーもすぐに出所する。 そこにストーカーを更正するようなものがない。 筆者の嘆きは切実に響く 『服役が終わってから、被害者もしくは被害者の遺族に誠心誠意向き合い続けることができる人など、ほとんどいない。事件のショックや、物理的に怪我を負わされて障害が残るなどして、生活が立ちいかなくなっている人に対して、加害者から償いがあるわけでもなく、国からの保障やケアも十分でなく、多くの人たちが苦しんでいることを知った。』

Posted byブクログ

2022/06/15

不謹慎だけれど、読み物としてすごく面白かったです。ストーカー事件の被害者となった実体験です。 加害者との出会いが出会い系サイト?ということで、偏見にも晒されたでしょうし。痴漢もストーカーも(一緒にしては申し訳ないけど)被害者にも落ち度があると、言いたがる人が多いのが事実だと思うけ...

不謹慎だけれど、読み物としてすごく面白かったです。ストーカー事件の被害者となった実体験です。 加害者との出会いが出会い系サイト?ということで、偏見にも晒されたでしょうし。痴漢もストーカーも(一緒にしては申し訳ないけど)被害者にも落ち度があると、言いたがる人が多いのが事実だと思うけれど、犯罪ですからね!本屋さんに表に本を並べてるから盗まれるんだ、とか、店頭にあったら盗むよね、とか、八百屋に言わないでしょう??犯罪ですから、加害者が悪い!この一言です。司法制度とか、被害者保護とかにも、一石を投じる、渾身の一作だと思いました。 がんばれ!作者。

Posted byブクログ

2022/06/28

よく書いてくれたな。 自分にはないと思いたいけど自分や身近な人が被害者になったときに役に立つと思う。 あとこれ読んで不愉快になる人は加害者にならないように気を付けてほしい。

Posted byブクログ

2022/04/22

ストーカーに対峙した一例。 法整備は穴だらけ、警官や弁護士の人柄や能力によって安全確保に差が出て、再犯防止の治療も本人の病識次第。

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