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絵を見る技術 の商品レビュー

4.5

128件のお客様レビュー

  1. 5つ

    71

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

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2020/04/12

目ん玉飛び出るほど面白かった! 実例をもとに仕入れた知識を即座に使えるから、読み進めながら成長を感じられる構成が良い。 後付けと揶揄されているが、著者の偏見ではなく美術界の知見を基に書かれているし、問題ないのでは? 美術館行く楽しみがまた一層増すね。 余談だが、最後の自...

目ん玉飛び出るほど面白かった! 実例をもとに仕入れた知識を即座に使えるから、読み進めながら成長を感じられる構成が良い。 後付けと揶揄されているが、著者の偏見ではなく美術界の知見を基に書かれているし、問題ないのでは? 美術館行く楽しみがまた一層増すね。 余談だが、最後の自分の美意識を探るための3作は… ・レオナルド・ダ・ヴァンチ 『洗礼者聖ヨハネ』 ・ディエゴ・ベラスケス 『キリストの磔刑』 ・フランチェスコ・アイエツ 『接吻』

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2020/03/14

美術館にはちょくちょく行くしそのおかげで多少の美術史的知識もついてきて歴史背景と合わせて絵画を少し楽しめるようになってきた気がするけど、それだと評価の定まった過去の作品は楽しめても今の絵を楽しむ事が出来ないし何より絵そのものを感じるにはどうしたらいいのかな?と思ってた。  この...

美術館にはちょくちょく行くしそのおかげで多少の美術史的知識もついてきて歴史背景と合わせて絵画を少し楽しめるようになってきた気がするけど、それだと評価の定まった過去の作品は楽しめても今の絵を楽しむ事が出来ないし何より絵そのものを感じるにはどうしたらいいのかな?と思ってた。  この本はまさに絵そのものの見方を教えてる。名画が何故名画なのか?を好き嫌いにかかわらず理解できるようになると絵をもっと楽しめるようになれそうな気がする。おそらくこの本を読んだ人はみんな一刻も早く美術館に行きたくて仕方なくなるだろう。その位に知的好奇心を刺激してくれる本だと思う。(タイミング悪く今はコロナで休館だけど…)  さらに文章もとても読みやすい上に、読んでる最中にふと思った疑問、例えばフォーカルポイントの説明の際に「ジャクソン・ポロックはどうなんだろう?」など、はちゃんとその後に説明され、まるで上手なプレゼンを聴いてるような感じで気持ち良い。また全体通してこれはあくまでも見方であって、大切なのは「どう感じるか?」というスタンスも安心して読み進められる要因か。  絵も西洋絵画だけでなく日本画も出てくるし文章内にはジョジョまで引き合いに出され、著者の「一般の人に興味を持ってもらいたい」という思いがひしひしと伝わってくる。  この本と以前読んだ『西洋美術史』の2冊はいつでも見れるように手元に置いて美術館に行く時のガイドとしたい。

Posted byブクログ

2020/03/09

絵を描くために技術が必要なのは当然だが、見るためにはどうだろう。ただ絵を眺めて好き嫌いを感じるだけなら特別なメソッドは要らないだろう。だが、なぜその絵が良い/気に入らないのか、どこがどのように良い/問題ありなのかを突き詰めようとしたら、やはりテクニックが必要となる。 その鑑賞用...

絵を描くために技術が必要なのは当然だが、見るためにはどうだろう。ただ絵を眺めて好き嫌いを感じるだけなら特別なメソッドは要らないだろう。だが、なぜその絵が良い/気に入らないのか、どこがどのように良い/問題ありなのかを突き詰めようとしたら、やはりテクニックが必要となる。 その鑑賞用テクニックを分かりやすく解説したのがこの本。まさにタイトルそのまんま「見る技術」について書かれている。 例えば、絵の主題を表すフォーカルポイント。絵の中を案内するリーディングライン。バランスの見方、配色の秘密、構図の話などなど、少しかじるだけで絵の見方が変わるし、格段に面白くなる。 内容は結構ガチだが、語り口が絵画愛に溢れているところが読みやすさの源。また、絵のテクニックと好き嫌いを切り離して見ることの重要性や、最初に自分の感性を信じなさいと説いているところが好感度高い。 本書で紹介されている手法は、とくにルネッサンス期~近代の絵画において強力に効く。先日、コートルード美術館展を見に行く機会があったが、その前に本書を読んでいれば2倍以上楽しめたのではないかと残念でならない。

Posted byブクログ

2020/03/08

読了。いわゆる名画を例に、なぜその絵が名画なのかを、テクニックの面から解説する。非常に読みやすい文で書かれており、素人でも理解しやすかった。自分も好きな絵というのはあるが、改めて見直してみたくなったし、なんでもいいから美術館にいって絵をみたくなる、そんな一冊だった。

Posted byブクログ

2020/03/05

絵画鑑賞にまったく知識のない自分にとって、最初の足がかりになる本だった。 構図に関しては初心者には少ししつこく思えたけど、多分そこが重要なんだろうなぁ。 なんとなく印象や感覚でしかわからなかったことが、しっかりとした技術や言葉で腑に落ちるのはいい。

Posted byブクログ

2020/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(造形言語)「どうして明るい感じがするんだろう」とか「どうしてこの色なんだろう」という問いを立てて見る習慣があるということ。このように絵を見るための「スキーム」を知っていることを指して、私たちは「見るセンスがある」と言っているのです。(p.20)  拮抗する2つのものは、多くの場合、対になる概念を表しています。男女、天地、裏表、老若など、良曲性がテーマの場合に2つのフォーカルポイントを用いるのはぴったりです。ジェロームの『アレオパゴス会議のフリュネ』の場合は、人/神像、裸体/着衣、大/小、顔を覆う/露わにする、などの対概念が見えます。とすると、対概念であることに気づかせることで、2つのものを結び付けるという手法もありえます。(p.61)  四角い画面には、何も描かれていなくても、デフォルトで目の注意を引きつける引力がそなわっていて、画家はそれに対抗する必要があるからです。最も強い引力を持つのは、画面の中心です。二番目に注意を引きつけるのは、角です。だから四角とか三角とかの形を、人は一瞬で認識できるのです。ということは、視線が中心から外れ、角に近づけば近づくほど、目はそっちにキュッと吸い寄せられてしまうということ。(p.69)  円や曲線は、同じ運動が続いていくことを想起させます。人の目は、少しくらい省かれていても補う力があるのですが、曲線では特にその作用が強く働く。この効果を使うと、画面からはみ出た周回型が作れ、ダイナミックな構成が可能になります。さらに、補う力を活かして、描いていない線を感じさせることもできます。コタンの絵の場合、きゅうりの絶妙なカーブの助けもあって、何もない空間に曲線が連続しているかのような印象が生まれています。これをとらえると、ラグビーボール状の周回路に気づくことができます。(p.91)  絵を見るときの重さの計り方は大きく二つあって、一つは現実の重さからの連想です。例えば素材が羽や藁なら軽く、鉄や石なら重い。また、大きいものは重く、小さいものは軽いと私たちは受け止めています。 もう一つ、人は色とか影とかの「目立つ感じ」にも重さを感じるので、それもバランスの計算に含められるのが、絵ならではの面白さ。(p.124)  芸術というのは、そういう中で、バランスが取れた、一瞬の理想的な瞬間を絵の中に組織化しようとする試み。絵は単にバランスを取ることが目的なのではなく、その方法は無限にあり、どうバランスを取っているかという点に意味が込めてある、と。(p.142) 絵画は後世の視覚表現の世界に影響を与えています。歴史的名画の高級感ある色遣いは、記号化され、商業美術にも転用されていきます。そして、それを見る私達にも、「これが高級なんだ」というイメージが自然と植え付けられているのです。「赤+金」や「黒+白」といった組み合わせが高級レストランでよく使われているのも、こういう理由があったのですね。(p.156) 成功した絵の構図を真似することは、恥ずかしいことではありません。今ではすぐに、パクリだとか色々と言われますが、それこそ問題です。レンブラントやルーベンスのような巨匠でさえも、過去の作品の構図を借用することは珍しくありませんでした。(p.199) 絵を見ているときにも、人は知らず知らずのうちに、秩序を探しています。理解可能なものを探すのです。ちょうど真ん中というのは、最も納得がいくし安心します。だから真ん中は安定した位置であり、そこに主役があると落ちつくと感じるのです。他にも、等間隔になっているとか、相似形になっているといったことが、秩序として認識されます。その秩序形成の基盤として、十字線と対角線が役立つということなのです。 画像には文字よりもずっと多くの情報があります。線とか色とか、連想することとかが全部同時に頭に入ってきますね。そこで色を揃えたり、線のタッチを揃えたりしてあると、それだけでも色と線の情報が整理されます。同じように、主なものの高さやいちが揃えてあると絵の統一感が増します。そのために、規則正しいパターンが活躍しているのです。(p.203) 簡潔な表現ほど、それまでの修練が試され、鍛え上げられた瞬発力と決断力を必要とします。禅画や書に通じるもので、常玉もそれらを学び、その議場を取り入れています。簡単そうに見えるからといって、侮れないのです。(p.242)

Posted byブクログ

2020/03/01

絵画をロジカルに見る方法がわかる本。何故この絵が名画と呼ばれるのか、バランスがいいと言われるのかがわかるきっかけになります。 美術館で実際に絵を見てみたくなりました。

Posted byブクログ

2020/03/01

絵を見るのも描くのも好きだけど、感覚的にしか掴んでいなかったので、えーそうなの〜!という、発見がたくさんあってとても興味深かった! これは自分の書棚に入れて、何度か読み返してみたいと思った。見るのにも、描くのにも参考になりそうです。 ^_^

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2020/02/27

中学の頃からしばしば展覧会には足を運ぶし、どこかに絵が掛かっているとつい足が止まる。いつしか我流の見方ができていた。この本を読んで、そのかなりの部分が文法のようなものに従っていることに気づかされた。目の動かし方や使い方といっても良いのかもしれない。美術館のキャプションに多い美術史...

中学の頃からしばしば展覧会には足を運ぶし、どこかに絵が掛かっているとつい足が止まる。いつしか我流の見方ができていた。この本を読んで、そのかなりの部分が文法のようなものに従っていることに気づかされた。目の動かし方や使い方といっても良いのかもしれない。美術館のキャプションに多い美術史や文化史の説明とは違い、かなりの絵画に共通して使える文字通りの「見る技術」が解説されている。序章の部分にシャーロック・ホームズからの引用が何ヶ所かある。確かに、この本全体を通じて書かれているのは、美を愛でる鑑賞の話というよりは、絵画に何らかの文脈を見つけて解釈していく推理の話と言えるかもしれない。どうやら、僕も、そんな風に絵画を見ているようだ。

Posted byブクログ

2020/02/26

これは読むべき本だ! というか、内緒にして自分だけの知識にしたいくらい素敵だ。この本を読んだら美術館に行きたくなる。絵を鑑賞したくなる。

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