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慈雨 の商品レビュー

3.7

323件のお客様レビュー

  1. 5つ

    62

  2. 4つ

    121

  3. 3つ

    112

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2019/08/15

事件解決への、刑事の情熱が半端ない。元刑事であっても。 四国巡礼と共に捜査が進み、時間の経過がリアルに感じられました。 この一冊に、いろんなものが詰まってます。

Posted byブクログ

2019/08/15

本屋で紹介されていたので購入。 「慈雨」とは、簡略すると、恵みの雨だそうで、その意味も相まって、読後感は清々しい気持ちにさせてくれました。物語の構成としては、主に二つの物語が同時進行しています。 一つは退職した元刑事が奥さんと四国巡礼をしながら、これまでのことを振り返っています。...

本屋で紹介されていたので購入。 「慈雨」とは、簡略すると、恵みの雨だそうで、その意味も相まって、読後感は清々しい気持ちにさせてくれました。物語の構成としては、主に二つの物語が同時進行しています。 一つは退職した元刑事が奥さんと四国巡礼をしながら、これまでのことを振り返っています。もう一つは、ある事件を発端に警察がこれからのことを操作しています。途中途中に二つの物語がリンクしながら、一連の事件の解決に向けて奔走しています。 地味ではありませんが、それでいて大きな盛り上がりがあるというわけではなく、しっとりと重厚な物語になっています。物語が終わるに連れて、段々と洗い流してくれるような展開で、面白かったです。 事件のトリックは、どこかのサスペンスドラマで見たような真相ですが、その手がかりがわかった瞬間から、読み手側も読むスピードが加速していき、ページもめくるのが止まりませんでした。 様々な人間模様が垣間見れて、ミステリーだけでなく、ヒューマンドラマとしても楽しめた作品でした。

Posted byブクログ

2019/08/15

ミステリーというよりも人間ドラマ。急展開が少ない分、もっと泣かせにきてくれてもよかった。そのうちお遍路に行ってみたい。

Posted byブクログ

2019/08/13

ストーリーは好きなのだけど、お遍路の進行具合でストーリー展開の具合をいちいち考えてしまう自分がちょっと残念だった。

Posted byブクログ

2019/08/11

悔恨と再生を本部全体で表現したら、こうなるんだな。という作品。 物語の前半部分で主人公の心情とリンクするようにずっと梅雨空のスッキリしない天気、同時に進行していく事件も絡まって重々しい。 それが少しずつ全ての事に晴れ間が見えてきて最後には天気雨となり、過ちや心に溜まった全てのもの...

悔恨と再生を本部全体で表現したら、こうなるんだな。という作品。 物語の前半部分で主人公の心情とリンクするようにずっと梅雨空のスッキリしない天気、同時に進行していく事件も絡まって重々しい。 それが少しずつ全ての事に晴れ間が見えてきて最後には天気雨となり、過ちや心に溜まった全てのものを洗い流してくれるところの展開の仕方はとても上手だし流石、プロの物書きといった感想を持った。ただ、物語が動くまでに過去の追憶の長い部分があるのでそこが少し長くて個人的に、ダレてしまった。

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2020/11/06

最後の寺を目指す神場と妻・香代子の2人に、慈しみの雨が降る。 印象深いラストシーンに涙が出ました。 柚月裕子さんの作品ですが、一気読み必至の作品です。 警察官を定年退職した神場は、妻の香代子と共に四国遍路の旅に出る。 旅先で出会う人々の優しさ、叶わぬ想いや様々な悲しみに触れる。...

最後の寺を目指す神場と妻・香代子の2人に、慈しみの雨が降る。 印象深いラストシーンに涙が出ました。 柚月裕子さんの作品ですが、一気読み必至の作品です。 警察官を定年退職した神場は、妻の香代子と共に四国遍路の旅に出る。 旅先で出会う人々の優しさ、叶わぬ想いや様々な悲しみに触れる。 実は、彼は、16年前、自ら捜査にあたった幼女誘拐殺人事件が、実は冤罪ではなかったのかと思い悩んでいた。 (彼の見る悪夢から、本作は始まります) 果たして、16年前の事件と酷似した事件が発生する。犯人は、同一犯なのか? 時を経て、場所を隔て、織りなす物語の数々。 関係者の思惑を胸に、部下の緒方が辿り着いた真実とは? タイトルの『慈雨』というネーミングが、素晴らしいと思います。

Posted byブクログ

2019/08/04

元警官が、お遍路の旅の途中で、ある少女行方不明事件を知る。元部下と調査の経過を追っていくうち、16年前の少女殺人事件の犯人が冤罪の可能性が高いことが判明するが、司法機関の信頼が失墜するため、再捜査の可能性は薄い…。 冤罪、家族愛、上司・部下愛。少女殺人という事件の題材のお重さは...

元警官が、お遍路の旅の途中で、ある少女行方不明事件を知る。元部下と調査の経過を追っていくうち、16年前の少女殺人事件の犯人が冤罪の可能性が高いことが判明するが、司法機関の信頼が失墜するため、再捜査の可能性は薄い…。 冤罪、家族愛、上司・部下愛。少女殺人という事件の題材のお重さはやり切れないし、犯人に対する怒りは収まらないが、いろんな人間模様も組み込まれ、スッキリとは行かないものの、心がジンとする終末に救われた。

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2019/07/31

柚月さんの本は、いつも直ぐにリアルな世界観に入り込ませてくれる。故にこれは重苦しく、事件の真相を追いながら常に容赦なく理想と現実のギャップや正義とは何かを考えさせられた。 主人公神馬と妻の四国巡礼の旅を土台に、過去の事件に囚われた刑事たちの泥臭い程に熱い情熱と信念が、旅の進行と共...

柚月さんの本は、いつも直ぐにリアルな世界観に入り込ませてくれる。故にこれは重苦しく、事件の真相を追いながら常に容赦なく理想と現実のギャップや正義とは何かを考えさせられた。 主人公神馬と妻の四国巡礼の旅を土台に、過去の事件に囚われた刑事たちの泥臭い程に熱い情熱と信念が、旅の進行と共に新たな事件捜査の形で少しずづつ生々しく描かれていて、それぞれに感情移入しながら読んだ。 事件解決と同じくして終わる旅の最後に夫婦に優しく降り注ぐ慈しみの雨が、全ての許しのような描写で涙が溢れた。

Posted byブクログ

2019/07/30

犯人のバックグラウンドはもうちょい掘り下げて欲しかったなぁー 最後の雨は涙だろうか。それとも通り雨?

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2020/09/06

中古本屋で欲しかった本、とりわけ新刊に近いものを見つけると、やっと会えたねという感じで、とても嬉しい。 警察を定年退職し、妻と二人で四国へお遍路に出た、元刑事の神場。 定年で一区切りつけた中、色々な気持ちを込めた遍路の旅路で、これまでの仕事のことや家族の中での出来事が思い起こさ...

中古本屋で欲しかった本、とりわけ新刊に近いものを見つけると、やっと会えたねという感じで、とても嬉しい。 警察を定年退職し、妻と二人で四国へお遍路に出た、元刑事の神場。 定年で一区切りつけた中、色々な気持ちを込めた遍路の旅路で、これまでの仕事のことや家族の中での出来事が思い起こされる。 家庭も顧みずに仕事一筋で生きてきた神場と、それでも長年連れ添ってきた妻・香代子の、夫婦の物語として、同じような世代の者には、これがなかなか沁みてくる。 が、旅先で幼児殺害事件のニュースを聞いたところから、過去に自分が担当した同じような事件で残した悔いが蘇る。 その、今でも残る古傷の中身が、進行中の捜査とシンクロしながら徐々に明らかになる筋立ては、ミステリーとしても結構面白い。 と書きながら、神場があれほどの男でありながら、過去の悔いを引きずって、ひとり、ああだこうだと思い悩むのが、なんだかしっくりこないところもあったのだなぁ。 刑事の妻であることを誇りに思っていると言ってくれている妻に対して正直な心情を吐露することが出来ないのは、背負っているものの大きさ故ではあるが、ああまで妻や娘に対して頑なでなくても良いのにね。 奥さんが本当に素晴らしい人であるだけに、仕事しか出来ない男の昔気質の心情がいささかじれったかった。 まあ、私も結婚30年以上経っても、嫁さんの言葉に、そういうことを考えていたんだとか、何を考えているんだとか、私の言葉をそういう風に受け取っていたのかとか、いまだに複雑な心境になる場面も多いけどさ…。

Posted byブクログ