慈雨 の商品レビュー
以前『狐狼の月』を読んだが、作風はずいぶん違う。こちらの静かな語り口も悪くない。 この作家さんはオジサンが好きなんだと思う。オジサンへの愛情を感じる。そして、重たいテーマではあるが底辺に浪花節が流れているようだ。
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本筋の事件の進行は遅く、 主人公にまつわる数々の思い出話がメインという印象。 本筋の事件も含め、不幸というか嫌な気分にさせられる事案ばかり。 特に幼い子供のいる親にはこたえるものがる。 トリックというか仕掛けは、正直なところ「えぇ・・・」。 今までリアリティのある展開だったの...
本筋の事件の進行は遅く、 主人公にまつわる数々の思い出話がメインという印象。 本筋の事件も含め、不幸というか嫌な気分にさせられる事案ばかり。 特に幼い子供のいる親にはこたえるものがる。 トリックというか仕掛けは、正直なところ「えぇ・・・」。 今までリアリティのある展開だったのが、 急に「コナンくん」が暴きそうな仕掛けが出てきてガックリ。 探偵が「犯人はあなたです」と指さす推理小説ならまだしも、 「警察の威信が~」「刑事として信じる正義の~」と言ってる傍であのトリックは稚拙というかありえないというか。 それでも、個人的に一番弱い「本当の親子ではない」系のお話しが挿入されていて、 そこはやはり少し目頭が熱くなった。 先が気になる読ませるお話しであったが、 読了後振り返ってみると辛いエピソードがメインで、 言われているような感動はなかった。
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派手なミステリーでは無い。 活劇は出てこない。 16年前の冤罪事件。 そして、その事件の真犯人が引き起こす、もう一つの殺人事件。 必要最小限に絞った舞台と、登場人物。 歩き遍路と謎解き、そして、ゆっくり伝わる物語の終わり。慈雨というタイトルのイメージが、そこに重なる。
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刑事を退職して、幼女殺害事件の遺恨を残して定年を迎え神場は妻と共にお遍路の旅へと向かう。 その途中また新たな幼女殺害事件のニュースに触れら物語 過去の幼女殺害事件が冤罪かも知れないと言う疑問を抱きながらも、組織の中でその事件を無かった事にしてしまった自分と向き合う中で新たに起きた...
刑事を退職して、幼女殺害事件の遺恨を残して定年を迎え神場は妻と共にお遍路の旅へと向かう。 その途中また新たな幼女殺害事件のニュースに触れら物語 過去の幼女殺害事件が冤罪かも知れないと言う疑問を抱きながらも、組織の中でその事件を無かった事にしてしまった自分と向き合う中で新たに起きた事件が過去の幼女殺害事件との関連を疑い娘の恋人の部下にその事件を 託す。贖罪の為にお遍路をはじめた、元刑事が最後の最後まで刑事であり続ら物語。
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警察を退職し、妻と四国八十八箇所巡りを始めた神場。しかし、過去の少女惨殺事件の記憶は消えず、そして類似の手口の事件が起こる。その共通点から、同一犯であると直感的に感じる神場。その場合、過去の少女惨殺事件の犯人として逮捕された人物は冤罪の可能性がある。過去の事件と、現在の事件、八十...
警察を退職し、妻と四国八十八箇所巡りを始めた神場。しかし、過去の少女惨殺事件の記憶は消えず、そして類似の手口の事件が起こる。その共通点から、同一犯であると直感的に感じる神場。その場合、過去の少女惨殺事件の犯人として逮捕された人物は冤罪の可能性がある。過去の事件と、現在の事件、八十八箇所巡りを進めていく、打つという単語で表されているが、打ち進める中で明らかになっていく真実。効果的に使われる雨、そしてそれらが慈雨へと変わる。仕事への強い思いと、妻との歩み、そしてこれから。お寺を巡っていく中で出会う人々との対話の中で、鏡のように自らの思いや姿を写していく。サスペンスとしても、過去の冤罪という重たいテーマを背景に、現在起こっている殺人事件のトリックが少しずつ明かされていく。思わず深夜までかかって一気読みしてしまった。
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主人公は刑事としては魅力ある素晴らしい人だと思うけど、 夫として親としてはどうなんだろうか。と思っていたが、ラストで あー、他人がどうのこうの言うこと違うわ。と気づかされた。 奥さんとの馴れ初めが最後までなくそこが残念でした。 私は最後の方までずっと主人公が犯人やと思っていま...
主人公は刑事としては魅力ある素晴らしい人だと思うけど、 夫として親としてはどうなんだろうか。と思っていたが、ラストで あー、他人がどうのこうの言うこと違うわ。と気づかされた。 奥さんとの馴れ初めが最後までなくそこが残念でした。 私は最後の方までずっと主人公が犯人やと思っていました。ごめんなさいね。
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途中から読む手が止まらなくなってしまった。 ただ内容は重い内容が多く、陰鬱になりそうなところも。慈雨というタイトルに上手く表現されている。
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警察小説ではありますが、トリックといったものは殆ど無く、事件を追う元警察官とその家族の人間物語でした。現実により近い形での物語とはなっていますが、元警察官が現役の刑事が受け持っている事件に関わる不自然さを糊塗出来ているかどうかは少しあやしいかもしれません。
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読みやすい小説です。最後まで楽しく読めました。 警察を定年退職した神場と妻の香代子がお遍路を行いつつ、群馬にいる現職の刑事と幼女殺害事件と16年前の同様の事件を解決に導くべく捜査する物語。 あっと驚くような展開は無かったけど、最後の娘のくだりは少し泣けました。 読後が心地よかった...
読みやすい小説です。最後まで楽しく読めました。 警察を定年退職した神場と妻の香代子がお遍路を行いつつ、群馬にいる現職の刑事と幼女殺害事件と16年前の同様の事件を解決に導くべく捜査する物語。 あっと驚くような展開は無かったけど、最後の娘のくだりは少し泣けました。 読後が心地よかったので、良い小説なのだと思います。
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刑事を定年退職して夫婦で四国巡礼の旅へ。主人公の過去の悔恨を回想しながら、道中でであった様々な人たちの人生に触れる。様々な人生を語りの形で描きながら、それぞれの心情の描写を端的に的確に表現している。苦悩と幸せをたくみにもりこみ、心にしみるミステリー。人生で悩んだり葛藤してるときに...
刑事を定年退職して夫婦で四国巡礼の旅へ。主人公の過去の悔恨を回想しながら、道中でであった様々な人たちの人生に触れる。様々な人生を語りの形で描きながら、それぞれの心情の描写を端的に的確に表現している。苦悩と幸せをたくみにもりこみ、心にしみるミステリー。人生で悩んだり葛藤してるときに、じんわり心あたたまる一冊として覚えておきたい。
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