慈雨 の商品レビュー
泥臭さがあるので、男性にはウケるのかなと思った。読み始めからある程度ラストが予想できてしまうので、もう少しひねりがあったらおもしろかったな。
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初めて読んだ 柚月作品 。面白かった 読みやすい 過去の事件が冤罪なのか そしてそれに似た事件の犯人は? 退職した元刑事の贖罪の旅がどう終わるのか 久しぶりに一気読みした
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文庫本で出たので再読。やっぱりいい物語です。警察小説でありながら家族の物語でもあります。重い事件を扱っている話なのに、何故か重すぎず。『安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー』この言葉に偽りなしですね。
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初めて読んだ作家。刑事ものてあって刑事ものでない、刑事であるか人間であるか自分自身との向き合いと家族、連れ添った奥さんと娘への思いなど、熱くなるものがありました。面白かったです!
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今時こんな刑事、ドラマくらいしかいないだろうと思えるくらい刑事臭さが詰まった本だった。 この本のテーマは、事件の謎解きでも犯人を追い詰めて逮捕する事でもなく、神場達が刑事として正義を貫く信念みたいなものをお遍路の苦行を通じて諭していく事だと感じた。 それだけに軽トラのトリックや受刑者から絞り込みなんかは直ぐに思い付きそうなネタじゃないかなと思ったし、最後ようやく緊迫した雰囲気になったのに、あっさり犯人が逮捕されたのにはがっかりした。作者的にもそこに重気を置いてなかったのは分かるが、最後にもう少しページを使って詳しく完結させて欲しかったかも。
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読み終えて本書が評価されている意味がよくわかった。 主人公は警察官を定年退職した神場。 その神場は在職中に自身が捜査に加わった殺人事件の真相に疑問を感じ、その事件の謎を解き明かそうとする。 ここまではよくある警察小説であり、ミステリー小説。 しかし、描かれた世界はそのどちらのジャンルにもおさまらず、人間の真相を描いたヒューマン小説との表現の方がしっくりくる。 そして本書に引き込まれたもう一つの要因は色の描写の旨さだろう。 物語の世界は決して幸せな世界ではなく、人の後悔や苦悩を描いた作品で、そこには白黒の世界観で描かれた絵が浮かびあがる。 辛く苦しい感情を、内面だけでなく周囲の背景も含めた色をあわせて描写された世界に自分自身が見事に引き込まれていった。 苦しんでいる(きた)神場の人生にただ一つ優しい色を添えてきたのは、養女である幸知の存在で、幸知が描かれる時だけピンク色等の優しく温もりのある色が登場する。 根っからの刑事である神場をもっとも近くで見守ってきたのは、根っからの刑事の妻である香代子。 そんな香代子の存在なくしては、きっと神場は自身が苦しみ続けてきた過去に立ち向かうことは出来なかった。 そして、幸知の恋人であり神場の後輩でもある緒方の弱さと強さ。 物語のラストはハッピーエンドではなく、晴れた空から優しく降り注ぐ慈しみの雨。 『慈雨』がお遍路の旅と本書を結ぶ最後に最も相応しい情景であり、個々の登場人物の心理描写とそれぞれの関係性の深さを見事に描ききった本作は壮大なヒューマンドラマであった。 説明 内容紹介 極上のミステリーにして慟哭の人間ドラマ!! 引退し、お遍路を旅する元警官が少女誘拐事件の発生を知る。難航する捜査、渦巻く悔恨と葛藤。 時間と空間を超えたドラマは、驚きと感動の結末へ──! 待望の文庫化 警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。 内容(「BOOK」データベースより) 警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。
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友達がフェイスブックで紹介してくれた「慈雨」、内容をよく知らないままに手を付けて…強烈な既視感を覚えました。 おそらくこの作品は、「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」をベースに、ミステリーとして書かれているのではないでしょうか。もちろん、「殺人犯はそこに...
友達がフェイスブックで紹介してくれた「慈雨」、内容をよく知らないままに手を付けて…強烈な既視感を覚えました。 おそらくこの作品は、「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」をベースに、ミステリーとして書かれているのではないでしょうか。もちろん、「殺人犯はそこにいる」をなぞっているというつもりはありません。むしろ、一つのドキュメンタリーを元にしていても、そのパーツを丁寧に再構築されているおかげでこの作品の奥の深さは損なわれず、ドキドキしながら最後の最後まで読み切ることが出来ました。 素晴らしい作品です。上質なミステリーに出会えたことを嬉しく思います。紹介してくれた友人に感謝です。
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淡々と進む 山場がないので期待したほどではなかったが、今まで興味のなかったお遍路さんに興味が湧いたのでよかったかなと。 犯人も唐突で、刑事物?日常系?のようななんとなく中途半端な物語でした。 贖罪の意識を感じつつ読むものなのかな 冤罪発覚後まで書いてもらいたかった…
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近年、刑が確定して何年も服役した人が、冤罪を訴えて再審請求などをして、無罪を勝ち取った!という事例がいくつもあるけど、そんな報道を見るたび、「ふーん・・・でも、え!?じゃあ、真犯人はどこにいるの?放置?ずっと放置?これまでも?これからも?」と胸がざわつくのは私だけじゃないですよね...
近年、刑が確定して何年も服役した人が、冤罪を訴えて再審請求などをして、無罪を勝ち取った!という事例がいくつもあるけど、そんな報道を見るたび、「ふーん・・・でも、え!?じゃあ、真犯人はどこにいるの?放置?ずっと放置?これまでも?これからも?」と胸がざわつくのは私だけじゃないですよね。 引退した刑事は、過去に扱った事件を忘れられずにいる。乱暴され、遺棄された少女。そこへ、似たような事件がまた発生する。 自分が逮捕した犯人は、真犯人だったのか?もしかすると自分たちはとんでもない過ちを犯していたのではないか?自分が過去に犯した罪を認めない限り、今回もまた、真犯人に近付くことができない。彼とその周りの刑事たちが、覚悟を決め、事件に立ち向かう。 ちょっと刑事たちが暑苦しいけど、なかなかの読み応えでした。
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事件解決に向けた刑事さんの執念をこれでもかと書いてある刑事もの小説を読むにつけ、本当にそんな刑事がいるものなんだろうか?と不謹慎だがちょっと疑ってしまう、けしからん自分。いつかは四国巡礼してみたいものだと思った(たぶん行かないだろうけど笑)
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