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愛なき世界 の商品レビュー

3.8

565件のお客様レビュー

  1. 5つ

    117

  2. 4つ

    212

  3. 3つ

    162

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2026/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『舟を編む』に続き三浦しをんさん2冊目。『舟を編む』もそうだったけど、専門分野の描写がすごい。研究の記述が詳細であればあるほど、本村をはじめ登場人物たちの植物への愛が伝わってきて、彼等に引き込まれた。 シロイヌナズナの研究に全てを捧げる本村紗英。そんな本村さんに惹かれるうちに、自身も植物に興味を持っていく藤丸陽太。藤丸も料理に対して真っ直ぐな好青年。『舟を編む』の男女逆か?と思い、いつ結ばれるのかと最後の頁までそわそわしてしまった。でもこの2人も、それ以外の登場人物も、みんな愛ある素敵な人達でよかった。 最後。「みんなが愛ある世界を生きている」と語る藤丸に、うつむかずに「みんな、光を食べて生きている。藤丸さんも、私も、植物も、同じように」と微笑む本村さん。藤丸の好意を正面からちゃんと受け止めていると感じた。そして希望を糧に生きることの尊さも。 (余談) 没頭するってのはやはり素敵なことだ。イン・ザ・メガチャーチを読んだあとだけど。 「光を食べて生きている」発言は、今日見てきたばかりのアストロファージを連想させたけど。

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2026/03/28

植物の研究をしている人の話。しっかりと取材をして書いたんだろうなあと思えるような研究者に対する細かい描写が多い。タイトルはとは真逆の愛に溢れた話

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2026/03/20

愛なき世界と言いながら愛に満ち溢れた眼差しで描かれている。 料理人の藤丸が植物研究に命をかけてる本村に恋をするが無惨にも失恋をする。が、研究室の人達と親しくなり植物の面白さ、本村のひたむきな姿を優しく物語っていく。 研究室の片隅で行われている研究が生命の生態系の世界へと広がってい...

愛なき世界と言いながら愛に満ち溢れた眼差しで描かれている。 料理人の藤丸が植物研究に命をかけてる本村に恋をするが無惨にも失恋をする。が、研究室の人達と親しくなり植物の面白さ、本村のひたむきな姿を優しく物語っていく。 研究室の片隅で行われている研究が生命の生態系の世界へと広がっていく。 なんか凄い。

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2026/03/19

それにしても作家の取材力、調査力の高さには舌を巻く。舟を編むでは辞書編集者の世界を見事に描き出していたが、本作では一転して植物学の研究者の世界である。 バイオ技術で薔薇の新品種を生み出すような研究であれば、経済性もあり話題性にも富む。しかし本書で描かれるのは、シロイヌナズナの葉...

それにしても作家の取材力、調査力の高さには舌を巻く。舟を編むでは辞書編集者の世界を見事に描き出していたが、本作では一転して植物学の研究者の世界である。 バイオ技術で薔薇の新品種を生み出すような研究であれば、経済性もあり話題性にも富む。しかし本書で描かれるのは、シロイヌナズナの葉の細胞を調べるという基礎研究だ。実に地味で、普通なら興味を持つことすら難しい領域である。それを丹念に描き込み、小説という虚構の中に確かな現実味を与えているのだから、やはり並外れた力量と言うべきだろう。 とはいえ、本書は決して「お仕事小説」にとどまらない。むしろ本質はラブストーリー――いや、ラブコメディと言った方がふさわしい。 主人公は藤丸陽太と本村紗英。だがこの二人、どう見ても釣り合いが取れていない。コック見習いとして洋食屋「円服亭」に住み込む藤丸と、東大理学部の院生で植物学に没頭する本村。育ちも世界も違いすぎて、会話すらかみ合わないはずの関係である。 それに対して、よほど「お似合い」に見えるのが「円服亭」の大将・円谷と花屋の“はなちゃん”だ。料理一筋で生きてきたが頑固で不器用な円谷と、元ヤンキーで肝の据わった未亡人のはなちゃん。七十と六十の同棲生活は、まさに割れ鍋に綴じ蓋といった風情で、妙にしっくりくる。 この対比が実に面白い。本来なら自然に結びつきそうな熟年の二人と、不釣り合いでどこか危うい若い二人。後者のぎこちなさこそが、本作のラブコメディとしての味わいを生んでいる。 研究に没頭する本村と、料理に情熱を注ぐ藤丸。互いに異なる「世界」に生きる二人が、果たしてどこで交わるのか。その行方を見届けたくなる、そんな物語である。

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2026/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

熱意を注ぐ相手がそれぞれ違う青春話。 大学生の何かに没頭する熱さと人付き合いの難しさや温かさを感じられてとても良かった。 本の内容の半分程が研究に関することなので、それが好きなら楽しめる一冊だと思う。 初心者でもわかりやすく研究内容を解説しており生物好きな私にはとても刺さった。 社交的で優しく明るい性格の藤丸と、正に理系女子で研究一筋の本村。 藤丸の恋心は本村にとって扱いがわからず、研究の方を優先してしまうというのが、不器用で真面目な彼女の性格を表していて良かった。 人として惹かれている描写もあったので、今後もしかしたら付き合うかもしれないし、それぞれ別の道を選んで良き思い出となる未来も良いなと想像が膨らんだ。

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2026/03/07

登場人物みんなそれぞれに愛を注ぐ相手がいて、現実世界でも間違った愛もあるかもしれないけれどおんなじだなぁと。読んだ後、ナポリタンは食べたいわ、部屋の植物と夫(なんでかな笑)のことが愛おしくなったで、なんだかんだ満足な私!

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2026/03/01

三浦しをんサンいいわー。研究パートはよく分からなかったけど(みなさんもでしょ?)、逆にその事で本村さんの植物愛が本物だとわかるし、藤丸の気持ちも分かるという策士三浦しをん。永遠に読んでたい。

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2026/02/22

タイトルから恋愛軸の話かと思ったけど、ほぼ研究室の日常で目新しかった。教授の親友話が不意打ちすぎて涙が出た。愛なき世界ではなく愛ある世界だと言った藤丸の言葉にうなずく。偶然や失敗から新発見があると気づかされるきっかけが、異業種の藤丸からだと いうのも良かった。ただ、続きが知りたい...

タイトルから恋愛軸の話かと思ったけど、ほぼ研究室の日常で目新しかった。教授の親友話が不意打ちすぎて涙が出た。愛なき世界ではなく愛ある世界だと言った藤丸の言葉にうなずく。偶然や失敗から新発見があると気づかされるきっかけが、異業種の藤丸からだと いうのも良かった。ただ、続きが知りたいというワクワク感は薄い作品なので、読了にはやや時間を要した。

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2026/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「それについて、ずっと考えてました。一年近く考えて、本村さんや研究室のひとたちのことを見てて、なんとなくわかった気がするんです。本村さんは、愛のない世界を生きる植物のことを、どうしても知りたいんだ。だからこんなに情熱を持って研究するんだ、って」 「その情熱を、知りたい気持ちを、『愛』って言うんじゃないすか?植物のことを知りたいと願う本村さんも、この教室にいるひとたちから知りたいと願われてる植物も、みんなおんなじだ。同じように、愛ある世界を生きてる。俺はそう思ったっすけど、ちがうっすか?」 藤丸のこの言葉、、彼が本村の言ったことについてずっと考えていて、自分なりに出した答えが結果彼の本村に対する愛を確かなものと無自覚に証明していてメロつく あと解説良かった、知りたいという気持ちがあればその周辺に愛が生じている、、舟を編むを読んだ時も思ったけど、何かに情熱を注ぐ人たちについての物語を追うのって楽しい、そういうキラキラとしたエネルギーに満ちて熱っぽさもあって、みたいなのって見ていて気持ちが良くて好き

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2026/01/28

料理人と研究者という全く別のジャンルの人物を、どうしてこんなにリアルに描き出せるのだろうと尊敬の念を抱いた。 植物の研究者が主な登場人物であり、専門用語が多くて一見とっつきにくいストーリーが、研究分野には素人である料理人「藤丸」が絡むことによって、読者にも分かりやすく展開されて...

料理人と研究者という全く別のジャンルの人物を、どうしてこんなにリアルに描き出せるのだろうと尊敬の念を抱いた。 植物の研究者が主な登場人物であり、専門用語が多くて一見とっつきにくいストーリーが、研究分野には素人である料理人「藤丸」が絡むことによって、読者にも分かりやすく展開されていく。 それぞれのキャラクターが生きていて、あたたかいお話でした。個人的には、最後に人間らしい感情を見せた岩間に好印象を覚えました。 研究の描写も深掘りされており、読み応えのある一冊でした。

Posted byブクログ