1,800円以上の注文で送料無料

ポイズンドーター・ホーリーマザー の商品レビュー

3.7

337件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    154

  3. 3つ

    91

  4. 2つ

    18

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2025/11/04

湊かなえさんの作品を久しぶりに読みました。 自分もこうなる可能性があるな、と心にグッとくる(突き刺さるような感覚)ような話が詰め込まれてました。 それぞれの視点で読み進めていくと、そのときはこっちはこんな気持ちであっちはそんな気持ちだったのかと思うことが多く、実際も自分自身の...

湊かなえさんの作品を久しぶりに読みました。 自分もこうなる可能性があるな、と心にグッとくる(突き刺さるような感覚)ような話が詰め込まれてました。 それぞれの視点で読み進めていくと、そのときはこっちはこんな気持ちであっちはそんな気持ちだったのかと思うことが多く、実際も自分自身の見えかたと周りの人見え方ってだいぶ違うなあと思うことがあり、案外小説の中だけの話ではないかもなあ…と。 書き方がそれぞれの心情を交互に書いていたり、インタビューのような形式で書かれていたり、短編集で読みやすいですが、飽きずにサクサク読めます。 小説の読み慣れてない方で湊かなえさんの作品に触れたい方にはオススメです。

Posted byブクログ

2025/11/03

毒親?毒親と叫んでいる娘は毒娘か?立場が変われば見方も変わる。先入観もあり、娘の立場で読み進めると毒親と思っていたけど、親の目線に変わると…わからなくなっていく。

Posted byブクログ

2025/11/02

毒親ならぬ毒娘と聖母がテーマの表題作を含む、母と娘を題材にした短編六作品収録。粒ぞろいの作品のなかで、個人的なお気に入りは「マイフレンド」。物語構成・感情描写・台詞回し・叙述的ミスリード、この作品のを読むと湊かなえ氏は天才なんだなと感じる。

Posted byブクログ

2025/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集で読みやすかったです。 表題作の『ポイズンドーター』『ホーリーマザー』を一番期待して読んだのですが、自分ああまりピンと来ませんでした。 しかし、『マイディアレスト』『優しい人』は非常に面白いと感じました。マイディアレストは蚤取りに夢中になる狂った様子を展開に絡めている点、優しい人は貧乏くじを引き続けて苦しむ人がいることを前提に社会が成り立っている、優しくない人もいるがそれは悪では無いというメッセージがとても印象に残りました。 友人に進めるならこのふたつですね!

Posted byブクログ

2025/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

バイト先の後輩から借りました!·͜·ᰔ短編だったから読みやすかった! 話自体は短く完結するものばかりだったけど、それらの1個1個で展開がひっくり返って、ちょっとモヤモヤするような読後感があって、短編でもしっかり湊かなえを感じました。 特に最後のポイズンドーターとホーリーマザーが印象に残った。 昨今、毒親や親ガチャという言葉が増えてきた。SNSの発展に伴って皆周りと比べてしまう様になって、自分の置かれた環境を嘆く人が増えているんだろうけど、この2つの短編はそれに一石を投じる内容だと思った。どこかで自分もポイズンドーターになっていないか、ヒヤヒヤさせられました。 私は辛さを感じる基準は人それぞれだから吐露する分にはいいかなって思ってたけど、この作品で「浅瀬で溺れている人が大袈裟にすると、沖で溺れている人が軽んじられる、気づかれない」って書かれてあって、自分の考えが甘かったなと反省しました ‎·ࡇ· 私はすぐに弱音を吐いてしまうタイプだけど、もっと強くならなければいけないなと思いました^_^ ただ、ホーリーマザーを読んでも、私はポイズンドーターの主人公が所謂「毒娘」だとは思えなかった。 この2人に足りなかったのは対話だと思います。娘側は嫌だと思うならもっと自分の気持ちを言うべきだし(子供が親に反抗するのは難しいのかもしれないけれど)、親は親でなぜそれがダメなのか、決めつけることなく、子供だとしても1人の人間としてまず扱うべきだったんじゃないかと思います。 今でも親には感謝してるつもりだけど、私も自分が親になって初めて、本当の意味で親に感謝したり、親の大変さが分かったりするんだろうな〜とこの本を読んで思いました。毒親、毒娘にならないように、健全な親子関係を築きたいものです。

Posted byブクログ

2025/10/20

めちゃくちゃ面白い。 湊かなえワールド全開 一気にこの世界に引き込まれる1行目から、最後の最後まで読者に最後を悟らせない文章力と、ゾワゾワさせる描写さすがすぎる 湊かなえの語り手が変わると印象が180度変わるこの書き方ほんとに好き一人称小説の良さが全開にでてる 被害者意識というか...

めちゃくちゃ面白い。 湊かなえワールド全開 一気にこの世界に引き込まれる1行目から、最後の最後まで読者に最後を悟らせない文章力と、ゾワゾワさせる描写さすがすぎる 湊かなえの語り手が変わると印象が180度変わるこの書き方ほんとに好き一人称小説の良さが全開にでてる 被害者意識というか被害妄想を表現するのが巧みすぎる

Posted byブクログ

2025/10/03

表題作の「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」は、「毒親」という問題について娘側と母側両方の立場から考えさせる構成になっていたが、母の立場になったことがない私にはどうしても娘の方に感情移入してしまった。もしも「ホーリーマザー」が友人視点ではなく弓香の母視点で描かれていれば、弓香...

表題作の「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」は、「毒親」という問題について娘側と母側両方の立場から考えさせる構成になっていたが、母の立場になったことがない私にはどうしても娘の方に感情移入してしまった。もしも「ホーリーマザー」が友人視点ではなく弓香の母視点で描かれていれば、弓香の母の心情にも寄り添えたのかもしれない。 どの話でも語り手によって物事の捉え方ががらりと変わるところや、他人の心をさも理解しているとばかりに勝手なことを言う語り手たちの醜さにぞっとした。

Posted byブクログ

2025/10/02

ホーリーマザーを読んでも、娘が悪いとは思えない。 「あなたのためを思って」という言葉が嫌い。 娘がそれを望んでいるかどうかは知り得ないのに、 自分の過去の経験から、同じ思いはさせたくないという思考に至り、押し付けがましい態度で子どもを縛る。 子どもの自主性はどこにあるのか。 ...

ホーリーマザーを読んでも、娘が悪いとは思えない。 「あなたのためを思って」という言葉が嫌い。 娘がそれを望んでいるかどうかは知り得ないのに、 自分の過去の経験から、同じ思いはさせたくないという思考に至り、押し付けがましい態度で子どもを縛る。 子どもの自主性はどこにあるのか。 母親から生まれても、同じ遺伝子を持っていても、全く別の人間なのに。 どうして他者として尊重してくれないのか。 子どもは親の思うようには育たない。 私は娘の弓香が可哀想に思える。

Posted byブクログ

2025/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上手くいかないことがあったときに「これは小さいころに親から愛されなかったから」「世間からズレてる親の遺伝子を継いでしまったから」と家庭のせいにしがちな自分に気がついた。 きっと、母の実家はそこそこ裕福だったのだと思います。自分が子どもの頃と同じような感覚でもてなしの準備をしたはいいけれど、同じようには事が運ばない。むしろ、こんな狭い部屋に住んでいることをわざわざ知らせたような形になり、どこかで帳尻を合わせようとした。それが学歴の話だったのかもしれません。 「要は、お互い、人付き合いに関しては、超面倒臭がりだってこと。大切な人は人生に一人だけいれば充分」 彼女の苦しみは、結婚ですべて解消されたということか。もともと、私ほどではなかったということか。それとも、無意識のうちに悲劇の連鎖を繰り返そうとしているのか。  もう、何を言っても弓香に通じる気がしない。きっと、この人は根の部分では苦しんでいないのだ。女優としての人気が下がったり、役に恵まれなかったりと、人生が上手くいかないと感じる時だけ母親のせいにして、苦しんでいるフリをして、ダメな原因はすべて自分の外にあるのだと、無意識のうちに自分に思い込ませようとしているのだ。  母親のことを面倒だなと思っていても、姑よりはマシ。嘘だと思うなら、弓香も結婚してみればいい。同居なんてしたら、遅くとも一週間以内には、お母さんはとてもいい人だったんだなって思うようになるはずだから。たくさんの人がそうやって、娘を卒業して、母親になるんだよ

Posted byブクログ

2025/09/30

昨今、「親ガチャ」「毒親」というワードが一人歩きしているけれど、思い通りにいかないときに外的な要因=親を引き合いに出して、うまくことが進んでいるときは、まるで自分一人の力で達成したかのように言う若者が多い。一人で生まれ育った人なんていないのに。 母親は子どもに苦労をさせないよう...

昨今、「親ガチャ」「毒親」というワードが一人歩きしているけれど、思い通りにいかないときに外的な要因=親を引き合いに出して、うまくことが進んでいるときは、まるで自分一人の力で達成したかのように言う若者が多い。一人で生まれ育った人なんていないのに。 母親は子どもに苦労をさせないように、傷つかないように、守ってあげたいと思うあまり、干渉してしまうけれど、毒親の境界線はどこなのだろうか。 むしろ毒を持っているのは子の方なのでは。子の歪んだ感情が毒親にしているのではないか。 若者に分類される私でもそのように感じる書籍だった。

Posted byブクログ