営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー
怪異を『祓う』わけではなく、 怪異を『倒す』わけでもやく、 修繕することで 問題を解決する のが面白いなと思った。 派手な演出を求めて読むと、物足りなく感じるかもしれない。 でもその分、日常に地続きな怪談を読むことができ、これはこれで楽しかった。
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2023.06.19 ★3.8 古い家特有のほの暗い雰囲気、明かりを点けても部屋の隅まで光が届かない感じが、すごく伝わってくる。 子どもの頃の、おばあちゃんちに泊まった夜、あそこから手が出てきたらどうしよう、とか、あの廊下曲がった先に誰か居たらどうしよう、みたいなゾクゾク感が...
2023.06.19 ★3.8 古い家特有のほの暗い雰囲気、明かりを点けても部屋の隅まで光が届かない感じが、すごく伝わってくる。 子どもの頃の、おばあちゃんちに泊まった夜、あそこから手が出てきたらどうしよう、とか、あの廊下曲がった先に誰か居たらどうしよう、みたいなゾクゾク感が味わえた。 続編があるようなのでそちらも読もうと思う。 ↓↓↓内容↓↓↓ 雨の日に鈴の音が鳴れば、それは怪異の始まり。極上のエンターテインメント 叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている。 (「奥庭より」) 古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」) ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。 あれも、いない人?(「雨の鈴」) 田舎町の古い家に引っ越した真菜香は、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。 (「異形のひと」) ほか、「潮満ちの井戸」「檻の外」。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに存分に腕をふるった、極上のエンターテインメント小説。
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家で起こる怪異を無くすのではなく、共存するため家を「営繕」する短編集。怪異をやっつけろ、逃げろを選ばない所が新しい。 最初の短編は間取り描写が細かく、こちらの知識不足もあってか逆に分かりづらく感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
レビュー編集済。先のレビュー書き込み後日、知人にこの本の内容を話していてどんどん面白くなってきてしまったため評価と感想を修正した。 以前のを読み返すと上から目線だ恥。 「怪異譚」とあるのでホラーなのだろうと思っていた。しっとりとした日本のホラー。主人公は話ごとに変わる。古い家にまつわる何事かが起き、それらを営繕かるかやの尾端という人物が緩和させる。緩和させと書いたのはそれらの事象を全く失くするというのではなく、あるものはあるものとして存在させお互い共存する形でおさめている。各話の主人公は怪異に寛大な気がする。たとえ起こらなくなる、見えなくなる、彼らの事情を理解したとしてもいるしあり続けているもので怖い。今市子さんの『百鬼夜行抄』に似た雰囲気。
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古い家を舞台に起こる怪異を綴った短編集。 終始ゾワゾワする怖さ。状況の説明が細かいから、必然的に頭の中の映像も細かくなってしまうのが余計に怖い。 怖いのにどんどん読んでしまった。
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私がこの本を好きな理由を宮部みゆきが解説でドンピシャに言語化してくれていて感謝。 異質なものを無闇に浄化したり排除したりするのではなく、事実として引き受けて折り合いをつけるためのぴったりなやり方を飄々と見つけてくる尾端、何者だよ〜
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良かった。 「人間の生活のすぐそこにいる幽霊」を取り扱う物語は本当に心地が良い。 しかもそれらを悪とみなして退治するのではなく、なるべく穏便な方法でやり過ごす(少しでも状況が良くなるように導く)のも見事に私が大好物なやつだった。 レビュー通り優しいホラーなんだけど描写が容赦ない...
良かった。 「人間の生活のすぐそこにいる幽霊」を取り扱う物語は本当に心地が良い。 しかもそれらを悪とみなして退治するのではなく、なるべく穏便な方法でやり過ごす(少しでも状況が良くなるように導く)のも見事に私が大好物なやつだった。 レビュー通り優しいホラーなんだけど描写が容赦ないので寝る前に読むことだけはできなかった。 安心して眠れなくなる。 そんな文章が書ける小野不由美、凄すぎるよ。
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あんまりホラーは苦手で読まないので読んでいてゾッとする部分もあってなかなか進まなかった。家に纏わる怪異を家を壊さずに営繕する。最後の話はちょっと悲しい、、。
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著者の心霊ものを題材にした他の作品にゴーストハントシリーズがあるが、あちらとは全く雰囲気の違う作品だ。 あちらが除霊だとか対決だとかのファンタジー寄りなのに対して、かるかやシリーズは日常に潜むような仄暗い怖さにスポットを当てている。派手な幽霊の登場はあまり無いが、自分にも起こりう...
著者の心霊ものを題材にした他の作品にゴーストハントシリーズがあるが、あちらとは全く雰囲気の違う作品だ。 あちらが除霊だとか対決だとかのファンタジー寄りなのに対して、かるかやシリーズは日常に潜むような仄暗い怖さにスポットを当てている。派手な幽霊の登場はあまり無いが、自分にも起こりうるかも…?と考えると背筋が寒くなる独特の怖さを味わえる。
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ゴーストハント的なものを期待したが、若干内容が薄い。語り方や展開などはさすが小野不由美さんだと思う。雰囲気は好き
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