営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どれもじっとりした雰囲気で日本らしい怖い話。 しかもよくあるような追い払うとか成仏させるとか 原因を突き止めると言ったようなことはなく、元に戻しておこう 気にしないようにしようというような 曖昧なままに解決に導くやり方で非常に面白い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『魔性の子』はトイレに行けなくなるほど本当に怖かったので、ビビりながら読んだ。 本作は、怖い物語だけれど、営繕尾端さんや大工の隈田さんによる修繕で怪異がおさまったり、おさまらなくても折り合いがつくという話の仕舞い方に、なぜかホッとする。この絶妙感はクセになる。 とはいえビビりの私は、きっと再読はしないだろうから★4にしたけれど、尾端さん、隈田さんが連続して出てくるところや、短編ごとのキャラクター達が魅力的で、人物もよく描かれていて、さすが小野不由美さんだなと感じる。
Posted by
この家には障りがあるー 古い家にまつわる怪異を、営繕屋の尾端(おばな)が修繕して折り合いをつけていくお話。 6話の短編集。 やわらかめのホラー。 読んでて怖さはないけど、自分がその立場だったらと思うとめっちゃ怖い〜。 営繕って言葉を初めて知った。 建物の修繕をするって意味らしい...
この家には障りがあるー 古い家にまつわる怪異を、営繕屋の尾端(おばな)が修繕して折り合いをつけていくお話。 6話の短編集。 やわらかめのホラー。 読んでて怖さはないけど、自分がその立場だったらと思うとめっちゃ怖い〜。 営繕って言葉を初めて知った。 建物の修繕をするって意味らしい。 その営繕屋の尾端はあくまで修繕屋で除霊をするわけではないのだけど、うまく事をおさめていく。 古い家は歴史もあるし、それだけ色んな思いが残ってたりするのかも知れない。 どの話もちょっと悲しくて、そしてあたたかみのある読後感だった。 印象に残ったのは「雨の鈴」「檻の外」。 ただひとつ言うなら、怖がりの私ならすぐ引っ越すけどな笑
Posted by
【2023年144冊目】 読了後、宮部みゆきさんの解説を読んで「そうか、祓ってはいないのか」ということに気がついた。なんともお粗末な話だ。 建物に纏わる6つの怪異譚。解決するのは営繕かるかやを名乗る尾端さんなのだが、彼は怪異を祓わない。歪みを、正常な状態に戻す大工さんだ。日常か...
【2023年144冊目】 読了後、宮部みゆきさんの解説を読んで「そうか、祓ってはいないのか」ということに気がついた。なんともお粗末な話だ。 建物に纏わる6つの怪異譚。解決するのは営繕かるかやを名乗る尾端さんなのだが、彼は怪異を祓わない。歪みを、正常な状態に戻す大工さんだ。日常から少しだけ外れた怪異譚は、逆に現実味が強くてぞくぞくする話が多かった。読んでいる間中、外から聞こえてきた何でもない音にどきりとすることもしばしば。 物語が終結したあとも怪異はきっとそこにいるのだが、生きている人間とは邂逅しないようになっている。相容れない存在が同じ空間に、意図せず存在していることになるのだが、互いに不利益をもたらすことがなくなり、平行線上に日々が続いていっているのだと思う。 思えば「祓わない」怪異譚はなかなか斬新なのではないだろうか。すっごく怖いわけではないけれど、ぞくっとしたい方におすすめの一冊。
Posted by
どこか温かな気持ちになる短編集です。 科学では説明できない不思議な現象と共存するための方法を探る物語たちでした。 軽い読み心地なので普段読書をしない人や若い学生さんでも楽しめそうです。 少し切なくて、人間らしい狡さがあって、なんだか優しい気持ちになるようなお話が集められた短編集...
どこか温かな気持ちになる短編集です。 科学では説明できない不思議な現象と共存するための方法を探る物語たちでした。 軽い読み心地なので普段読書をしない人や若い学生さんでも楽しめそうです。 少し切なくて、人間らしい狡さがあって、なんだか優しい気持ちになるようなお話が集められた短編集。 疲れた時に読むといいかもしれません。
Posted by
ホラー作品だし陰鬱な雰囲気がたくさんあるが、なぜかイヤな気分にならない 救いのあるホラー作品でした
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
怖い現象は払うもの、断ち切るもの、二度と見なくて済むようにするもの、というのは時には横暴になってしまうのかもしれない。 霊感のない修繕屋さんが、人にも怖い現象にも優しいまなざしで、それを解決に導くところは、こちらもほっとし、読後は穏やかで温かい気持ちになれる。 自分はただの大工と言いつつ、さらりと場を収めてしまえるのがとてもかっこいい。 「異形のひと」は、その場を想像すると怖く、読んでいる間、背中が寒くなりっぱなしだったが、なぜ現れるのかを知ると悲しく辛い。運び込まれた長持ちがお爺さんにとって、怯えることなく安心な隠れ場所になっているといいなと心から思う。
Posted by
様々な古家で住人の身の回りにおこる怪異と、 それを祓ったり退けたりするわけではなく、 うまく付き合っていく術を教えてくれる営繕(家を治してくれる人、ほぼ大工)かるかやの尾端という男のお話。 読み始めはただの怖い話が読み進めるうちに この件を尾端はどう解決するのだろうという謎解きの...
様々な古家で住人の身の回りにおこる怪異と、 それを祓ったり退けたりするわけではなく、 うまく付き合っていく術を教えてくれる営繕(家を治してくれる人、ほぼ大工)かるかやの尾端という男のお話。 読み始めはただの怖い話が読み進めるうちに この件を尾端はどう解決するのだろうという謎解きのような感覚になって行くのが面白い。 毎回同じ手口ではなく、時には家主に具体的解決策を示さない(勝手にやる)パターンもあるよう。 幽霊系の普通に怖い話だが、なんだか少し前向きになれる本
Posted by
水木しげる氏の「見えないけれど、そこにいる」という言葉を思い出しました。祓うということはせずに共存の道を。子どもの話は胸が痛かったです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。怪異を祓うのではなく、共存する? 少し遠ざける? なんと言ったらいいものか。解決するのが霊能者とかではなく、普通の大工さんっていうのも面白い。「私にはわかりません、それが何なのか」と言いつつ、家の障りを無くす、見えなくするのってカッコいいなあと思った。 「雨の鈴」が一番怖かった。 死に直結する話がやっぱり怖いし不気味。 黒い喪服の女、何だったんだろう。 それがわからないまま終わるのもまた怖い。
Posted by