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営繕かるかや怪異譚 角川文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
| 発売年月日 | 2018/06/15 |
| JAN | 9784041060476 |

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営繕かるかや怪異譚
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商品レビュー
4
221件のお客様レビュー
2025/11/8 オーディブル 怪異の原因を究明したり払うのではなく、折り合いを付けて付き合っていく。想像していた感じではなかったが、面白かったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
営繕することで怪異と向き合う、付き合っていくというストーリーが新鮮でおもしろかった。 最後、檻の外には苦しく込み上げるものがあったなぁ。 車庫の見積もりを出した際に尾端が「これが相場ですよ」と言うくだり、なんというか、他人に何かをしてもらう(要求する)際の見返りの相場が分かっていない相手の反応が、搾取され続けた人という感じで切ない。 本を閉じたあと、実家の年季の入った古い日本家屋を思い出し、そう言えば子供の頃はすりガラスのはまった引き戸の向こう側や、天井の木目、昭和を感じさせる独特な柄の床、少し透いた襖、大きな掃き出し窓沿いの暗く見通せない長い長い廊下の突き当たり、などヒヤリと感じるものが沢山あったなと思い出に浸ってしまった。我が家の裏庭にある、重石をのせられたあかずの井戸は、今も水があるのだろうか。 読了後、物語の世界に想いを馳せ、同時に自分の生きている世界に投影して浸ることができる、最高の読書体験でした
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古い家屋や庭、井戸といった「場所」にまつわる不可思議な現象。 営繕屋・尾端は、それを“祓う”のではなく、そこに宿る想いや記憶に寄り添い、少し手を加えて“繕う”ことで解きほぐしていく。 6つの短編を通して、人と家、そして時の流れにまつわる怪異を描いた物語集。 1.奥庭より 受け継...
古い家屋や庭、井戸といった「場所」にまつわる不可思議な現象。 営繕屋・尾端は、それを“祓う”のではなく、そこに宿る想いや記憶に寄り添い、少し手を加えて“繕う”ことで解きほぐしていく。 6つの短編を通して、人と家、そして時の流れにまつわる怪異を描いた物語集。 1.奥庭より 受け継いだ古い家の奥座敷。閉めても閉めても開いてしまう襖。その違和感は、家に残された記憶とつながっていく。 2.屋根裏に 認知症の母が「屋根裏に誰かいる」と言い出す。天井裏に潜む気配は、家族の過去や思い出と重なり合う。 3.雨の鈴 雨の日に響く鈴の音。袋小路に立つ黒い着物の女。その姿がもたらすのは、静かに忍び寄る恐怖。 4.異形のひと 田舎の古い家に越した少女が、仏間で見た“知らない老人”。その存在は地域に根差した時間の流れを思わせる。 5.潮満ちの井戸 庭にある古井戸。祠を動かしたことで広がる異変。水の匂いや湿度が、土地に残された想いを呼び覚ます。 6.檻の外 実家のガレージに暮らし始めた女性。そこで繰り返される不可解な現象は、家と人との関わりを問い直す。 この短編集を通して感じたのは、怪談でありながら優しく温かい物語だということ。 ただ怖がらせるのではなく、最後にはどこか救いや柔らかさがありました。 雰囲気としては、真夏の怪談というより晩夏の宵闇が似合う。派手な事件は起こらないけれど、その静けさこそが魅力で、じわりと心に残ります。 描かれる世界観も印象的でした。湿った空気や古い木造家屋の匂い、雨や風の音といった描写は、読んでいると自分の記憶の奥に眠る風景を呼び起こすようです。 また、一編一編が程よい長さでまとまっていて、日常の合間に読みやすい。ちょっとひと息つきたい時に寄り添ってくれる一冊でした。 この“日本らしい怪談”は新鮮で、心に沁みる体験となりました。素敵なシリーズに出会えて良かった。
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