営繕かるかや怪異譚 の商品レビュー
著者特有のじわりと迫る恐怖は健在ながら、怪異譚としては意外と軽い読み口でさらりと読めました。 営繕屋の尾端さんの主観で探偵みたいにじっくりと怪異を退ける解決法を思案していく物語だと思っていたけど、怪異に触れる話が軸であるので、結局のところ普通に怖い話を読んだような感覚ではあります...
著者特有のじわりと迫る恐怖は健在ながら、怪異譚としては意外と軽い読み口でさらりと読めました。 営繕屋の尾端さんの主観で探偵みたいにじっくりと怪異を退ける解決法を思案していく物語だと思っていたけど、怪異に触れる話が軸であるので、結局のところ普通に怖い話を読んだような感覚ではあります。 もちろんとても面白かったのですが、是非尾端さんを主人公とした長編も読んでみたいです。
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平成も終わりに差し掛かった頃の作品だけど、内容は昭和ホラー。平成の人はともかく令和の人にはわからないんじゃないかと要らぬ気を使ってしまう。ホラーだけど営繕しちゃって後ひかないのが独特。
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怖い話は読みたい、でも読み終わった後にふと思い出して怖い思いをしたくない。 そんなわがままを叶えてくれた静かな短編たち。 昔に旅行で行った城下町の人通りの無さ、静かさを脳内で思い浮かべながら読む。 そこに住む人たちと忍び寄る得体の知れない怪異の雰囲気が合っていて読んでいてソワソワする。絶対ここに出てくる古民家に住めない。 でもかるかやさんが出てくれば大丈夫!という安心感もあるので、怖い話を読みたい欲がいい感じで満たされます。 かるかやさんは、得体が知れないものをフワッと「当たり前にあるもの」として捉えて良い風に分解してくれる。作中の女性たちも恐怖で視野が狭くなっていたのが、ああ、それならいいかな、と少し前向きになる。私の読後感もそうなる。 好きなのは「雨の鈴」怪異を観察し、ロジカルに整理する主人公が強い。じゃあ玄関の前を壁にしちゃいましょうという解決策も裏技感があっていい。 怖かったのは「異形のひと」でもこれだけ怖さの質が少し違って、若い女の子が家の中にお爺さん立ってるの見たらそりゃあ怖い…ゾッとするよ…という怖さだった笑 怪異(幽霊)って、男性よりも女性や子供が多い印象でしたし非実在感が出て現象として怖いんだけど、お爺ちゃんはお爺ちゃんで人間だったとしても怖いし田舎に染まった親が「声かけてくれればいいのにね〜」と言うのも怖い。
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コミック化するので今更だけれど購入して読んでみた。 最初に漫画読んじゃったけど。 コミックの印象と違ってじんわり怖い。 ばっちり解決ではなくて、かわすタイプですね。 小野不由美っぽいというか。 こういう手もあるか、と。
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古い家に纏わる怪異、オカルト的な霊障を、「祓う」のではなく、雨漏りを直すように家を「修繕」することによって住む人との折り合いつける、新しい着想の短編集 営繕 かるかや さんの誠実で行き届いた手際と配慮にホッとする良作品です 結構怖かったです
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霊を払わないで共存するって考えがぜんぜん頭になかったのでなるほどー!ってなった 一度望んでるようにしてあげたら出てこなくなるなんて生きてる人より謙虚で愛おしいな 喪服の死神のような人の話は想像したらちょっと面白かった 行き止まりまで来たら次の雨まで方向転換できないなんて不便すぎる 転がすタイプの迷路の玉みたいな動き
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『残穢』を読んでからこちらを読むと、あっさりした印象がありました。とはいえ住居にまつわる怪異を解決する話。生活がかかわってくるので、怪異に悩まされるのは…。キャラクターが特徴的なので、ちょっとしたドラマにもできそう。漫画化もされてるようなので、またイメージが変わりそうですね。
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わたしは残穢より怖かった。呪いとか伝染とかじゃなくて、そこにいるのがわかってるのがめちゃくちゃ怖い。どんどん近づいてきたり、一緒に住まなきゃいけなかったり、ううこわい。 霊媒師や住職とかじゃなくて、家を修繕することで霊を追いやる方法が新鮮で面白かった。最後の話は、毒親が一番怖かっ...
わたしは残穢より怖かった。呪いとか伝染とかじゃなくて、そこにいるのがわかってるのがめちゃくちゃ怖い。どんどん近づいてきたり、一緒に住まなきゃいけなかったり、ううこわい。 霊媒師や住職とかじゃなくて、家を修繕することで霊を追いやる方法が新鮮で面白かった。最後の話は、毒親が一番怖かったわ。
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コミカライズのニュースを見て手に取る。 読み始めると怖くてゾクゾクするが「残穢」ほど読後感は悪く無い。ちゃんと救いがあるのが良い。続編も読みたい。
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後味の良いホラー。描写もそんなに怖くないし、最終的には対策が取られて解決するということが分かっているので安心して読める。あ、でもおじいさんの幽霊が出てくる家で、最後に搬入された長持ちの存在が謎のままで、不穏さを残しているな。 古い日本家屋を丁寧に管理しながら住み続けている様子は、読んでいて心地よく、羨ましささえ感じる。
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