この世の春(上) の商品レビュー
時代物なのに多重人格の話をぶっ込んできたり、いつしか読者を物語にひきこんでしまう技はいつもながら秀悦。早い段階からこの話のとりこになり夢中で読み進めちゃいました。 それぞれの登場人物のキャラも立っていて下巻での展開が見逃せない。
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面白い!! これは一気にいけますね。 誰もがもっともな事を話しているけれど、何だか疑惑の気持ちが出てきたり、真実はどこにあるのか? 人の心は、言葉で語れるものなのか、語れないものなのか。 そうだって言われると、そんなような気がしてくるので、この眼で見て判断出来るように、強くなりた...
面白い!! これは一気にいけますね。 誰もがもっともな事を話しているけれど、何だか疑惑の気持ちが出てきたり、真実はどこにあるのか? 人の心は、言葉で語れるものなのか、語れないものなのか。 そうだって言われると、そんなような気がしてくるので、この眼で見て判断出来るように、強くなりたい。
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北見藩の六代目藩主『重興(しげおき)』は乱心を理由に主君押込(強制隠居)される。 一方、小役人の娘の『多紀(たき)』は隠居した父が逝去してすぐに徴用され重興が隠居させられている五香苑へ連れて行かれる。 乱心と聞くと横暴だったり、凶悪だったりと想像するが、重興の場合は26歳にして呆けたり、記憶が飛んだり、別人のように振る舞ったりする。 特に別人のように振る舞うときは、少年であったり、女であったり、粗暴な男であったりしたため、家臣は生霊に取り憑かれていると半ば信じていた。 読めばわかるように書かれているが、これは多重人格障害だ。 全身が弛緩したあと人格が交代したり、脳内で会話したり、表に出る人格が立つスポットの描写があったりと「24人のビリー・ミリガン」を読んだのもありすぐ分かる。 気になるのは「なぜ人格が分裂したのか?」だ。 大抵は幼少期の耐え難いトラウマが原因になる。 目付役の爺やにも分からない過去のトラウマ。 色んな作品書いてるから多重人格と見せかけてまさかの生霊!? などと考えると読む手が止まらない。 さてさて、どこに着地するかな?
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江戸時代の藩政にとっては、一揆やお家騒動に並ぶ大事「主君押込」。おまけに渦中の主君は「5番目のサリー」状態で父殺しのイケメンだわ、「御繰霊」なるオカルトな一族が絡むわ、更にその一族皆殺しの封印された惨事はあるわで、面白くないわけがない。 押込先を風光明媚な城下の外へ持ち出すことで、宮部お得意の下町ノリを自然に敷き、且つ、重興/多紀/半十郎/登の「鞘当て」もチャッカリ配置。エンタメの見本みたいだ。 名馬に嫌われた、先代「名君」。息子に殺されるような何をやらかしたの?女絡み?ーーで下巻ね。 母・妻・娘の女性キャラが書き込まれてなかった「宇喜多の捨て嫁」を読んだ後だけに、登場人物を丁寧に扱う宮部作品はいつにも増して好感度高し。
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最後の数ページでついに現れた、「いやらしい女」。上巻ではかわいらしく聡い少年と重興だけが入れ替わり現れて、ほのぼのと温かい流れだったけれど、下巻では下卑た女と粗暴な男が中心になるのだろう。ますます濃厚になりそうで、怖さと期待が入り交じる。 表紙のイラストがどうにも安っぽいのが不満。描かれた男女は重興と多紀なのだろうけど、多紀のイメージが違いすぎる。この表紙のせいで、もっと軽い内容を想像してしまった。
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主君押込に現代的なテーマがからみ、今後期待させる上巻。善意溢れる登場人物も、相変わらずのミヤベ調で、安定感あり。途中で失踪したキーパーソンが再度出てくるであろう下巻に期待大。
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面白い。タイトルと表紙の絵で、もしや裏切られるか…と思ったのも束の間。あっという間に引き込まれる。個人的には宮部さんの作品では、現代より時代物が人情味溢れるので好きです。その人情味もあって、なおかつ現代物のような深い推理ものであるところが、なんとも秀逸な作品。早く続きが読みたいな...
面白い。タイトルと表紙の絵で、もしや裏切られるか…と思ったのも束の間。あっという間に引き込まれる。個人的には宮部さんの作品では、現代より時代物が人情味溢れるので好きです。その人情味もあって、なおかつ現代物のような深い推理ものであるところが、なんとも秀逸な作品。早く続きが読みたいなぁ。
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重興の病は当時としては奇妙なものでも、現代の私たちにはよく知られたものだ。その病の原因も知られており、前藩主が何をしていたのか、上巻を読んだだけでもぼんやりとわかってしまう。もちろんこの予測が間違っている可能性もあるけれど、下巻がこの悲劇をどう料理していくのか、楽しみに待ちたい。
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時代物はなかなかとっつきにくく読み進めるのに苦労したり、序盤の段階であきらめてしまったりというのがよくあるけれど、この作品は不思議とそういうこともなく、どんどん物語の世界に吸い込まれていくように読み進めることができた。 下巻も楽しみです、はい。
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時代劇で多重人格というのが新鮮だがどう展開するのか、上巻ではテンポがぬるくどの方向にレールが敷かれてるのかも不明でイマイチでした。登場人物の相関図がありがたい。
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