この世の春(上) の商品レビュー
藩主押込の事件が起きた北見藩。その押込された藩主を幽閉している五香苑で物語は進んでいきます。押込というクーデターの原因は、重興の乱心。彼がなぜそのような行状になったのか、と探っていく人々。 上巻は重興の乱心が多重人格だということがわかり始めたところで終わります。江戸時代の話なので...
藩主押込の事件が起きた北見藩。その押込された藩主を幽閉している五香苑で物語は進んでいきます。押込というクーデターの原因は、重興の乱心。彼がなぜそのような行状になったのか、と探っていく人々。 上巻は重興の乱心が多重人格だということがわかり始めたところで終わります。江戸時代の話なので、多重人格なんて言葉はないのですが。 じゃあ、重興が多重人格を作り上げてしまった源は何なのか?それを取り除くことができるのか?が下巻・物語の肝なんでしょう。 おそらく父親の裏の顔が原因じゃないかなぁとは思っていますが。 名君として名高い父親の成興。表の顔とは別人の顔。おそらく倒錯した性的嗜好があったんじゃないかな、と思います。 虐待を受けて育った重興を、多紀をはじめとする五香苑の面々が再生していく物語、なのかな。 さて、下巻読むとしますか。
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分厚さに怯んだものの、今度は止まらない面白さに怯む。宮部さん凄い…。設定からして絶対に面白いと確信したけど、私の確信なんぞ遥かに凌ぐ面白さ。多紀が出来すぎていて、ちょっと面白味に欠けるのは個人的感想として、重い話がおごうと寒吉のニヤニヤで、くすっと笑える辺りが良い♪主人公もさることながら、脇を固める人達の個性も本当に大切だと思う。何があったのかはまだ匂わせる程度で真相は見えず。重興のいる五香苑は、皆重興の味方(怪しいのもいるけど)だと信じ、眉目秀麗な親方様の幸せな結末を期待して下巻へ♪
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押込(おしこめ)/囚人(めしゅうど)/亡霊/呪縛/暗雲/因果 青年藩主に隠居を強いる変事に巻き込まれた多紀。自らの行く道を見定め、その時々に必要と思える事を成して行く。五香苑に集められた人々と共に
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嫁ぎ先から戻り、父の世話をしながら暮らしていた各務多記だったが、父が急逝し、半ば攫われるようにある場所に連れてこられる。 そこで多記は、主君押込の措置を取られ、座敷牢に幽閉された重興と出会うが……。 2017年9月12日読了。 上巻だけでは、どこに向かっているのか、まったく見え...
嫁ぎ先から戻り、父の世話をしながら暮らしていた各務多記だったが、父が急逝し、半ば攫われるようにある場所に連れてこられる。 そこで多記は、主君押込の措置を取られ、座敷牢に幽閉された重興と出会うが……。 2017年9月12日読了。 上巻だけでは、どこに向かっているのか、まったく見えない状態です。 ただ、根底にあるであろう、何者かの悪意が滲み出ていて、全編に不気味さが漂っていました。 この作品の評価は下巻以降の展開で決まりますね。 本編とは関係ありませんが、挟み込みの30周年記念の振り返りインタビューがとても面白かったです。
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奉公人たちが、優しく、所々ユーモアがあって、ホッとすると共に、謎もどうなるのだろうと、なかなか途中で、やめられないくらい気になる。下巻も楽しみ。
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さすがの宮部みゆき。 一文一文大事に読もうと思うのに、面白くて一気に読んでしまった。 登場人物が皆、味があり優しく力強く魅力的だ。 序盤から息をつかせぬ展開に、読者は物語の世界に引っ張られる。 が、後半、今の時代でいうところのアレってこと?と感じさせる解釈が多く、少し凡庸に感じて...
さすがの宮部みゆき。 一文一文大事に読もうと思うのに、面白くて一気に読んでしまった。 登場人物が皆、味があり優しく力強く魅力的だ。 序盤から息をつかせぬ展開に、読者は物語の世界に引っ張られる。 が、後半、今の時代でいうところのアレってこと?と感じさせる解釈が多く、少し凡庸に感じてしまった。 下巻はどうなるのだろう。
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