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謎の独立国家ソマリランド の商品レビュー

4.4

77件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2019/03/26

内紛の絶えない地域で民主主義を成立させる国がある、その名はソマリランド。国際社会で国として認められていない“そこ"に潜む謎を探るべく現地へ! 世の中には本当にすごい行動力で無茶する人がいるんだな!とびっくりする本ですね(笑)よくぞ無事に帰ってきたなあ。ソマリアというと海...

内紛の絶えない地域で民主主義を成立させる国がある、その名はソマリランド。国際社会で国として認められていない“そこ"に潜む謎を探るべく現地へ! 世の中には本当にすごい行動力で無茶する人がいるんだな!とびっくりする本ですね(笑)よくぞ無事に帰ってきたなあ。ソマリアというと海賊のイメージしかなかったので、こんなに分かれてしかもそれぞれ特色が見事に違うことに驚いた。《氏族》がポイントとなるのだが、掟を守っているかどうかに植民地時代の支配国が関係したりと、歴史の奥深さや複雑さを改めて感じます。平和を保っているソマリランドが今後独立を認められるのか。それともソマリアとしてひとつの国家になる日が来るのか。高野さんほどにはなれないけれど、気にかけて見守りながら支援したい。

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2019/02/18

世界一危険と呼ばれるソマリア。そんな崩壊した世紀末的なところに平和な民主国家がある?しかもその隣は海賊国家と戦国国家? もうそれだけで気になってしょうがないじゃないですか! 独自の民主主義が成り立っている背景の考察が特に面白い。 行きたくは無いけど、行ってみたくなる! 高野作品で...

世界一危険と呼ばれるソマリア。そんな崩壊した世紀末的なところに平和な民主国家がある?しかもその隣は海賊国家と戦国国家? もうそれだけで気になってしょうがないじゃないですか! 独自の民主主義が成り立っている背景の考察が特に面白い。 行きたくは無いけど、行ってみたくなる! 高野作品でも1,2を争う会心のルポルタージュだと思います。

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2018/08/26

噂には聞いていたが、噂に違わぬ、いや、噂以上の面白さ。 解説にあったように、これだけ厚い本でありながら、中だるみの個所が無いのが驚異的である。 ソマリランド行ってみたい~、と思う人続出だろうな、本書は。僕もそのうちの一人。

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2018/08/16

アフリカの角部分にあるソマリア(ソマリランド、プントランド他)の話。色々な氏族名が出てきて混乱するが、日本の武家の名前を流用するなどして、わかりやすく説明してある。 たまにニュースで見かけるくらいで、全く知らない国の話。とても興味深く読みました。

Posted byブクログ

2018/07/01

この、わかんないことはわかんないと書く→自分の考えを述べる→話を聞いたりして間違いに気づく→すんなり認める、って過程を全部書いていくパターン、他で読んだことあると思ったら高橋秀実だ。脱力系で、狙ってんのか素なのかわかんないネタ突っ込んでくる、完全に高橋秀実だ。 それはさておき、ソ...

この、わかんないことはわかんないと書く→自分の考えを述べる→話を聞いたりして間違いに気づく→すんなり認める、って過程を全部書いていくパターン、他で読んだことあると思ったら高橋秀実だ。脱力系で、狙ってんのか素なのかわかんないネタ突っ込んでくる、完全に高橋秀実だ。 それはさておき、ソマリランド。知らんかった。アフリカの角ソマリアがエラいことになってるとかブラックホークダウンは知ってたけど。仮定に仮定が重なってるしどこまでホンマの話なのか、高野秀行の思い込みなのか、わかんないけどわかんないからこそオモシロい。

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2018/05/26

ソマリアと聞いてすぐに思い浮かぶは映画「ブラックホークダウン」 と内戦、そして海賊。 知りもしないで物騒な国との認識しかなかった。だって、映画の印象 があまりにも強烈だったのだもの。それに、ソマリア連邦共和国との 正式な(?)国の名前があるのに、崩壊国家に認定されている...

ソマリアと聞いてすぐに思い浮かぶは映画「ブラックホークダウン」 と内戦、そして海賊。 知りもしないで物騒な国との認識しかなかった。だって、映画の印象 があまりにも強烈だったのだもの。それに、ソマリア連邦共和国との 正式な(?)国の名前があるのに、崩壊国家に認定されているから。 しかし、そんなソマリアに民主主義を達成して独立国を名乗る地域 があった。それが本書で取り上げられているソマリア北部のソマリ ランドである。 しかも氏族の長老たちが話し合って内戦を終結し、武装解除も達成 し、十数年も平和を保っているという俄かには信じられない国。 だって、アフリカって大抵の国で紛争が絶えないではないか。そんな 絵に描いた餅のような国があるはずがない。 でも、現実にソマリランドは平和だった。それは著者が現地を訪れた 際に外国人であるにも関わらず護衛もつけずに街中を歩き回れたこと に象徴されているのではないか。 何故、ソマリランドは平和を達成できたのか。同じく独立国を主張する お隣のプントランドやモガディシュを首都とする南部ソマリアとの違い を、それぞれ自身の体験と現地の人たちからの聞き取りで解き明かして いる。 欧米が押し付けた民主主義ではないから、ソマリランドでは平和が保たれ ているとの話には説得力があると思うんだ。 アフガニスタンやイラクを見れば分かる。「俺たちがこの国に民主主義を もたらしてやるぜ」という大国の思惑で、国が壊れてしまっているでは ないか。 まれに日本で報道されるソマリアの状況だけでは分からない内容が盛り だくさんだ。本当のソマリアを、ソマリ人を知ろうとしてカート(麻薬 植物)宴会で現地の人たちの中に入り込んで行くのだもの。 著者ならではのユーモアもあり、500ページを超える大作だが中だるみ せずに読める。続編となる『恋するソマリア』もそのうち読まなくては。

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2018/02/11

ソマリランドという国の存在を初めてこの本で知った。ソマリランドとは、ソマリアの中で独自に平和を築いた国である。なぜこのような平和な国を築くことが出来たのか、という疑問を深堀していくことも面白かったが、それよりも高野氏のカート(覚醒植物)漬けの日々がなによりも面白かった。期待を裏切...

ソマリランドという国の存在を初めてこの本で知った。ソマリランドとは、ソマリアの中で独自に平和を築いた国である。なぜこのような平和な国を築くことが出来たのか、という疑問を深堀していくことも面白かったが、それよりも高野氏のカート(覚醒植物)漬けの日々がなによりも面白かった。期待を裏切らない!! 和平の結び方や加害者と被害者がどのように折り合いをつけるのかという部分も、文化によって考え方は全く異なると改めて思った。とても面白かった。2017.12

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2017/10/07

ソマリランドという国名からソマリアという内乱で不安定な国を真っ先に思い浮かべた。著者が、日本はもちろん世界でも認知度が低いソマリランドを取材対象として現地へ乗り込むノンフィクションは、以前読んだ『アヘン王国潜入記』を彷彿とさせる素晴らしい仕上がりになっている。遊牧民の血が流れるソ...

ソマリランドという国名からソマリアという内乱で不安定な国を真っ先に思い浮かべた。著者が、日本はもちろん世界でも認知度が低いソマリランドを取材対象として現地へ乗り込むノンフィクションは、以前読んだ『アヘン王国潜入記』を彷彿とさせる素晴らしい仕上がりになっている。遊牧民の血が流れるソマリ人の思考である個人主義と氏族主義が、奇跡の民主的国家の成立に寄与していると感じた。日本では真似の出来ないやり方だ。西洋の真似をして近代化を成し遂げたが、個人主義の根付かない日本人に、独自の民主的国家を運営できるのだろうか?

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2017/09/21

超混乱したある「国」で考える「国家」の意義。 そこは北斗の拳かONE PIECEか、それともラピュタか。そんなアオリだけで、この本の面白さが伝わる。著者は、アフリカ東北部のソマリア連邦共和国内にあるという、ソマリランド共和国に行こうとする。そもそもソマリア自体が「崩壊国家」であ...

超混乱したある「国」で考える「国家」の意義。 そこは北斗の拳かONE PIECEか、それともラピュタか。そんなアオリだけで、この本の面白さが伝わる。著者は、アフリカ東北部のソマリア連邦共和国内にあるという、ソマリランド共和国に行こうとする。そもそもソマリア自体が「崩壊国家」であり、しかしその一角のソマリランドは、「そこだけ十数年も平和を維持している独立国」だという。ちなみに国際社会には国と認められていない。そこは「リアル北斗の拳」か「リアルONE PIECE」なのか。 そもそも、無政府状態で崩壊しているソマリアにどうやって入国するのか。そこからどうやってソマリランドに行くのか。また、現地での足や通訳、安全保障は。もうそのひとつひとつが興味深い。著者の語るような文章がぐいぐい引っ張ってくれる。ソマリランドで知ったことは、――海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア。またどこかの映画のような「国家」が現れる。著者はもちろんそこにも「入国」を試みる。そしてそこで見たものは。 日本に生活する私からすると、信じられないことの連発。ややこしいソマリの氏族関係も、あえて誤解を恐れずに日本の氏族(源氏やら平氏やら清盛やら政宗やら)にたとえてあることで、すんなりと頭に入ってくる。そしてどっぷりつかることで理解していく、どうしてそれが成功しているのかわからないほどの高みにあるハイパー民主主義。利益を重視し、契約を重んじる彼らのやり方。 分厚い本だがどんどん読めて、楽しんだ後にふと考える。とてつもない力のある本。

Posted byブクログ

2017/08/21

内容(「BOOK」データベースより) “崩壊国家ソマリア”の中で奇跡的に平和を達成しているという謎の独立国ソマリランド。そこは“北斗の拳”か“ONE PIECE”か。それとも地上の“ラピュタ”なのか。真相を確かめるべく著者は世界で最も危険なエリアに飛び込んだ。覚醒植物に興奮し、海...

内容(「BOOK」データベースより) “崩壊国家ソマリア”の中で奇跡的に平和を達成しているという謎の独立国ソマリランド。そこは“北斗の拳”か“ONE PIECE”か。それとも地上の“ラピュタ”なのか。真相を確かめるべく著者は世界で最も危険なエリアに飛び込んだ。覚醒植物に興奮し、海賊の見積りをとり、イスラム過激派に狙われながら、現代の秘境を探る衝撃のルポルタージュ。第35回講談社ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作。 高野秀行というジャンルが確立して、他の冒険ものやエッセイ物では替りが効かない存在感が日増しに増大しています。とにかく突撃して行く姿勢は年齢を重ねてもさほど変わらないようで安心。 ソマリランドは、ソマリアの北部で絶賛立国中の国なのですが、なんと国際社会では非公認の国で公式にはソマリアの一部にカウントされている不思議な国です。しかも内戦でとんでもない事になっていると思われているソマリア、海賊の本場ソマリアの北に有るに関わらず、平和な国で夜でも女の子が町にフラフラ遊びに行っても大丈夫なくらいに治安が安定している。何故なのか?? という疑問を高野氏が身を持って解明していく熱い本です。一番熱いのはあまりに現地と融和してソマリ人化した高野氏が、次第に堅い友情を築いていくくだりでしょうか。 とにかくボリューム満点で、ドスンとした物が心に残る名作です。

Posted byブクログ