紙の動物園 の商品レビュー
SFというよりファンタジー。そして激エモ・・・ 表題作を読んだ時点でなぜこの作家がこんなに人気があるのか思い知ることになった。やはり叙情的なのはアジア作家の特徴なんでしょうか。次の作品も読んでみよう。
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こんな話が読みたかった、と深く感動しました。 SFでありファンタジーでもある、東アジアのルーツが色濃く描写された短編集です。 中国だけでなく、少数民族、台湾や香港、朝鮮、日本とくまなく目配せしています。 太平洋戦争が起こらなかった歴史IF「太平洋横断海底トンネル小史」の発想に驚き...
こんな話が読みたかった、と深く感動しました。 SFでありファンタジーでもある、東アジアのルーツが色濃く描写された短編集です。 中国だけでなく、少数民族、台湾や香港、朝鮮、日本とくまなく目配せしています。 太平洋戦争が起こらなかった歴史IF「太平洋横断海底トンネル小史」の発想に驚きました。 表題作と「結縄」「文字占い師」は胸が締めつけられ、読むのが辛かったです。
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すごく話題になっていたSF小説集だったので読んでみたけど、そこまで……。というか、本題はSFではなく華人の他国(特に欧米)での実情だよね。たしかに、SF的なガジェットとそれにまつわる人間の心の動きも良い。だけど、それらが結局同じテーマに集約されてしまうのは勿体ないと思う。 縄を編む伝統民族の話が、オーパーツ的な非言語コミュニケーションの分かりやすい例でとても良かった。作品にも表されてるけど、タンパク質の分子結合を三次元的に編むという技術よりも、縄の中にメッセージを印して読む文化のほうが本当はかけがえのないもので、それが民族が耕していた米と同じように、よりありふれてつまらない代替物に駆逐されていく結末。そして、その根幹にあるのは資本主義。 文化とSFの食い合わせは悪くない、というか、昔から技術の進歩と異文化の衝突ってワンセット。悲劇的なラストが多い短編集だったし、たしかに現実世界もそうなんだと思うけど、それなら、技術がそれらの軋轢を救うような解決策の提示が現実ではないSF小説にあればいいなぁと思う。
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「紙の動物園」紙に吹き込まれた命の躍動は、祖先や両親から私にも吹き込まれている。脈々と続く系譜に、じんとする。老虎と穏やかに生きて欲しいな。 「結縄」縄を読む箇所がめちゃくちゃ面白くて興奮。 「心智五行」ザ・SF短編なラストの台詞!好き。 「文字占い師」全編を通して感じる、著者の歴史的背景。SFと位置付けることに、少し抵抗を感じる。同収録作の「結縄」と同様、描かれる文化の豊かさに興奮。
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SFが読みたくなったけど 長いのはめんどうだな と思っていたときに買った本 タイトルも文庫の装丁も好み お話が7つ入ってて 表題作と最後のお話が 記憶に残りそうな気がする ふとした時に 「そういやあ、どっかで読んだあの話…」 って具合に 印象的なお話だった 他のもわりとおもしろ...
SFが読みたくなったけど 長いのはめんどうだな と思っていたときに買った本 タイトルも文庫の装丁も好み お話が7つ入ってて 表題作と最後のお話が 記憶に残りそうな気がする ふとした時に 「そういやあ、どっかで読んだあの話…」 って具合に 印象的なお話だった 他のもわりとおもしろかった でもSF感は薄いなーと思うので ゴリゴリのSFを求めてるときは これじゃないですよ って教えたい 総じてさらっと読めたので 星は3つ ギリギリ4つじゃない3つ
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表紙に惹かれて購入しました。 中国で生まれ少年時代にアメリカに移住した著者の生い立ちが7編のいずれの短編にも感じられました。 表題作の「紙の動物園」 折り紙を通じた母親の息子への深い愛情を感じました。 全て音読しましたが、翻訳でかつSFで馴染みがないジャンルだったので、読...
表紙に惹かれて購入しました。 中国で生まれ少年時代にアメリカに移住した著者の生い立ちが7編のいずれの短編にも感じられました。 表題作の「紙の動物園」 折り紙を通じた母親の息子への深い愛情を感じました。 全て音読しましたが、翻訳でかつSFで馴染みがないジャンルだったので、読むのはなかなか難儀しました。 それでも読みながら、情景が目の前に浮かび上がってきて、訳された古沢さんの言葉選びも素晴らしかったです。
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タイトルの紙の動物園は良かったがそれ以外の世界観が分からなかった。なんとなくずっと哀しい寂しい空気感なのは伝ったが、込められた意味が複雑すぎてキャッチに失敗した感は否めない。
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全体的に、物哀しい味わいのある短編集。 SFといってもファンタジーっぽい、と思ったら、開設を読むと、親本を二分冊したうち、ファンタジー寄りの物を集めた方と判った。なるほど。 好みとしては、表題作と、最後の「文字占い師」が特に良かった。最後は、漢字を全く知らない人が読んだら、どん...
全体的に、物哀しい味わいのある短編集。 SFといってもファンタジーっぽい、と思ったら、開設を読むと、親本を二分冊したうち、ファンタジー寄りの物を集めた方と判った。なるほど。 好みとしては、表題作と、最後の「文字占い師」が特に良かった。最後は、漢字を全く知らない人が読んだら、どんな印象を持つのか、知りたいと言うか、その感覚を味わってみたい。
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表題作の「紙の動物園」が一番好きでした。 読後感が重たい作品も幾つかありましたが、嫌な感じではなかったです。 ちょっと自分には難しかったかな・・・。
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短編集。悲しく重苦しい作品多め。 どの話も惹き込まれるつくり、読みやすさ、心に残る言葉があって良い。 中国史(主に悲劇的なところ)、文化、法律、ファンタジー、SF、家族関係など様々な要素が絶妙に組み合わせていて天才的。
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