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火花 の商品レビュー

3.6

807件のお客様レビュー

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    138

  2. 4つ

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  3. 3つ

    229

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  5. 1つ

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2025/07/12

ずっと気になっていた花火を読みました。 純文学は読み慣れていなかったので、時間をかけてゆっくり読みました。 漫才師を目指す若者が先輩芸人と過ごす10年くらいの物語。 どんなことで良いから自分のやりたいことを最期まで貫くことを考えさせられました。

Posted byブクログ

2025/06/18

内容もさることながら、場面場面の情景や音、匂いなどの描写を、現代の会話ではあまり使われない日本語で説明しているのに、なぜかハッキリと思い浮かべることができる。 様々な本を読んできた又吉さんならではの表現が気持ちよく、最後まで楽しく読めました!

Posted byブクログ

2025/06/14

お笑いをテーマにしながら、描かれているのは“生き方”そのものだった。ふたりの関係性がとにかく胸を打った。痛々しくて愛おしかった。 神谷は借金に追われながらも、自分の信じる面白さを命がけで追い続ける姿。一方で、それを見ている徳永の目には、自分の限界や終わりが見えていた。 芸人とし...

お笑いをテーマにしながら、描かれているのは“生き方”そのものだった。ふたりの関係性がとにかく胸を打った。痛々しくて愛おしかった。 神谷は借金に追われながらも、自分の信じる面白さを命がけで追い続ける姿。一方で、それを見ている徳永の目には、自分の限界や終わりが見えていた。 芸人としての一瞬の成功も、それが“頂点”だとどこかで悟っていて――その静かな諦めが切なかった。 全体を通して、物語にはずっと寂しさと哲学的な空気が漂っていた。 笑いとは何か。個性とは何か。生きるとは何か。 明確な答えは出ないまま、物語は灯火が消えるように静かに終わっていく。 だけど、だからこそ深く残る余韻がある。 この物語が教えてくれたのは、たとえ報われなくても、自分を貫いて生きることの尊さと、どんな時も一緒に酒を飲み交わし、そばで笑い合える誰かの存在の、かけがえのなさだった。

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2025/06/03

文学系は読み慣れてないせいなのか芸人さんと言う自分とは縁遠い存在のストーリーで全体的にはイマイチ共感できず。 ただラストの漫才のシーン、走馬灯というか一言一言に思いを重ねて漫才をしている感じが凄く良かった。漫才をしてきた歳月とかけてきた思いと後ろ髪引かれる感じ、過去の漫才のシー...

文学系は読み慣れてないせいなのか芸人さんと言う自分とは縁遠い存在のストーリーで全体的にはイマイチ共感できず。 ただラストの漫才のシーン、走馬灯というか一言一言に思いを重ねて漫才をしている感じが凄く良かった。漫才をしてきた歳月とかけてきた思いと後ろ髪引かれる感じ、過去の漫才のシーンは描写されてないけどこれが本人の挑戦したかったスタイルでの漫才、というように見えた。 読みやすいのであっさり読み切れた。 情景や空気感が目に浮かびやすい。 共感はできなかったけど最後の漫才のシーンが良くて読んで良かったと思える作品。

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2025/06/03

一瞬の輝きのように生きた神谷の姿が深く心に残った。 彼の信念、愚かさ、かっこよさ、そしてそれを疑う弱さがリアルに描かれ、 それに明確な答えを出さない結末も余韻として美しかった。 神谷と徳永の関係も、「うまくいったわけでも、決定的に離れたわけでもない」曖昧な距離感が、まるで過去に...

一瞬の輝きのように生きた神谷の姿が深く心に残った。 彼の信念、愚かさ、かっこよさ、そしてそれを疑う弱さがリアルに描かれ、 それに明確な答えを出さない結末も余韻として美しかった。 神谷と徳永の関係も、「うまくいったわけでも、決定的に離れたわけでもない」曖昧な距離感が、まるで過去にいた“もう会わなくなった大切な友人”のようで切なく、愛おしかった。 神谷は結局、世の中に知られることなく消えていった“なんでもない人”だった。 でも、だからこそ――この物語は、彼の静かな伝記であり、誰の心にもある“名もなき火花”をすくいあげた物語だった。

Posted byブクログ

2025/06/01

2017年(発出2015年) 180ページ 第153回芥川賞受賞作。 お笑いコンビ、ピースの又吉直樹さんの芥川賞作品を読了。又吉さんは、3000冊以上の本を持っているというほどの読書家で、好きな作家に太宰治や芥川龍之介をあげるなど、純文学作品も多数読まれているようだ。膨大な本...

2017年(発出2015年) 180ページ 第153回芥川賞受賞作。 お笑いコンビ、ピースの又吉直樹さんの芥川賞作品を読了。又吉さんは、3000冊以上の本を持っているというほどの読書家で、好きな作家に太宰治や芥川龍之介をあげるなど、純文学作品も多数読まれているようだ。膨大な本を読まれているだけあって、言葉の感性の鋭さが感じられた。巻末に収録された芥川賞受賞記念エッセイ『芥川龍之介への手紙』が面白く、芥川龍之介作品を読みたくなる。又吉直樹さんは、芥川龍之介から言葉の影響を受けていたのかも知れないと綴っている。『火花』というタイトルも、まさにそれなんだろう。 『火花』は、売れない芸人の徳永が先輩芸人の神谷と出会い、神谷と師匠と仰ぐようになるところから始まる、2人の師弟関係と芸人としての苦悩を描いた作品だ。そして、漫才師としての徳永と神谷の対比も鮮やかに描き出している。徳永が、どうすれば笑ってもらえるかという観客からの評価を気にする一方、神谷は人の評価は気にせず自分の信念を貫き通して戦うため、敵も作りやすく受け入れられないことも多い。そんな2人の違いは、赤ちゃんの描写のところがわかりやすい。 神谷は真樹との別れをきっかけにしだいに自堕落になり落ちぶれていく。膨大な借金を抱えて姿をくらますが、1年ぶりに徳永の前に姿を現した神谷の迷走ぶりに徳永は激怒する。 正直、期待以上の物語だった。自伝的小説とはいえ、読書量が私とは桁外れの芸人さんの小説、あなどるなかれ。

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2025/06/01

映画のビジュアルを知っていて、それとは別に浅草キッドのカバーをよく聴いていたこともあって目に情景が浮かぶようだった。 芸人として名の知れた人が書いているっていう色眼鏡を抜いても面白い本だったと思う。短い部類だけどこれで必要十分っていう納得感があった。 肩書きを無くして看板を下ろし...

映画のビジュアルを知っていて、それとは別に浅草キッドのカバーをよく聴いていたこともあって目に情景が浮かぶようだった。 芸人として名の知れた人が書いているっていう色眼鏡を抜いても面白い本だったと思う。短い部類だけどこれで必要十分っていう納得感があった。 肩書きを無くして看板を下ろしても、自分が何者かは自分で決めていいし自分が知っていればいいんだなと思った。

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2025/05/27

自分の中に信念をもって生きてる神谷さん、その人を慕い信念のまま生きたくても世間の目から逃れることは怖い又吉さん、いいお話だった。 世間の目から逃れることは怖い、を別にこれでいいって又吉さんが自分の弱い部分だけどこれが自分だって認めたところ、心にくるものがあった。 自分とは違うって...

自分の中に信念をもって生きてる神谷さん、その人を慕い信念のまま生きたくても世間の目から逃れることは怖い又吉さん、いいお話だった。 世間の目から逃れることは怖い、を別にこれでいいって又吉さんが自分の弱い部分だけどこれが自分だって認めたところ、心にくるものがあった。 自分とは違うって認めて、それでも神谷さんを尊敬しているところ、強いなって思った

Posted byブクログ

2025/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

危なっかしい師匠が、この世からパッと「火花」のように消えてしまうのではないかと不安を抱えながら読み進んだけど、最後はまさかのエンディングで安心しました笑

Posted byブクログ

2025/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

否定する気持ちは全くないが、いわゆる芸人っぽい生き方に馴染みがなく、自分の理解の範疇を大幅に超えているので、共感が難しかった 否定する気持ちは本当にないです。世界をカラフルにしているのは彼らだし、これから理解していきたい気持ちに燃えている 最後の漫才のシーンは感動した

Posted byブクログ