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という、はなし の商品レビュー

4.2

54件のお客様レビュー

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2024/07/26

何処でも此処でも本を読む。 フジモトマサルさんの飄々としてかわいいイラストと(わたしにとってはかわいいです。特に獏)、クールな吉田篤弘さんの文章という、お話の空気感が好きでした。 「待ち時間」は死んだ…というお話が気になりました。勿体ないなぁ…そしてこの話にあるイラストの、橋の上...

何処でも此処でも本を読む。 フジモトマサルさんの飄々としてかわいいイラストと(わたしにとってはかわいいです。特に獏)、クールな吉田篤弘さんの文章という、お話の空気感が好きでした。 「待ち時間」は死んだ…というお話が気になりました。勿体ないなぁ…そしてこの話にあるイラストの、橋の上で本読んでるうさぎを遠くから描いてるのも好きです。 本を読むスピードが比較的速い方だなと自分では思いますが、それでも本読んでる間はゆったりと過ごせます。 本も、本を読む時間も生活には欠かせません。 この本もわたしの本棚にいてほしい。 本屋さんで探してみよう!

Posted byブクログ

2024/07/20

想像力の掛け合い。 この本は、あとがきから読むことを オススメします。 通常は文章が先にあり、あとから文に合わせて絵を描きますが、この本では先に絵があり、その絵に合わせて文を書くという、挿絵ならぬ「挿文」という方式をとっています。あとがきも、フジモトさんの「あとがきのまえがき...

想像力の掛け合い。 この本は、あとがきから読むことを オススメします。 通常は文章が先にあり、あとから文に合わせて絵を描きますが、この本では先に絵があり、その絵に合わせて文を書くという、挿絵ならぬ「挿文」という方式をとっています。あとがきも、フジモトさんの「あとがきのまえがき」、吉田さんの「あとがきのあとがき」というバトン形式になっています。これを読んでから本編を読むと、ほくそ笑むフジモトさんと、苦しむ吉田さんが想像出来て、より楽しめます。 絵のテーマは「読者の情景」 動物が様々な場所で読書をしている。可愛らしい、ほのぼのした物語を感じさせる絵の数々でした。その絵ひとつひとつに、吉田さんが「挿文」をつけます、ショートショートという感じでしょうか。クスっと笑えたり、なるほどと感心したり、吉田さん苦しんてるなとか、2人のバトンを最後に受けた読者として、楽しませてもらいました。 「夜行列車にて」、「背中の声」、「眠くない」、「かならず」、「寝静まったあとに」、「話の行き先」、「ひとり」 がよかった。多い?24篇もありますから。 「寝酒」ならぬ「寝本」。 寝る前に、いい本でした。

Posted byブクログ

2024/06/22

フジモトさんのちょっと不思議で味わい深い絵に、吉田さんの大人でダンディーな文章。 暫く一人静かな夜のお供になりそうです 掘り出し物見つけました

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2024/04/24

フジモトマサルさんのイラストには、いろんな場所・時刻・表情の動物たちが読書をしている様子が描かれています。それに吉田篤弘さんがお話を付ければ、ふっと心がほぐれ、潤っていきます。読書って本当にいいものだと、しみじみ感じます。

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2024/04/22

 筑摩書房のPR誌の表紙に、2年間掲載されたフジモトマサルさんが描いた24の「読書の情景」イラスト。これに、吉田篤弘さんがそれぞれにストーリーをつけた絵物語集です。  物語から想像して描く「挿絵」ならぬ、逆バージョンの「挿文」です。フジモトさんにとっては「愉快なバトン形式連載」...

 筑摩書房のPR誌の表紙に、2年間掲載されたフジモトマサルさんが描いた24の「読書の情景」イラスト。これに、吉田篤弘さんがそれぞれにストーリーをつけた絵物語集です。  物語から想像して描く「挿絵」ならぬ、逆バージョンの「挿文」です。フジモトさんにとっては「愉快なバトン形式連載」、吉田さんには「悶々となぞなぞの答えを探すが如く、健闘虚しく珍答、迷答」だったとのこと。  タイトルの『という、はなし』は、落語家になりたかったという吉田さんの父の口癖で、「読書をめぐる、ちょいと面白いけど、たわいない小話」くらいの意味合いだそうです。  夜行列車、灯台、風呂、車、ベッドで‥、本を開き、読書に耽る動物たちの(かわいいとはちょっと違う)イラストが、なんとも言えない独特の雰囲気を醸し出しています。  その1枚の絵に触発され、引き出しの多い想像力を駆使して紡ぎ出された物語は、読み手を思いもかけない不思議な世界へと誘います。  両者が化学反応を起こし、合作ならではの一冊で二度美味しい愉しみがあります。吉田さんのいつもの語り口とやや異なり、意図的な(?)皮肉、哀愁、機知が見え隠れしているように感じ、各掌編それぞれ興味深く読みました。

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2023/12/19

イラストレーターのフジモトマサルさんが描いた読書の風景に、吉田篤弘さんが物語をつけたというもの。 24編のショートショートだ。 フジモトマサルさんのイラストがとにかく可愛らしい。 動物たちが本を読んでいる。 ライオン、豚、パンダ、猫…。 それらの可愛らしい物語に、 背中を押された...

イラストレーターのフジモトマサルさんが描いた読書の風景に、吉田篤弘さんが物語をつけたというもの。 24編のショートショートだ。 フジモトマサルさんのイラストがとにかく可愛らしい。 動物たちが本を読んでいる。 ライオン、豚、パンダ、猫…。 それらの可愛らしい物語に、 背中を押されたり、ちょっとした視点のイタズラを仕掛けられたり、本が読みたくなったり。 フジモトマサルさんの「あとがきのまえがき」、 吉田篤弘さんの「あとがきのあとがき」までも楽しい。 そして「文庫版のためのあとがき」も充実していて、ファンとしては嬉しいところ。 好きだったのは、「読者への回復」。 本を置き去りにし、ネットに山ほど時間をかけていないか? そのことに気づいた時、"言葉がむなしく空まわりし、ふいに砂漠の真ん中で、ひからびた水筒をひっくり返しているような渇望におそわれる。" でも大丈夫。 ひとたび本を読めば、"そのときの本の、なんと優しいことか。" "活字の点滴"を打ってもらえばいいのだ。 条件はたった一つ。 「「読者」であること。 肩書きはそれだけでいい。」 もう一話。 先日村上春樹氏の『街とその不確かな壁』を読み終えたばかりの私には、リンクしているようでならなかった、「影の休日」。 「もし、わたくしが〈影〉であることを辞めてしまったら、人々がどうなるのか、わたくしはよく知っています。〈影〉をなくした者は実体を失ってしまうのです。これがこの世の〈あたりまえ〉というものです。」 「〈影〉は〈陽〉があってのもの。ひとがあってこそのものです。」

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2023/08/21

とにかく心地の良い文章で、イラストを元に書かれたというのが面白い。ハッとさせられる言葉が多く、読書好きとしては最高の本だった。 夜行列車にて、背中の声、寝静まったあとに が好き。

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2024/04/22

 どういう本かよく知らずに、フジモトマサルさんの本だからという理由で手に取った。あとがきによると、筑摩書房のPR誌『ちくま』の連載の書籍化とのことだが、これがなんと、「読書の情景」というテーマでフジモトマサルさんの描いた絵に対して、吉田篤弘さんが挿絵ならぬ「挿文」を書くという企画...

 どういう本かよく知らずに、フジモトマサルさんの本だからという理由で手に取った。あとがきによると、筑摩書房のPR誌『ちくま』の連載の書籍化とのことだが、これがなんと、「読書の情景」というテーマでフジモトマサルさんの描いた絵に対して、吉田篤弘さんが挿絵ならぬ「挿文」を書くという企画。  なるほど、だから絵の動物たちみんな本読んでたのか。文も、本の話題が多かったのか。それでいて、エッセイ風の文章もあれば、どっぷり空想ものな文章もあって、(安野光雅ばりの)ルール不明の様相を呈していたのか。最後に得心。先に絵があっての文だったと知った上で絵と文を読み返すと、また違う味わいが感じられてなお良し。  以下、備忘メモ。  好きな話。 「虎の巻」虎山先生から虎野先生に送られた虎の巻。 「眠くない」わかるわー、一日の終わりのマイ・プレシャス、読書時間を迎えたら眠くなるというね。 「日曜日の終わりに」憂鬱なんだけど、何かをひとつ終えたような、それゆえに小さく一歩、前へ踏み出したような。って、そんな前向きになかなか実際思えないけど、そう言ってもらいたかった。  好きな絵。 「待ち時間」うさぎが石橋で本を読んでいる。 「地上の教え」バク?が木漏れ日の中で寝そべって本を読んでいる。 「希有な才能」イタチ?が駅のホームで本を。 「日曜日の終わりに」シマリス???が台所で。

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2023/06/26

影がなくなると陽もなくなる。という、言葉が好き。 ていうか全部好き、ここに書いてあることはひとりが好きな人に共鳴するものだと思う

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2023/07/15

「ちくま」というPR誌がある。本屋さんのカウンター付近に置いてあるやつ。「波」とか「青春と読書」みたいな冊子。本書は「ちくま」の表紙を飾ったフジモトマサル氏のイラスト24点に、作家の吉田篤弘氏がオリジナルストーリーを書いたもの。フジモトマサルさんのことは存命中は存じ上げなかったが...

「ちくま」というPR誌がある。本屋さんのカウンター付近に置いてあるやつ。「波」とか「青春と読書」みたいな冊子。本書は「ちくま」の表紙を飾ったフジモトマサル氏のイラスト24点に、作家の吉田篤弘氏がオリジナルストーリーを書いたもの。フジモトマサルさんのことは存命中は存じ上げなかったが、何とも味のある絵が好きになっていろいろ集めるうち、この本に出会った。 文章を書いた吉田さんは大変だっただろう。ふつうは文章を先に書いて、それに合わせて挿絵を描いてもらう。でも、これは逆だ。絵を見て、そこから物語を紡ぎ出さなくてはいけない。まさか「この前のあれってどういうこと?」なんて聞けない。言われるのはただ一言。「あとはよろしく。」 添えられた文章は、本や執筆にかかわるものが多い。短いけれど、ユーモアがあり、グサっとくるものもある。たとえば、「知ったかぶりより、知らぬふり。」若いときは知らなくても笑って済まされたが、歳とともに知らぬふりができなくなった。「そんなことも知らないのですか」そういう声に怯えて、つい知ったかぶりをする。それで恥をかく。じつはこれから読むところなんです。知らないことを認めるのは勇気がいる。

Posted byブクログ