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という、はなし の商品レビュー

4.2

51件のお客様レビュー

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2024/04/24

フジモトマサルさんのイラストには、いろんな場所・時刻・表情の動物たちが読書をしている様子が描かれています。それに吉田篤弘さんがお話を付ければ、ふっと心がほぐれ、潤っていきます。読書って本当にいいものだと、しみじみ感じます。

Posted byブクログ

2024/04/22

 筑摩書房のPR誌の表紙に、2年間掲載されたフジモトマサルさんが描いた24の「読書の情景」イラスト。これに、吉田篤弘さんがそれぞれにストーリーをつけた絵物語集です。  物語から想像して描く「挿絵」ならぬ、逆バージョンの「挿文」です。フジモトさんにとっては「愉快なバトン形式連載」...

 筑摩書房のPR誌の表紙に、2年間掲載されたフジモトマサルさんが描いた24の「読書の情景」イラスト。これに、吉田篤弘さんがそれぞれにストーリーをつけた絵物語集です。  物語から想像して描く「挿絵」ならぬ、逆バージョンの「挿文」です。フジモトさんにとっては「愉快なバトン形式連載」、吉田さんには「悶々となぞなぞの答えを探すが如く、健闘虚しく珍答、迷答」だったとのこと。  タイトルの『という、はなし』は、落語家になりたかったという吉田さんの父の口癖で、「読書をめぐる、ちょいと面白いけど、たわいない小話」くらいの意味合いだそうです。  夜行列車、灯台、風呂、車、ベッドで‥、本を開き、読書に耽る動物たちの(かわいいとはちょっと違う)イラストが、なんとも言えない独特の雰囲気を醸し出しています。  その1枚の絵に触発され、引き出しの多い想像力を駆使して紡ぎ出された物語は、読み手を思いもかけない不思議な世界へと誘います。  両者が化学反応を起こし、合作ならではの一冊で二度美味しい愉しみがあります。吉田さんのいつもの語り口とやや異なり、意図的な(?)皮肉、哀愁、機知が見え隠れしているように感じ、各掌編それぞれ興味深く読みました。

Posted byブクログ

2023/12/19

イラストレーターのフジモトマサルさんが描いた読書の風景に、吉田篤弘さんが物語をつけたというもの。 24編のショートショートだ。 フジモトマサルさんのイラストがとにかく可愛らしい。 動物たちが本を読んでいる。 ライオン、豚、パンダ、猫…。 それらの可愛らしい物語に、 背中を押された...

イラストレーターのフジモトマサルさんが描いた読書の風景に、吉田篤弘さんが物語をつけたというもの。 24編のショートショートだ。 フジモトマサルさんのイラストがとにかく可愛らしい。 動物たちが本を読んでいる。 ライオン、豚、パンダ、猫…。 それらの可愛らしい物語に、 背中を押されたり、ちょっとした視点のイタズラを仕掛けられたり、本が読みたくなったり。 フジモトマサルさんの「あとがきのまえがき」、 吉田篤弘さんの「あとがきのあとがき」までも楽しい。 そして「文庫版のためのあとがき」も充実していて、ファンとしては嬉しいところ。 好きだったのは、「読者への回復」。 本を置き去りにし、ネットに山ほど時間をかけていないか? そのことに気づいた時、"言葉がむなしく空まわりし、ふいに砂漠の真ん中で、ひからびた水筒をひっくり返しているような渇望におそわれる。" でも大丈夫。 ひとたび本を読めば、"そのときの本の、なんと優しいことか。" "活字の点滴"を打ってもらえばいいのだ。 条件はたった一つ。 「「読者」であること。 肩書きはそれだけでいい。」 もう一話。 先日村上春樹氏の『街とその不確かな壁』を読み終えたばかりの私には、リンクしているようでならなかった、「影の休日」。 「もし、わたくしが〈影〉であることを辞めてしまったら、人々がどうなるのか、わたくしはよく知っています。〈影〉をなくした者は実体を失ってしまうのです。これがこの世の〈あたりまえ〉というものです。」 「〈影〉は〈陽〉があってのもの。ひとがあってこそのものです。」

Posted byブクログ

2023/08/21

とにかく心地の良い文章で、イラストを元に書かれたというのが面白い。ハッとさせられる言葉が多く、読書好きとしては最高の本だった。 夜行列車にて、背中の声、寝静まったあとに が好き。

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2024/04/22

 どういう本かよく知らずに、フジモトマサルさんの本だからという理由で手に取った。あとがきによると、筑摩書房のPR誌『ちくま』の連載の書籍化とのことだが、これがなんと、「読書の情景」というテーマでフジモトマサルさんの描いた絵に対して、吉田篤弘さんが挿絵ならぬ「挿文」を書くという企画...

 どういう本かよく知らずに、フジモトマサルさんの本だからという理由で手に取った。あとがきによると、筑摩書房のPR誌『ちくま』の連載の書籍化とのことだが、これがなんと、「読書の情景」というテーマでフジモトマサルさんの描いた絵に対して、吉田篤弘さんが挿絵ならぬ「挿文」を書くという企画。  なるほど、だから絵の動物たちみんな本読んでたのか。文も、本の話題が多かったのか。それでいて、エッセイ風の文章もあれば、どっぷり空想ものな文章もあって、(安野光雅ばりの)ルール不明の様相を呈していたのか。最後に得心。先に絵があっての文だったと知った上で絵と文を読み返すと、また違う味わいが感じられてなお良し。  以下、備忘メモ。  好きな話。 「虎の巻」虎山先生から虎野先生に送られた虎の巻。 「眠くない」わかるわー、一日の終わりのマイ・プレシャス、読書時間を迎えたら眠くなるというね。 「日曜日の終わりに」憂鬱なんだけど、何かをひとつ終えたような、それゆえに小さく一歩、前へ踏み出したような。って、そんな前向きになかなか実際思えないけど、そう言ってもらいたかった。  好きな絵。 「待ち時間」うさぎが石橋で本を読んでいる。 「地上の教え」バク?が木漏れ日の中で寝そべって本を読んでいる。 「希有な才能」イタチ?が駅のホームで本を。 「日曜日の終わりに」シマリス???が台所で。

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2023/06/26

影がなくなると陽もなくなる。という、言葉が好き。 ていうか全部好き、ここに書いてあることはひとりが好きな人に共鳴するものだと思う

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2023/07/15

「ちくま」というPR誌がある。本屋さんのカウンター付近に置いてあるやつ。「波」とか「青春と読書」みたいな冊子。本書は「ちくま」の表紙を飾ったフジモトマサル氏のイラスト24点に、作家の吉田篤弘氏がオリジナルストーリーを書いたもの。フジモトマサルさんのことは存命中は存じ上げなかったが...

「ちくま」というPR誌がある。本屋さんのカウンター付近に置いてあるやつ。「波」とか「青春と読書」みたいな冊子。本書は「ちくま」の表紙を飾ったフジモトマサル氏のイラスト24点に、作家の吉田篤弘氏がオリジナルストーリーを書いたもの。フジモトマサルさんのことは存命中は存じ上げなかったが、何とも味のある絵が好きになっていろいろ集めるうち、この本に出会った。 文章を書いた吉田さんは大変だっただろう。ふつうは文章を先に書いて、それに合わせて挿絵を描いてもらう。でも、これは逆だ。絵を見て、そこから物語を紡ぎ出さなくてはいけない。まさか「この前のあれってどういうこと?」なんて聞けない。言われるのはただ一言。「あとはよろしく。」 添えられた文章は、本や執筆にかかわるものが多い。短いけれど、ユーモアがあり、グサっとくるものもある。たとえば、「知ったかぶりより、知らぬふり。」若いときは知らなくても笑って済まされたが、歳とともに知らぬふりができなくなった。「そんなことも知らないのですか」そういう声に怯えて、つい知ったかぶりをする。それで恥をかく。じつはこれから読むところなんです。知らないことを認めるのは勇気がいる。

Posted byブクログ

2023/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

筑摩書房のPR誌に掲載された、フジモトマサル氏の「読書の情景」をテーマとしたイラストを描きあげたあと吉田篤弘氏が文章を添える挿絵ならぬ挿文バトン形式の大作。読書に関しての様々な視点からの物語、本に対する想いがつまっている。イラストを見てショートストーリーを読んで、なるほど!と思いまたイラストをじっくり見る。「何ひとつ変わらない空」「影の休日」「日曜日の終わりに」「恋の発見」が特に良かった。 フジモトさんと吉田さんはプライベートでも仲良しで食事をしたり作ったりと親交があった様子。 同じように短歌を作ったら楽しそうだけど苦しそうとも思った。

Posted byブクログ

2022/09/27

フジモトマサルさんの絵に気分がほっとするような短いエッセイが3ページくらいづつあって進んでいくという本。絵がとてもいい。あとがきで知ったのがフジモトマサルさんの絵があってそれを見てから文章を作るという、通常では逆の流れだったこと。驚きとともに、フジモトマサルさんの「あとはよろしく...

フジモトマサルさんの絵に気分がほっとするような短いエッセイが3ページくらいづつあって進んでいくという本。絵がとてもいい。あとがきで知ったのがフジモトマサルさんの絵があってそれを見てから文章を作るという、通常では逆の流れだったこと。驚きとともに、フジモトマサルさんの「あとはよろしく」という挨拶が面白い…

Posted byブクログ

2022/05/06

読書にまつわる短編集。フジモトマサルさんの絵がとても良いてす。「ほどよい」が消えてしまったと嘆くアンテナ氏の話が心に残りました。 何度も開いて眺めたい、夜、静かにコーヒーでも飲みながら眺めていたい本です。

Posted byブクログ