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いまさら翼といわれても の商品レビュー

4.1

194件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2017/12/07

どの話も面白かった。以前は米澤氏と言えば、十代のイタさを上手に描く作家さんだと思っていた。『満願』とか『竜と~』あたりでかわってきたな、とは思ったけど。本書は、イタい部分ではなく、これから歩き出す、誰もが通ってきた時期をミステリにくるんで見せてくれたような気がした。面白かった。

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2017/12/04

箱の中の欠落 生徒会会長選挙の選挙違反。 約40票多い。投票箱が一つ多いが誰も気がつかなかった 犯人は投票箱を回収した時に見つかった。 鏡には映らない 卒業制作の鏡のレリーフ。デザインした女子が悪口を隠し文字に隠してあるのに気がついたので、デザインを変えて、文字をかえた 連峰...

箱の中の欠落 生徒会会長選挙の選挙違反。 約40票多い。投票箱が一つ多いが誰も気がつかなかった 犯人は投票箱を回収した時に見つかった。 鏡には映らない 卒業制作の鏡のレリーフ。デザインした女子が悪口を隠し文字に隠してあるのに気がついたので、デザインを変えて、文字をかえた 連峰は晴れているか ヘリコプター好きの英語教師。実は登山家。ヘリコプター好きじゃ嘘。山岳救助にヘリコプターが出たのを授業中に窓から見たことを隠すため。 わたしたちの伝説の一冊 派閥争い。ライバルの応募作が受賞。自分は佳作でもない・マン研を退部。プロを目指す。 長い休日 ? いまさら翼と言われても ? ・連邦は晴れているか いつものようにのんびり部室で会話をして過ごしていた四人。そんな中ヘリコプターが高校の上を通過する。奉太郎はそのヘリを見ながら昔、中学の教師がヘリ好きだったことを思い出す。同じ中学だった摩耶花もこのことを覚えており同意する。しかしそれ以降その教師はヘリの話題を持ち出さなくなり、すっきりしない何かが残った奉太郎は、古い新聞を調べるため図書館へ向かう。 ・わたしたちの伝説の一冊 摩耶花の所属する漫画研究会は読みたい派と自分で描いてみたい派で大きく分立しており、河内先輩が部を辞めてからはその関係は悪くなる一方だった。そんな中、描いてみたい派の部員が摩耶花に部費を使って同人誌を描こうと持ち出してくる。どうやら読みたい派に対して既成事実を作って対抗したいらしい。部員全員の許可なしに部費を使うことに最初は抵抗する摩耶花だったが、漫画を描きたい欲求に負け、その同人誌作りに参加することになったのだが... ・長い休日 その日の奉太郎はやけに調子が良かった。それは朝に自分だけでなく姉の分の朝食を作り、良い天気だからと外に出かけ、長い階段を登って神社に参拝するほどだった。そして偶然にもその神社は学校の同級生である十文字かほの神社であり、その日は千反田えるもそこに居たのだった。調子の良い奉太郎はえるが手伝おうとしている掃除を自分も一緒に手伝うことを名乗り出る。その掃除をしながらえるは奉太郎に「どうして『やらなくても良いことはやらない、やらなければならないことは手短に』するようになったのかを尋ねる。 ・いまさら翼といわれても 市民会館で行われる合唱会に参加することになったえる。しかし集合していておかしくない時間になってもえるは会館に姿を見せなかった。心配になった摩耶花は奉太郎にえるの捜索を依頼する。奉太郎は前日に部室でえるが進路のことについて書かれた本を読んでいたのを知っていた。

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2017/11/01

 そろそろ彼らに出会う前の人生より出会った後の人生の方が長くなっただろうか。  私はいかんせん人に影響されやすいたちで、家族や知人が面白いと言っていたものに後追いで乗っかってしまうことが多かったのだが、この古典部シリーズは珍しく誰の影響も受けず、書店でジャケ買いしたものである。...

 そろそろ彼らに出会う前の人生より出会った後の人生の方が長くなっただろうか。  私はいかんせん人に影響されやすいたちで、家族や知人が面白いと言っていたものに後追いで乗っかってしまうことが多かったのだが、この古典部シリーズは珍しく誰の影響も受けず、書店でジャケ買いしたものである。アニメ化よりも前の、まだライトノベルとして出版されていた頃、高野音彦さんの表紙に引かれて手に取ったのは事実であるが、裏表紙の「甘く苦い青春」的な惹句が決め手であったように記憶している。  実際苦い。主人公折木奉太郎はわずかなヒントを組み上げて鮮やかな推理を導き出す名探偵であるが、なんというか、後味の悪い話が少なくない。誰かの胸の内に仕舞っておけば、誰かが我慢していれば、それはそれで丸く収まるはずだったことを、彼の推理が真実を詳らかにするのだが、その代償がどこかに残る、そういう苦さである。ドラマの「相棒」でたまにそういう回がある。本書にもある。  本書は短編集形式で、奉太郎たちの過去が多少語られたりもするのだが、未来の話は少ない。表題にもなっている「いまさら翼と言われても」において若干の動きがあるくらいか。となるとこれを受けた長編も準備されているのかもしれない。  期待は膨らむが、そろそろ「私が(あるいは作者が)生きている間に完結するのか」を心配すべき頃合なのかもしれない。

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2017/10/29
  • ネタバレ

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古典部シリーズ。初めてこのシリーズで単行本買った。なのにここまで読むの置いておいたのは何故、、、 短編集。古典部の部員それぞれが語り部なりお話の、謎の核になっている。 『箱の中の欠落』 焼きそばを食べようと箸をとったところで鳴った電話は福部里志からの夜の散歩の誘いだった。それを受けて合流した彼の口から語られたのは、生徒会長選挙の投票に不正に票を水増しがあったことが判明した事件だった。果たしていったいどうやって票は水増しされたのですか。 『鏡には映らない』 摩耶花は画材の調達の際に中学の同級生に遭遇する。その彼女から奉太郎への悪意を聞いて、摩耶花自身がそういえば古典部へ入部した当初はそんな目を奉太郎へ向けていたことを思い出す。その原因であるのは中学の卒業制作で卒業生全員で作った鏡の額制作のときの事件だ。その額は卒業生の中でとくに美術が得意だった来栖という女生徒が考えたブドウのツタが絡まりそのツタに小鳥などが配されている、なかなかに複雑なものだった。それを各クラスの班ごとに何枚かのレリーフを彫っていったのをつなぎ合わせてつくったものだった。問題は、奉太郎の班がつくった部分が一本の線になっていたことだった。それをみた来栖が泣き出してしまったことで奉太郎は学年全体から悪意の眼を向けられることになった。しかし、摩耶花は今になって奉太郎のその行動の裏には何かがあったのではないかと考え始める。いったい奉太郎の彫った一本の線が隠したものとは。 『連邦は晴れているか』 古典部部室でヘリコプターの音を聞いて奉太郎は中学のころの英語の先生が飛行機が好きだったことを思い出し、それを同中だった里志と摩耶花に話を振るが二人は不思議そうな顔をする。思い出を掘り起こしていく中でひっかかるものを感じる。いつもと違い奉太郎自ら謎を解こうと図書館へと向かうのを、えるが追いかける。奉太郎が解いた謎の正体と、それを調べずにはいられなかった奉太郎の思考のかたち。 (何故かこの内容知ってるな、と思ったらアニメでやっていたのだとか) 『私たちの伝説の一冊』 摩耶花の所属している漫研は今分裂の危機に陥っていた。その原因の大きなきっかけを作った摩耶花はなんとか描く派と読む派の仲直りを願っていたが、そんな彼女の心を無視して争いの中心へと巻き込まれていく。そんななか摩耶花の漫画制作ノートが盗まれてしまう。果たしてその目的とは。 『長い休日』 朝起きると、すこぶる調子がよかった奉太郎はなんとかこのエネルギーを消費しようと散歩に出かけるが、途中で出会った一文字の家の神社の掃除の手伝いをするというえるの手伝いをすることに。そこで語られた奉太郎の省エネの信条ができる原因の事件。 『いまさら翼といわれても』 地域の合唱祭でソロを歌うことになっていたえるが来ていないことを知らされた奉太郎は摩耶花と合流して彼女の行方を考える。えるはどこへ行き、そして何故そんな行動をとったのか。 表題作のもそうだけれど、古典部の面々がそれぞれ未来の生き方を模索し始めている様子が、あの頃を思い出し少し息苦しいような気持ちも持ちながらあっという間に読み終わる。 読み始めるまで勝手に『いまさら翼といわれても』ということばに込められた謎をおう長編かと思っていた。最後のえるの表情はなんの描写もないけれど、なぜかとても生々しく見えた気がした。彼女の抱えた空白というか空虚が、次の物語で何かにつながるといいと思う。

Posted byブクログ

2017/10/18

『箱の中の欠落』 奉太郎は、総務委員副委員長として生徒会長選挙に立ち合った里志から、相談を受ける。 明日の朝までに、不正票の謎を解きたい。 『鏡には映らない』 破れた呪いは術者にかかる。 魔法使いや陰陽師なら心得ていますよね。 『連峰は晴れているか』 「ヘリが好きなんだ」 授...

『箱の中の欠落』 奉太郎は、総務委員副委員長として生徒会長選挙に立ち合った里志から、相談を受ける。 明日の朝までに、不正票の謎を解きたい。 『鏡には映らない』 破れた呪いは術者にかかる。 魔法使いや陰陽師なら心得ていますよね。 『連峰は晴れているか』 「ヘリが好きなんだ」 授業中、ヘリコプターの飛行音を聞いて窓に駆け寄った教師の心の内とは… 『わたしたちの伝説の一冊』 伊原摩耶花が漫研をやめたいきさつ。 若い時間は短い。 今、何をやるべきなのか。 『長い休日』 これは、表題作への助走である。 ここまでは、過去の出来事を手繰る話だ。 いわば、前夜。 改めての、古典部部員たちの、立ち位置の地固めと、特に奉太郎の今に至るまでの気持ちの変化と、または変化していないもの。 えるの登場が少ないのも、そのせいなのだろう。 『いまさら翼といわれても』 重すぎる転機である。 ここで終わるなんて、米澤さんひどい。

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2017/10/16

6話それぞれ面白かった。古典部シリーズは未読だけど改めて興味を引かれたのでそのうちに是非読んでみたい。独白スタイルが調子よくて四人の関連性が初めて読む者にも理解できる気がするね。 独特の語り口が私には気持ち良かった。

Posted byブクログ

2017/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ものすごく久しぶりの古典部シリーズ。「いまさら続きといわれても」ってファンに言わせたいがためにつけたようなタイトルがよいなぁ。(笑 主人公ホータローを筆頭にえる、まやか、さとしのキャラクターの造型を深めるサイドストーリーを集めた連作短編集となっている。ファンなら楽しめるが、これから読んだ人は「なにこの内輪ネタ」みたいに思ってしまうだろうなぁ。 本シリーズや季節限定スイーツのシリーズはもうちょっと感覚縮めて書いてほしいってのがファンとしても正直なところ。もう前の話忘れてしまってるよ。正直(笑 これら以外の作品も抱えておられる米澤さんなので、贅沢は言えないけど、せめて2年に1冊、できれば年1冊シリーズを刊行してくれたらなぁ。

Posted byブクログ

2017/10/14

古典部シリーズ、最新作である。古典部の部員の過去などに迫る話がメインで、中でも奉太郎の過去の話が良かった。現在の奉太郎が省エネになるきっかけや作中で奉太郎が作った小説(同人誌的なもの)も当時中学生とは思えない程の見事な作品だと感じる。その他の人物らが過去に何を抱え、もがき悩んでい...

古典部シリーズ、最新作である。古典部の部員の過去などに迫る話がメインで、中でも奉太郎の過去の話が良かった。現在の奉太郎が省エネになるきっかけや作中で奉太郎が作った小説(同人誌的なもの)も当時中学生とは思えない程の見事な作品だと感じる。その他の人物らが過去に何を抱え、もがき悩んでいる様子が伝わり、それを一つ一つ超えて、高校生2年のいまに至っているのだろうと感じ、抱えている物の重さに複雑な気持ち、お嬢様がゆえの苦悩、時間の経過待ちなところもあると感じた。古典部部員は現在2年生、今後を描いた続きがあるのに期待。

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2017/10/09

古典部!奉太郎をはじめ、皆成長してる。中学の卒業製作は今の状態で気付いてる人いるのかしら。気になる。

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2017/10/07

中身は短編6編。 表題作のいまさら~が最後に載っています。 何も考えずに読み始めたけど、読み終わって、タイトル見て、あー、と納得。 冷静に考えれば、主要キャラの中で、誰が翼持ってないかは、自明のこと。 翼渡されて、こんな動きとるか、というのは正直意外。でも、納得。 長編好きな...

中身は短編6編。 表題作のいまさら~が最後に載っています。 何も考えずに読み始めたけど、読み終わって、タイトル見て、あー、と納得。 冷静に考えれば、主要キャラの中で、誰が翼持ってないかは、自明のこと。 翼渡されて、こんな動きとるか、というのは正直意外。でも、納得。 長編好きなので、ちょっと物足りなさはあったけど、各主要キャラが、色々動いて面白い1冊でした。 ただ、前作読んでから、かなり時間が経っていたので、これ誰だっけ?と思いながら読んでしまいました。 少し前に小市民シリーズを読んでたので、余計に混乱したのかも。

Posted byブクログ