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いまさら翼といわれても の商品レビュー

4.1

194件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2020/04/05

【再読】不器用、というか、上手くできない彼らがとても好きだと思う。 単行本の発売が2016年。たまたま本屋に行ったら最新刊が出てて、文庫本になるまで待てない!と大喜びで買ったのを覚えてる。終わるまでちゃんと読み続けたい物語。

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2019/11/26

アニメでは知ることのできない後日談みたいな感じで面白かった。頭の中で想像される世界もアニメの世界そのもので、逆にアニメを見ていなかったら?と気になりもした。

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2019/11/10

久々に古典部シリーズ。 執筆年代バラバラの短編6集ですが、時系列的には問題無いです。 3つめの連邦は晴れているか、5つめの長い休日が好きでした。ここに来てホータローのモットーの根源を知れたことで古典部シリーズを読み続けていて良かったと思えました!

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2019/09/10

古典部メンバーで一番好きなのはホータローです。「鏡にはうつらない」良かったなぁ!4人とも人物像の掘り下げが出来ててますます愛着が湧いた。これからもこの子たちの物語が読みたい。

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2019/08/28

時系列がバラバラな短編集。なぜこの順?古典部メンバーの行動も他シリーズ作品と比べて妙な違和感。不思議。

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2019/08/21

いまさら翼といわれても、飛ぶことを知らない鳥は飛ぶことができない。飛ぶことを知らない鳥が誰かの手を借りて羽ばたくまでを、僕は見たい。

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2019/06/26

以前に夢中になっていた北村薫のシリーズ物を思い出した。日常の何気ないやり取りの中に感じる違和感を解きほぐしていく若者たち。この作品も古典部シリーズと呼ばれる連作の最新作だと後から知った。

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2019/06/14

古典部シリーズ6作目。短編集ですが、根本的なところは変わりません。いや、登場人物は少しずつ成長して大人になっていますね。「わたしたちの伝説の一冊」での摩耶花は特に印象的です。「箱の中の欠落」で語られる奉太郎の鋭さ、「鏡には映らない」「連峰は晴れているか」での彼の優しさ、さらに彼が...

古典部シリーズ6作目。短編集ですが、根本的なところは変わりません。いや、登場人物は少しずつ成長して大人になっていますね。「わたしたちの伝説の一冊」での摩耶花は特に印象的です。「箱の中の欠落」で語られる奉太郎の鋭さ、「鏡には映らない」「連峰は晴れているか」での彼の優しさ、さらに彼がこうなった原因を自らの口で語る「長い休日」。これらもとても良かったです。そして表題作。えるの叫びが聞こえます。娘がいる自分は、おそらくえると同年代の人たちが感じるものとは違う意味で心が痛くなりました。

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2019/06/06

「箱の中の欠落」 不正票が大量に見つかった訳。 ここまで厳重に色んな事を管理していた割に、とても単純な所に穴があったな。 杜撰とまではいかないが、本当に完璧に管理するならば全てを記録しやるべきだろうな。 「鏡には映らない」 逆さまにすると見えるのは。 彼女たちは永久に残るであろ...

「箱の中の欠落」 不正票が大量に見つかった訳。 ここまで厳重に色んな事を管理していた割に、とても単純な所に穴があったな。 杜撰とまではいかないが、本当に完璧に管理するならば全てを記録しやるべきだろうな。 「鏡には映らない」 逆さまにすると見えるのは。 彼女たちは永久に残るであろう卒業制作に、そんな言葉を隠すなんて最低な人達だな。 全てに気付き彼女を守った者は恨まれる結果になったが、事実を話した所で色々と拗れるだけだもんな。 「連峰は晴れているか」 好きだと答えた物だけど。 何度も何度も空を確認する程、自分も好きである事をしている仲間の生死が気になってしまったのだろうな。 授業中に上の空になりながら空を見上げる彼の心情を勝手に決めた事を気にするなんて、面倒くさがりな彼が動く理由には十分だな。 「わたしたちの伝説の一冊」 巻き込まれた部内抗争。 元々二つに別れていたのであれば、互いに好きを貫きやり通せば良かったのにな。 何故どちらか一方の人間以外は部活に属してはいけないとなってしまったのか謎だが、逆をいえば書き手と読み手がいる良い部活だと思うけどな。 「長い休日」 彼のモットーの始まり。 子供通しでこの様な事が起きるのは仕方ないと割り切れそうだが、大人までもが都合良く自分を使っていたショックは大きいだろうな。 ここまで理解した彼が頭の回転の早い子供なのかもしれないが、誰でもここまで露骨に何かあればいつかは気づくだろうな。 「いまさら翼といわれても」 彼女が来ない理由。 長年信じてきた道を突然閉ざされた時、誰しもが一度はこの先どう生きたらいいのか分からなくなるだろうな。 彼女の場合、レールの上を完璧に歩き幼い頃から背負っていた物を強制的に取り外された困惑もあるのだろうな。

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2019/05/28

古典部シリーズの最新作。究極的なまでにホワイダニットな短篇集。甘えや感傷になりすぎないように、義理と馴れ合いを丁寧に選り分けながら綴った全六編の短篇は、いずれも胸を打つ珠玉の短篇ばかりである。特に今作は全体を通して人が人に関わる理由に執拗にこだわっており、それが顕著に伝わるのは、...

古典部シリーズの最新作。究極的なまでにホワイダニットな短篇集。甘えや感傷になりすぎないように、義理と馴れ合いを丁寧に選り分けながら綴った全六編の短篇は、いずれも胸を打つ珠玉の短篇ばかりである。特に今作は全体を通して人が人に関わる理由に執拗にこだわっており、それが顕著に伝わるのは、回りくどい建前を避け、事件に関わる動機は本音で語ることを求めながらも、犯人が事件を起こした動機は最後まで不明なままの「箱の中の欠落」だろう。犯人側の心情が描かれておらずばっさりと断ち切られていることによって、二人の友情が対比的に浮かび上がる上手い構図になっている。またホータローがそれなりに料理ができるというのも、ファンには嬉しいポイントだろう。 「鏡には映らない」はシリーズのファンなら誰しもが一度は疑問に思ったことの一つである、摩耶花とホータローの微妙な関係に迫った一本である。ホータローの彼女(!)発覚というのもファン的には驚天動地のサプライズだが、過去話自体は仄かで薄暗く、読み終えた後に再度読むと初読の時との感想の違いに驚いてしまう。鏡は実像を映すが、人の見たいものが真実であり、それは決して鏡には映らない。また久しぶりとなる摩耶花の一人称は読みやすく、男二人の秘密を暴くという構図もまた素晴らしい。 「連邦は腫れているか」はアニメで先取りしてはいたものの、あらためて読むとささやかな話ながらも内容は味わい深い。短いながらもヘリと先生の横顔の印象が強烈に焼き付いてしまう。 「わたしたちの伝説の一冊」個人的にベストなのはこれだった。部活動の不和という学校生活の身近なネタを不穏さを交えつつ上手く描き出しており、摩耶花の抱える焦燥感が嫌というほど伝わってくる。義理堅さが人との関わりが足枷になることを痛烈に指摘しており、特に才能に仕えるくだりは読んでいて震えが走ってしまった。そこは居場所ではなかったことが端的に明らかになるフィニッシング・ストロークも鮮烈である。やめるきっかけをさがしていたことに気付くのは読み終わった後だった。余談だが、ホータローの読書感想文は傑作である。読書感想文は体験記に過ぎないと思っていたが考えを改めようと思った。また「走れメロス」がミステリだとも思わなかった。 「長い休日」は全体のまとまりや短篇の出来としてはこれが一番であるように思う。ホータローの過去は俗に言うお世話係であるのだが、描かれているのは善意の搾取や、良かれと思ってしたことが蔑ろにされるという、気のいい人間が背負う普遍の苦しみである。非常に共感できる内容で、また全ての話の原点であるとも言える。これを読んだ後だと「愚者のエンドロール」での奉太郎の心情は察するに余りあるし、また単なる怠け者でないということがよく伝わるだろう。長い休日、と例えた姉の言葉には優しさがこもっていて涙が出てくるし、また休日を終わらせる人間がくる、という予感めいた先に希望を持つ言葉を言ってくれる人が側にいたことが、奉太郎が歪まなかった理由の一つであるのだろう。面倒なことを率先してやろうとする福部里志や、人を陥れる考えとは無縁の場所にいる千反田える、また義理堅く関わりを大事にする摩耶花のグループの中に落ち着いたというのはある意味では当然の帰結であるとも言えるし、非常に納得のいくものだった。とても人間味のある短篇である。 最後の表題作「いまさら翼といわれても」は、タイトルの意味や内容はある程度予想できたものの、将来家を継ぐ予定の箱入りのお嬢様、から想像できる話とはまるで違っていたのが印象深い。普通は自由を求める話にするのだが、あえて自由を与えられてしまったことで、アイデンティティがゆらぎ、何者でもなくなってしまったというのはとてもきついものがある。蔵の中から聞こえる歌声は籠の鳥のようでいて、またリドル・ストーリーとして終わっているのも余韻があっていいと思う。 六年ぶりに読む本作だが、変わらぬ魅力を感じるどころか、より深化した、満足感のある一冊でした。完結まで一生追いかけていこうと思います。

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