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彼女の家計簿 の商品レビュー

3.7

117件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    4

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2025/10/24

お金の話かと思いきや三世代に渡った女性の人生の話だった。 祖母は生まれた時代が違っていたら、いわゆるキャリアウーマンの人生だったんだろうな。そもそも◯◯ウーマンとか、◯◯女子とか、「女」を表す名詞の前に単語が入る風習がある時点で、今も差別が残っているといえるのかもしれない。 最...

お金の話かと思いきや三世代に渡った女性の人生の話だった。 祖母は生まれた時代が違っていたら、いわゆるキャリアウーマンの人生だったんだろうな。そもそも◯◯ウーマンとか、◯◯女子とか、「女」を表す名詞の前に単語が入る風習がある時点で、今も差別が残っているといえるのかもしれない。 最近では女性総理が誕生した。時代は確実に変わっていることを生きているだけで実感する。 だけど社会で活躍したい女性にとって、今の時代は生きやすいといえるのかどうかはわからない。そのうち◯◯女子みたいな言葉を「女性だから」という境界線を引く用途で、自然と使わなくなる時代がきた時は、どんな社会になっているんだろう…といろいろ考えさせられた。

Posted byブクログ

2025/10/23

人の人生にお金は切って切り離せない。 だからこそ原田ひ香の小説には誰しもが共感できるところがあって引き込まれるのだろう。 『彼女の家計簿』ではある家計簿が3世代を繋ぎ、その人生に関係のあった人たちを繋ぐ。家計簿とは言ってもお金だけではなく、書かれているほんの数行の文言に生きざま...

人の人生にお金は切って切り離せない。 だからこそ原田ひ香の小説には誰しもが共感できるところがあって引き込まれるのだろう。 『彼女の家計簿』ではある家計簿が3世代を繋ぎ、その人生に関係のあった人たちを繋ぐ。家計簿とは言ってもお金だけではなく、書かれているほんの数行の文言に生きざまが見て取れる。誰かが読むとは思わずに書いたものかもしれないし、誰かに読んでもらいたいと思って書いたものかもしれない。それは分からないけれど、その中に想いがこもり、毎日を一生懸命に生きていたことが伝わってくる。 女性の一生はその時々で役割が違う。 その役割ごとの重荷や幸せを給料・家賃・家計、、、そういうお金の切り口を含めて描き、今回もまた引き込まれてしまった。 ちょっと刺激的で、先が読めるようで読めない、危ういバランスで人を虜にしてしまう原田ひ香の小説はやっぱり面白い。

Posted byブクログ

2025/10/02

過去の日記から家族の過去と関わるひとの過去をクリアにしていく物語。日記と登場人物①②の現在が交差していて前半は??やや混乱したが、後半続きが気になり一気に読んだ。 仕事と育児を両立する母の子どもへの愛と後悔と苦悩は、共感するものが大いにあった。会えなくなった時後悔するから、は心に...

過去の日記から家族の過去と関わるひとの過去をクリアにしていく物語。日記と登場人物①②の現在が交差していて前半は??やや混乱したが、後半続きが気になり一気に読んだ。 仕事と育児を両立する母の子どもへの愛と後悔と苦悩は、共感するものが大いにあった。会えなくなった時後悔するから、は心に染みた。

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2025/09/07

私には少し重く、読んでいて少し辛くなる話だった。 日本にはそういう時代もあったよねと思いつつ、シングルマザーで苦しいながらも毎日精一杯頑張って過ごす日々、その中にある家計簿…。 私もやっているが、今はアプリで簡単に支出を登録できてそれしかやらない中で、日々のことも綴り振り返ると...

私には少し重く、読んでいて少し辛くなる話だった。 日本にはそういう時代もあったよねと思いつつ、シングルマザーで苦しいながらも毎日精一杯頑張って過ごす日々、その中にある家計簿…。 私もやっているが、今はアプリで簡単に支出を登録できてそれしかやらない中で、日々のことも綴り振り返るというのがなんだか少し良いなと思った。

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2025/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前読んだ『口福のレシピ』にも少し通じるものがある気がする作品。 3世代の女性たちのつながりが、書物を通してつながっていくところなど。 母の朋子さんの性格は共感できなかったし、晴美さんの再会した永田という男は最低で嫌な気持ちになった…

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2025/08/22

彼女とは誰のことだろう。家計簿はつけようとしたことがあるが、私は3日と続かない。 10年日記は書き続け10年を迎えたのだが、、、。 生きるためのお金、そして家族や仲間との関係がその家計簿には描かれている。それはまるでシングルマザーの里里 への70年前からの大切なメッセージなのか...

彼女とは誰のことだろう。家計簿はつけようとしたことがあるが、私は3日と続かない。 10年日記は書き続け10年を迎えたのだが、、、。 生きるためのお金、そして家族や仲間との関係がその家計簿には描かれている。それはまるでシングルマザーの里里 への70年前からの大切なメッセージなのかもしれない。 家計簿は五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたというものだ。 その家計簿には備考欄に書かれた日記のような独白があった。里里はその家計簿に引き込まれ読み進めるうち、加寿は男と駆け落ち自殺したと聞く自分の祖母ではないかと考え始める。はたして事実は・・・。 転機を迎えた三世代の女たちが家計簿に導かれて、新しい一歩を踏み出す。家族や仲間との絆を通じて、そして現代の貧困や孤独に直面する女性たちの姿を通して、人間の生き方について深く考えさせられる物語であった。

Posted byブクログ

2025/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

普通に良い話だと思うし心情が丁寧に書かれているとも思うし特に文句はないんだけど、ふと「みずきさんってどうしても必要なキャラクターだったのかな」とか思ったりした。 夕顔ネットにはそういう女性もいるってことだけわかる軽いエピソードに留めといて、その分朋子さんの胸のうちをもっと知りたかったなーとか。 父親が運動会で里里を抱き上げたときにキレたシーンをあとから掘り下げてほしかったなーとか。

Posted byブクログ

2025/08/12

ひとりの女性の家計簿を軸に、二人の女性主人公の生き方を描く内容。まず構成がなかなか面白かった。読み手もその家計簿を一緒に読み進める形になっていて、登場人物と同じ体験を追っていくような作りになってる。 全体を通して圧倒的な女性視点の作品で、ベクデルテストを性別を入れ替えて考えてみ...

ひとりの女性の家計簿を軸に、二人の女性主人公の生き方を描く内容。まず構成がなかなか面白かった。読み手もその家計簿を一緒に読み進める形になっていて、登場人物と同じ体験を追っていくような作りになってる。 全体を通して圧倒的な女性視点の作品で、ベクデルテストを性別を入れ替えて考えてみると、登場人物のほとんどが女性で、男性がほとんど出てこない。ジェンダー的にも完全に女性寄りの作品だった。 一人で生き抜こうとする、仕事を愛する女性たちへの応援歌でもあり、ラストで明かされる仕掛けも、仕事が女性にとってどれだけ大きな意味を持つのかに繋がっている。女性讃歌でもあり、シスターフッドの物語でもあると思う。それでも男性の俺が読んでもちゃんと面白い一冊だった。

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2025/07/27

この方の作品は初めて読みましたが、色々な女性たちの生き様が興味深くて、あっという間に読み切りました。面白い、そしてこのようなNPOの取り組みにも、いつか関わってみたいと感じました。この作家さんの他の作品も読んでみたいです

Posted byブクログ

2025/07/09

過去と現代を行き来しつつ、それぞれの女性が生きていく物語。 原田ひ香さんの本はなぜか引き込まれてしまう。

Posted byブクログ