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ジャッジメント の商品レビュー

3.6

109件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

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2017/04/14

朝の満員電車で遅延し、30分も車内に閉じ込められた時に読破。気づいたらすぐに読み終わってました。いやー、めちゃめちゃ考えさせられてしまった。 「復讐法」存在すべきか否か…かなり考えさせられました。満員電車の中にも関わらず、思わず泣きそうになった場面も多々。サスペンス系だと事件の...

朝の満員電車で遅延し、30分も車内に閉じ込められた時に読破。気づいたらすぐに読み終わってました。いやー、めちゃめちゃ考えさせられてしまった。 「復讐法」存在すべきか否か…かなり考えさせられました。満員電車の中にも関わらず、思わず泣きそうになった場面も多々。サスペンス系だと事件の真相にスポットを当てがちだけど、この作品は加害者も被害者も同様に内面にスポットが当たっていて、彼らの心情の変化に心動かされました。 なんと言ってもかなり心情的には深い部分を描いているのにも関わらず、重くなりすぎずにサラッと文章にしていた小林さん、すごい!復讐法に賛成も批判もすることを許されない応報監察官である鳥谷彩乃からの目線だからこそ、復讐法の大枠をつかみ、読者に復讐法はあるべきか否かを問うような描き方は見事でした。もっと奥深くまでディープに書いて欲しいと言っている方もいるようですが、ここまで重い内容を適度な軽さで描いていく手法は、これからの小林さん独特のタッチとして確立されていくように感じました。 もし自分にとって身近な人間が被害にあったら、あなたは復讐法を選びますか?法を利用して、自らの手で加害者に復讐をしますか?この問いは、私の中に永遠に存在し続けるように思います。

Posted byブクログ

2017/04/09

連作短編集です。一編ずつ、ゆっくり読みました。 どれもいろいろ考えさせられる作品でした。 最後に掲載されているジャッジメントは、後味は良くありませんでしたが、とても印象に残りました。 次作も期待しています。

Posted byブクログ

2017/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

死ぬよりも苦しいのは見過ごすことだ。 何もできない、何もしなかったのは自分自身なのだ。 (抜粋)

Posted byブクログ

2017/02/27

犯罪者に合法的に復讐することが許される「復讐法」がある世界を描いた物語です。 復讐すればそれで救われるというものではなく、だからと言って復讐しないことを選んでも苦しむという、読んでいてとてもつらい本でした。結論は決して出ない問題ではあるけれど、考える必要がある問題だと思いました。

Posted byブクログ

2017/02/23

復讐法が制定された世界。 はじめの「サイレン」がまさに王道の復讐だったので、読むのが辛かったが、それ以降は痛い描写も少なく、サッパリしたものだった。 どんでん返しもあり、「そんな行動をとることも考えられるのか」と驚かされる展開もあり、読み始めた時よりも良い読後感を得られた。 ...

復讐法が制定された世界。 はじめの「サイレン」がまさに王道の復讐だったので、読むのが辛かったが、それ以降は痛い描写も少なく、サッパリしたものだった。 どんでん返しもあり、「そんな行動をとることも考えられるのか」と驚かされる展開もあり、読み始めた時よりも良い読後感を得られた。 ただ、主人公の女性の影が薄いのは残念だった。 そういう仕事だから、仕方のないところもあったろうけれど。 最後の章は感情等がよく描かれていたので、多少は親近感というか、感情移入できたものだったが、それまでがあまりに淡々としていたので、最後の最後に主人公が「当事者」になるのかも・・・と思ったが、そんなことはなかった。

Posted byブクログ

2017/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

復讐法が制定されたことによって起きる、合法的な”復讐”、それに立ち会う監察官の視線で描く。 復讐が認められる位だから殺人、それも陰湿な事件が多く、被害者の家族の復讐シーンは重く暗い。殺人とその復讐という設定なので当然ドラマは重厚になるし、方や犯人、方や事件までは普通の人、ということで葛藤も深くなる。 しかしこの小説の秀でている点は、短編集ではあるが、このテーマはそのままでも、毎回事件の形式を微妙に変えているので話に飽きない事。単に復讐法を使った遺族の復讐というパターンだけだと重い話の連続になるのだが、そこを上手く組み立てていて、娯楽小説としても一級の仕上がりになっている。 復讐法をテーマにした作品は他にもあるが、少なくともこちらの方が遥かに優れていた。

Posted byブクログ

2017/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書スレで見かけて面白そうだなと思い図書館で予約。 楽しみに待った割りには期待はずれだった。 復讐法の設定自体は面白いのに、各章の内容に全然深みがなくてさらりとしてて読み応えが感じられない。登場人物や情景の描写も乏しくて、主人公も上司も同僚も思い描けないし現場も想像できない。主人公の逆転移も唐突で感情移入できなかったし、出来の悪いラノベを読んでる気分だった。 読後感は最悪だけど一番印象的だった一作目、犯人があまりにもたちが悪くて手口も陰惨で気分が悪くなった。息子を殺された父親の苦悩が日に日に深まって行き、息子の最期の言葉を聞いてさらにやるせない気持ちになった。 荒唐無稽な設定から百年法を彷彿として読み始めたけど、この作品はハズレだった。今後、作者の腕が上がることを期待したい。

Posted byブクログ

2017/03/08

作品解説(帯) 大切な人を殺された者は言う。「復讐してやりたい」と。 凶悪な事件が起きると人は言う。「同じ目にあわせてやりたい」と。 犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。目には目を歯には歯を――。この法律は果たして被害者とその家族を救えるのだろうか!? 大切な人が殺...

作品解説(帯) 大切な人を殺された者は言う。「復讐してやりたい」と。 凶悪な事件が起きると人は言う。「同じ目にあわせてやりたい」と。 犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。目には目を歯には歯を――。この法律は果たして被害者とその家族を救えるのだろうか!? 大切な人が殺された時あなたは『復讐法』を選びますか? 大型新人が世に問う、衝撃のデビュー作!! 創立70周年記念刊行作品 第33回 小説推理新人賞受賞作 「復讐法」という設定は非常に面白いものの、応報監査組織や人物描写、心理描写が甘く、テーマに沿った重苦しさはさほど感じられない。中でも主人公:鳥谷文乃(あやの)の思考が最悪で、彼女を通して読者に法の是非を問うこともなく、応報監察官として応報執行者への肩入れがすぎるなど、暗愚に描かれているためフラストレーションが溜まる。下手に感情を出すくらいなら、逆に全く無感情な人物を配置したほうが被害者、加害者双方に注目することができて、より楽しめたのではないか。  悪意を持ってみれば、世にも奇妙な物語の「仇討ちショー」に、多少手を加えただけに見えないことも無い。(さすがにここまで軽いノリではないが)  新人賞を受賞した最終話のジャッジメントが収録されるのは仕方ないとして、他の4つの短編は次回以降に書下ろしを含めた短編集として出版するなどの配慮があれば良かったと思う。長編作品として、もっと深くまで応報執行者の心理描写を掘り下げ、組織も緻密に描ききることができれば素晴らしいものになっただろうと思うと、非常に勿体無い作品。

Posted byブクログ

2017/02/14

 毎日のように信じられないようなニュースが流れている。無差別殺人であったり、快楽殺人であったり、複数で少年を暴行した上に殺したり。そんなニュースを見るたびに思うのは、自分の身内がその事件の被害者だったら自分はどうするだろうという問いだ。  この物語は、きっとそういったことを考え...

 毎日のように信じられないようなニュースが流れている。無差別殺人であったり、快楽殺人であったり、複数で少年を暴行した上に殺したり。そんなニュースを見るたびに思うのは、自分の身内がその事件の被害者だったら自分はどうするだろうという問いだ。  この物語は、きっとそういったことを考えている人に対してのメッセージであったり、またはこの著者もそんなニュースを見て考えていたことをこうして本にしたのではないか。  物語は、自分の身内を殺された者が、新たに定められた復讐法によって、加害者を同じ方法によって裁くか、従来の刑法に則った裁きを与えるかを選べるというものだ。  もちろんこの物語に登場する被害者遺族は、復讐法を選ぶわけだが。  ただ、この短編で形成される物語は、そんな単純なものではなく、その加害者が身内であったり、また、復讐をする者が心の内に迷いや悩みを抱えたりしている。  その悩みであったりを応報監察官である鳥谷文乃が謎解きをすることで、また違ったストーリーが見えてくる。それがこの物語に厚みを出している。  物語自体はこれだけ重い内容にも関わらずサクサクを読めてしまう。3か4かで悩んだけれど、4で。

Posted byブクログ

2017/09/26

ハムラビ法典と正に同じ法律が施行されたらどうな社会になるのか。読み始めた最初の印象はグロい。残忍な殺人者が同じ方法で殺される。しかもそれをやる判断も実行も被害者遺族がやらなければならない。 新たな死刑制度の提案と思い、最初は自分の立場で考えたりしながら読んでいたが、実際には外から...

ハムラビ法典と正に同じ法律が施行されたらどうな社会になるのか。読み始めた最初の印象はグロい。残忍な殺人者が同じ方法で殺される。しかもそれをやる判断も実行も被害者遺族がやらなければならない。 新たな死刑制度の提案と思い、最初は自分の立場で考えたりしながら読んでいたが、実際には外からは垣間見得ない家族の実態や現代における社会との繋がりの問題を浮かび上がらせている。 一つ一つが短編なのでドラマ化したら面白いかも。ただ、地上波は無理だろうな。

Posted byブクログ