ジャッジメント の商品レビュー
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凶悪犯罪が増える中、復讐法が制定されたという設定の話で、その実行を監視する応報監察管が主人公です。復讐法では被害者家族などが復讐をする人に指名され、通常の裁判の刑期となるか、復讐を選ぶが決めることができ、復讐を選んだ場合は、犯罪と同じ方法で復讐がなされる。面白い設定と思って読んだが、本の最初のほうから、被害者家族も逆に苦しむし、こんなのはよくないね、という結論が見えてしまうのが難点でした。復讐法を施行する場に電車の改札で待ち合わせ、復讐法を実行する被害者家族に、加害者家族が簡単に出会えて懇願するシーンはストーリ上必要なんでしょうが、設定が雑すぎると思いました。
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復讐法が可決され、それを選択するか、選択したとしても遺族は苦悩する。ありがちなテーマと感情をそれらしく描いていく。
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前々からこういった問題に関しての小説は数多くあったが、これほどまでに本格的に取り扱った小説はないと思う。「復讐法」いわゆる殺人に対しての報復が正当化される法律である。将来、こういう法律ができる事はないとは思うが・・・自分の周りでこういった殺人事件が起こらないとは限らないし、自分が執行者にならないとも言えない。 内容は、つまり殺人被疑者に対して従来の法律による判決の懲役刑を選ぶか復讐法による死刑をえらぶかを被害者の関係者に選ばせるものだ、さらに復讐法を選択した場合自らが執行者になる。被疑者が受けた殺害方法をそのまま、執行者に実行させる・・・というもの。あまりにも残酷すぎるような気がする。要するに執行者もそのまま殺人者の十字架を背負うわけだ、そんな法律が許されるのも、被疑者の心情を考えるとあながち不法とも思えない。 本当にこの問題は永遠の問題で深く考えさせられる常に重たい問題である。死刑問題自体が論じられる昨今、新たな問題として取り上げられるかもしれない。いづれにせよ、難しい問題を提起した、話題の小説だけど、著者のデビュー作とは思えない斬新な小説だと思う。
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なんだろうなぁ・・・・ 復讐法、というテーマに対して、ちょっと内容が薄い感じがした。 もう少し踏み込んで、深く掘り下げたら面白くなりそうなんだけど。 途中でちょっと飽きちゃった。
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どの話も泣いてしまった。 確かに酷い事件あると、犯人も同じ目合えば・・・と思うけど。 自ら手を下すってなると、どうなんだろう。復讐したって大切な人は戻らないし、気が晴れる事もないだろうし。 色々考えさせられました。
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犯罪が増加する一方の日本で施行された「復讐法」 旧法に基づく判決か、復讐法の執行かを選択する、 5件の犯罪の被害者家族と復讐法の執行を通して、 犯罪被害に対する復讐の意義を問うた短編集です。 とは言え、若い作家さんのデビュー作としては、 テーマが、少しヘビー過ぎましたでそぅか…...
犯罪が増加する一方の日本で施行された「復讐法」 旧法に基づく判決か、復讐法の執行かを選択する、 5件の犯罪の被害者家族と復讐法の執行を通して、 犯罪被害に対する復讐の意義を問うた短編集です。 とは言え、若い作家さんのデビュー作としては、 テーマが、少しヘビー過ぎましたでそぅか…?? 5編とも、何となく、ミステリー色が蛇足気味で、 題材の重さや難しさが、活かし切れてない感じ…。 何より、復讐法の執行を、冷静に見届けるはずの、 応報監察官の主人公が、執行者に感情移入し過ぎ。 安楽椅子探偵ごとく、事件の真相を暴き過ぎだし、 職務に疑問を持ち過ぎで、最後の行動も安易過ぎ。 例えば、まったく同じ題材や設定でも、長編で、 5件の、シチュエーションの異なる犯罪に対して、 これらの被害者家族による復讐法の選択と執行を、 主人公の視点で、同時並列に、淡々と描きながら、 作者なりに考える犯罪被害に対する復讐の是非を、 主人公を介して、明示・暗示するような構成なら、 単に、現代社会への問題提起の範疇にとどまらず、 社会派のサスペンス小説として、秀作だったかも? 評価は、 今後への期待を込めて、辛めにさせて頂きました。
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舞台は「復讐法」という法律が運用される世界。 非現実的な設定であるが、多くの読者はその物語にイッキに引き込まれる。なぜなら、そこは古代、成文法ハムラビ法典の時代のように「目には目を、歯には歯を」、すなわち「やられたらやり返す」ということが合法的に行えるという世界だからだ。愛する人...
舞台は「復讐法」という法律が運用される世界。 非現実的な設定であるが、多くの読者はその物語にイッキに引き込まれる。なぜなら、そこは古代、成文法ハムラビ法典の時代のように「目には目を、歯には歯を」、すなわち「やられたらやり返す」ということが合法的に行えるという世界だからだ。愛する人を殺された被害者が加害者に対し同じ方法で復讐を行う。あくまで小説ではあるけれど、「もしも自分が被害者の立場なら…」という事を常に考えてしまう。愛する者を奪われた悲しみと怒り、感情のままに復讐を行うのか、あるいはその権利を放棄するのか。作中に出てくる被害者は様々な思いを胸に秘め、おそらく太古の昔に「人を愛する」という感情を持つと同時に芽生えた「人を憎む」という感情と、人間が永年培ってきた「理性」との狭間でもがき苦しむ。単なるエンタメ小説ではない、もしかすると近い将来こんな世界が訪れるかもしれないと思って読み進めると夜も眠れなくなりそうである。
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復讐法、殺人に対しての報復が正当化される法律のはなし。将来、こういう法律ができる事はないとは思うけれど、自分の周りでこういった殺人事件が起こらないとは限らないし、自分が執行者にならないとも言えない。 考えられるいろんなパターンの対処法が出てきて、なるほどね、とも思う。 だけど、特に響くものなし。
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事件で誰かが大切な人を亡くした時、もし自分の身にふりかかっていたら…と思う。 何の罪もない人がある日とつぜん被害に遭い、加害者が何の反省もしていないとき、遺族はきっと自分の手で復讐してやりたい、同じ目に遭わせてやりたい、そう思うだろう。私もきっとそう思う。 そこに冤罪や偶発性がな...
事件で誰かが大切な人を亡くした時、もし自分の身にふりかかっていたら…と思う。 何の罪もない人がある日とつぜん被害に遭い、加害者が何の反省もしていないとき、遺族はきっと自分の手で復讐してやりたい、同じ目に遭わせてやりたい、そう思うだろう。私もきっとそう思う。 そこに冤罪や偶発性がないとはっきりしていたら、この手で加害者の命を奪ってやりたい、何年かかっても必ず復讐してやる、と。でもそれがなされないのは、この国がそれを許していないから。 じゃぁ、それが法律で認められているとしたら… この物語の哀しさは、復讐を認められた被害者の家族たちこそが、その復讐によって二重の苦しみを得てしまうという事。 大切なひとを亡くし、その復讐をその手で行うという重荷を背負う。なぜ、何度も苦しみを与えるのだ。法律は誰のためにあるのだ。
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