夜を乗り越える の商品レビュー
著者の作品を初めて読む。 自身の生い立ちから何故本を読むか。など記されている書。 よく考える方だとよく分かる。 共感する、しないの軸は確かに恐ろしい。 共感しないものも読み進めて、自分の幅を広げること。世界を知ることが大切なのだと考えた。 自分は世界の一つであって、全てでは無い...
著者の作品を初めて読む。 自身の生い立ちから何故本を読むか。など記されている書。 よく考える方だとよく分かる。 共感する、しないの軸は確かに恐ろしい。 共感しないものも読み進めて、自分の幅を広げること。世界を知ることが大切なのだと考えた。 自分は世界の一つであって、全てでは無い。 本は再読することができる。そこが素晴らしい。 普段主に読んでいるビジネス書だけでなく小説も読もうと思う。本の中には答えはない。答えは自分の中にある。それを辿る作業が必要なのだろう。不合理を経験しなければ、合理的にはならない。 著者が薦めている作品は今後読んでみたい。 太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、谷崎潤一郎、三島由紀夫、織田作之助、上林暁、遠藤周作、古井由吉、町田康、西加奈子、中村文則。
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ご自身の半生をダイジェストしつつ、「小説」の効用についての持論を展開されてました。語りかけるような、とても読みやすい文章で、普段本を買わないような方にこそ読んでもらいたい、という想いを強く感じます。 全体に太宰治への愛があふれていました。彼に関してはもう語りが止まらないといった...
ご自身の半生をダイジェストしつつ、「小説」の効用についての持論を展開されてました。語りかけるような、とても読みやすい文章で、普段本を買わないような方にこそ読んでもらいたい、という想いを強く感じます。 全体に太宰治への愛があふれていました。彼に関してはもう語りが止まらないといったご様子で、普通に太宰治オタクなのではないかと感じました。そこは微笑ましく感じました。 ただ、お笑い関係の内輪話が多くて、度々白ける気分になりました。 よしもと新書ということで、かなりターゲットが絞られた本なのだと思います。 又吉直樹氏や吉本のファンにとっては興味深い本かと思いますが、そうでない人たちにとっては、やや偏った本なので星3つとしました。
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個人的に好きな読書論のジャンル。 ただ、それだけではなく、 自らの作品の解説、 創作に懸ける想いや葛藤、 近代文学と現代文学の違いや それぞれの読み方など、 又吉さん独特の感性も味わえる良作。
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どのように本を読んできたか、どのように本を書いてきたかを、飾りなく書いてある本。 本を読むのはおもしろいから。それは共感と新しい感覚の発見。楽しく読みましょうと。 太宰や芥川、谷崎から西加奈子、中村文則まで。好んで読んできた作家と作品についての紹介と感想も楽しく、どれも読んでみた...
どのように本を読んできたか、どのように本を書いてきたかを、飾りなく書いてある本。 本を読むのはおもしろいから。それは共感と新しい感覚の発見。楽しく読みましょうと。 太宰や芥川、谷崎から西加奈子、中村文則まで。好んで読んできた作家と作品についての紹介と感想も楽しく、どれも読んでみたくなる。 #夜を乗り越える #又吉直樹 #小学館よしもと新書 #読書 #読書記録2022 #読書記録
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なぜ本を読むのか、なぜ物語を紡ぐのか。 又吉直樹が真っ正面から考え、答えた本。 何気なく過ぎていく日常、 取り交わされる言葉、 通り過ぎていく想いや考え。 普通であれば、 その場限りで消えてしまうものごとを、 彼は掬い取る。 何だったのか、その背景にあるのは何か、 どうしてだろう...
なぜ本を読むのか、なぜ物語を紡ぐのか。 又吉直樹が真っ正面から考え、答えた本。 何気なく過ぎていく日常、 取り交わされる言葉、 通り過ぎていく想いや考え。 普通であれば、 その場限りで消えてしまうものごとを、 彼は掬い取る。 何だったのか、その背景にあるのは何か、 どうしてだろうか。 自分の中に取り込み反芻する。 放り出さず考え続ける。 表層をさらっと生きるのでなく、 四つに組んで世界を見つめるのはしんどい。 楽しさより苦しみの方が多いだろう。 でも自分で経験したものを拠り所にして、 自分の思考で世界を見つめることは、 自分ならではの世界を再構築する。 表層を生きていただけでは、 滑走を楽しむだけでは見えない、 複層的で深さを持った世界が見えてくる。 器用に生きられない者、 苦しみの中にいる者への応援歌でもある。 もう死んでしまいたい。 そう感じる夜を、 この一夜だけを生き抜こう、 堪えて乗り越えよう。 そんなメッセージが詰まっている。 そのひとつとして本がある。物語がある。 主人公たちが同じように悩み苦しむ中で、 答えが見えてくることもあると。
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人生は決して長くない。短めに寿命を設定してその限られた時間で何をやるか決める。生き延びたらまた設定しなおす。 なぜ多様な視点や考え方を持つ必要があるのか。極論を言うと全人類が同じ考え方しか持ってないとしたら、ひとつの失敗で全員が死ぬからです。 自分は世界のひとつであって、すべてで...
人生は決して長くない。短めに寿命を設定してその限られた時間で何をやるか決める。生き延びたらまた設定しなおす。 なぜ多様な視点や考え方を持つ必要があるのか。極論を言うと全人類が同じ考え方しか持ってないとしたら、ひとつの失敗で全員が死ぬからです。 自分は世界のひとつであって、すべてではない。 こんなんだったら、終わった方が楽だな。その狭間で揺れ動いていた。でもそれがどこかで越えてしまった。今ここで死んだらどうなるのか。いや、あかんあかん。いや、違う。怖い怖い、と思い直します。その時に怖いと思えない瞬間が、芥川には来てしまったのでしょうか。 これは、また改めて読みたいかも。近代文学は個人的には苦手やけど、読んでみたいなと思わせてくれる。小説ばかりやけど、こういうエッセイというか、実在の話をもう少し読んでみたいタイミングなんかもしれん。 又吉の本、なにげに三冊目くらいやけど、妙に刺さってくる言葉があるなー。
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「なぜ本を読むのか?」 「文学の何がおもしろいんだ?」 という疑問に又吉さんならではのアドバイスを提示してくれる本。 冒頭の父親との忘れられないエピソードが既に私も忘れられそうにありません。 太宰、芥川、三島、谷崎潤一郎に夏目漱石などの近代文学や遠藤周作、古井由吉、町田康、西加...
「なぜ本を読むのか?」 「文学の何がおもしろいんだ?」 という疑問に又吉さんならではのアドバイスを提示してくれる本。 冒頭の父親との忘れられないエピソードが既に私も忘れられそうにありません。 太宰、芥川、三島、谷崎潤一郎に夏目漱石などの近代文学や遠藤周作、古井由吉、町田康、西加奈子、中村文則らの現代文学の紹介を、又吉さんの読書体験になぞらえて紹介してくれます。 「文学は、本は、賢い人達のためにだけあるものではありません」と彼が言うことがしみじみよく分かります。 本が友達になったり、答えを教えてくれるわけではないけれど、確実に、そこにこれまで誰にも理解されなかった自分の気持ちがある、と思えたりまた、全く思いもしなかった視点に出会えたり、同じ本でも読む時期によって刺さる箇所が違っていたり、自分自身と出会える、向き合える、そんな役割が読書なのかな、何よりも楽しい、そうだよねって思える本でした。
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このタイミングでこの本を読んで、読書に時間を割ける間に本との向き合い方を学ぶいい機会になりました。 読書の意義を言葉に出来なかった気持ちを、うまく言葉にしてもらえたような気がします。 後半は、太宰治や芥川龍之介とどう出会い向き合ってきたのか、何を考えながら読み進めてきたのか、 ...
このタイミングでこの本を読んで、読書に時間を割ける間に本との向き合い方を学ぶいい機会になりました。 読書の意義を言葉に出来なかった気持ちを、うまく言葉にしてもらえたような気がします。 後半は、太宰治や芥川龍之介とどう出会い向き合ってきたのか、何を考えながら読み進めてきたのか、 が書かれています。 ほとんど読んだことの無い作家がずらりと並んだので、 後編はまた著書を読んでから改めて目を通したいと思います。
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前半は又吉の生い立ちや自身の作品が出来上がるまでの過程など。後半は又吉が読んできた作家さんについてや本をどのようにして読んでいるかについて。この本を読んで読書の楽しさを再確認できて、もっと本を読みたくなった。この本に出てくる又吉さんが好きな作家さんの本を読んでから、もう一度読んで...
前半は又吉の生い立ちや自身の作品が出来上がるまでの過程など。後半は又吉が読んできた作家さんについてや本をどのようにして読んでいるかについて。この本を読んで読書の楽しさを再確認できて、もっと本を読みたくなった。この本に出てくる又吉さんが好きな作家さんの本を読んでから、もう一度読んでみたい。
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「何故本を読むのか?」「文学とは?」などなど色々な人が考えてきたテーマを、芸人で芥川賞作家の又吉直樹氏も真剣に、でも肩張らずに、自身の子供時代などを交えてまとめたもの。 私自身は、まだ賞を獲った「火花」も読んでおらず、これが又吉作品の一作品目となり、まずは芸人としての人物とい...
「何故本を読むのか?」「文学とは?」などなど色々な人が考えてきたテーマを、芸人で芥川賞作家の又吉直樹氏も真剣に、でも肩張らずに、自身の子供時代などを交えてまとめたもの。 私自身は、まだ賞を獲った「火花」も読んでおらず、これが又吉作品の一作品目となり、まずは芸人としての人物という一側面しか知らないのであるが、なによりもしっかりと小説を多く読んでいることが窺えた。 それはやはり好きであり、面白いということがまずあり、また小説や文学が自身にとって代弁者であり、また救済者であり、また全く違う世界へと誘うものでもあり、自身での到達や理解の範疇を超えているということを知らしめてくれるものでもあるということなど、多種多様で、まさに人間そのものという事が作者から再認識させてもらった気がする。 それにしても本当に太宰治が好きなのだなあ。今度紹介している本を読んでみたく思う。
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