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夜を乗り越える の商品レビュー

3.9

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    73

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2023/04/13

又吉さんの本の楽しみ方をエッセイにした本。 読んでいると太宰や芥川といった作家の本もいろいろな読み方が出来そうだし、西加奈子さんや中村文則さんの本も興味が湧いてきた。周りの評価は気にせず、自分なりの読み方で本を楽しめば良いんだとちょっと気が楽になる一冊でした。

Posted byブクログ

2023/03/17

又吉直樹(1980年~)氏は、大阪府寝屋川市生まれ、大阪府立北陽高校卒のお笑いタレント、漫才師、小説家。お笑いコンビ・ピースのボケ担当。吉本興業東京本社所属。『火花』で芥川賞(2015年)受賞。 私は普段お笑いを見ることがほとんどなく、又吉氏についても、芥川賞を取ったことで初めて...

又吉直樹(1980年~)氏は、大阪府寝屋川市生まれ、大阪府立北陽高校卒のお笑いタレント、漫才師、小説家。お笑いコンビ・ピースのボケ担当。吉本興業東京本社所属。『火花』で芥川賞(2015年)受賞。 私は普段お笑いを見ることがほとんどなく、又吉氏についても、芥川賞を取ったことで初めて知ったくらいで、また、本はよく読むものの、小説よりも、新書や単行本・文庫でもノンフィクション物を好むので、『火花』も読んでいない。ただ、一芸(又吉氏の場合は二芸か?)に秀でた人の自伝・半生記やエッセイ集は、その分野にかかわらず(科学でも芸術でもビジネスでも)好きなので、新古書店で本書を見つけ入手した。 本書は、帯に書かれているように「なぜ本を読むのか?」がメインのテーマであるが、前段では、その理由と分かち難い又吉氏の半生が、また、後段では、様々な近代・現代文学の作家を又吉氏がどのように読んできたかも書かれている。 読み終えて、まず、又吉氏に好感を持ったし、又吉氏がお笑いで何を話すのか、是非聞いてみたいとも思った。というのは、お笑いにしても、小説にしても、それ自体は他者に何かを伝えるための手段に過ぎず、結局は、発信者が伝えたいことは何なのかが最も重要であり、又吉氏のそれははっきりしているからである。(お笑い芸人が皆、又吉氏のようなものを持っているのかはわからないが。。。) また、主題である「なぜ本を読むのか?」については、「本を読む理由がわからない方、興味はあるけど読む気がしないという方々の背中を頼まれてもいないのに全力で押したいと思います」と言いながら、わかりやすく、丁寧に書かれているが、突き詰めれば以下の2点である。 ◆読書の魅力の一つは、普段から何となく感じている感覚・感情を文章で的確に表現されて、自分の感覚を「確認」できること。 ◆もう一つは、これまで自分が持っていなかった新しい感覚が「発見」できること。世界には無数の視点があることを教えてくれ、共感はできなくても、一旦受け入れて自分なりに考えてみることで、別の視点を持つことができ、自分の幅を広げることができる。 読む本の割合として小説が非常に少ない(特に、現代小説はほぼ読まない)私にとっても、又吉氏の考え方は、一つの刺激になったし、現代小説も敬遠せずに読んでみようと思わせるに十分だった。 (2023年3月了)

Posted byブクログ

2023/02/12

又吉さんが、何故本を読むのか、本を読むことでどうなったのかがわかる1冊。 本を読みましょう!みたいな本ではなくて、そこまで言うならちょっと読んでみますか〜…気になるし…みたいな気分にさせてくれた。とりあえず紹介されていた本は読んでみようかなと思います。

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2022/11/23

文学にはハマったきっかけ。読書をより好きになったきっかけ。 読書は自分の感情の確認と発見だ。 しっくり来た。 めっちゃ頭の中で喋ってる!!そんな奴おれだけじゃなかったんだ! 「バッドエンドじゃなくて途中なのだ。」 夜を乗り越える。死にたくなる苦しい夜には、これは次に楽しいこ...

文学にはハマったきっかけ。読書をより好きになったきっかけ。 読書は自分の感情の確認と発見だ。 しっくり来た。 めっちゃ頭の中で喋ってる!!そんな奴おれだけじゃなかったんだ! 「バッドエンドじゃなくて途中なのだ。」 夜を乗り越える。死にたくなる苦しい夜には、これは次に楽しいこと嬉しいことがあるまでのフリなのだと。喉が渇いている時の水は格別にうまい。忙しい時の休日、苦しい人生だから誰よりも重みのある幸福を享受できる。その瞬間を見逃さないように生きよう。得体の知れない化け物に殺されてたまるか!!反対に、そいつの背後からこちょこちょしてやるのだ。

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2022/10/01

予想してたより充実して読めました。 世の中をナナメに見てる人なんかな〜って思うものの、話題が本・読書になると手放しで愛してるようで面白い人だな、と。 紹介している本で読んだことあるのは一部でしたが(これから読もうと思う)、谷崎潤一郎に対して「(Funの意味で)面白い」と言ってるの...

予想してたより充実して読めました。 世の中をナナメに見てる人なんかな〜って思うものの、話題が本・読書になると手放しで愛してるようで面白い人だな、と。 紹介している本で読んだことあるのは一部でしたが(これから読もうと思う)、谷崎潤一郎に対して「(Funの意味で)面白い」と言ってるのが自分と違ってて興味深かった。 辞書ひきながら文学を読むって贅沢で良いな。読書するのに誰に急かされてる訳でもないし、真似してみたいと思った。

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2022/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

難儀した 最後の最後にそれ私も辿りついたことある!って思った考えがあって嬉しかった 又吉自身も自分と同じこと考えてる人がいるんやって文学に救われてきたって書いてあったから、最後の最後に同じこと体験できて嬉しい 物語に言葉に乗せられて初めて理解できる気持ちがあると思う 言葉で言ってしまえば簡単だけど、それが心に届くまでの道のりとして物語があるんだなと 共感させるために、ここぞというところでこの気持ちを分かってもらうために、登場人物に感情移入する過程がある、シチュエーションと展開がある 中村文則さんのことを述べて唐突に終わる感じが親書というより文学っぽいと思った、めっちゃ好きなんやな 告白と何もかも憂鬱な夜にを読んでみよう

Posted byブクログ

2022/05/27

なぜ本を読むのか。又吉さんが考える答え。もっと文学が盛り上がってほしいとの思いが伝わってきた。難しい本に出会ったとき、私は自分に合ってないと思い、わりと早く降参しがちだけど、じっくり考えてわからなければ何度も読む著者の姿勢がすごいと思った。

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2022/05/21

とある本で紹介されていた。図書館では開架になってたが、えらく見つけにくいところにあった。 難解な本を何冊も読んでいる無類の読書家だという印象がある。だが、分からない言葉は辞書を引き引き、一度読んでもわからない時は繰り返し読まれるのだそうだ。そうすると、なんとなく義務や努力という感...

とある本で紹介されていた。図書館では開架になってたが、えらく見つけにくいところにあった。 難解な本を何冊も読んでいる無類の読書家だという印象がある。だが、分からない言葉は辞書を引き引き、一度読んでもわからない時は繰り返し読まれるのだそうだ。そうすると、なんとなく義務や努力という感じがするが、あくまで自分が楽しむためなのだと。教科書の「トロッコ」以来、教科書のほか、読書家の母を持つ友人から借りたのが「人間失格」だったのだと。東京では古本屋の軒先の安売りを買って、少し収入が増えてきてようやく新刊本を手に入れたという。こんな風な形で読書の世界に入っていく人って、現代ではとても稀有な存在な気がする。又吉さんの自意識と近代の文学がうまくリンクしたんだろうな。読みたいというよりも、読まなきゃとか言う気持ちで読んでしまう自分にとって、純粋に読みたい気持ちで読み続けている又吉さんがちょっとうらやましい。その言葉ではなかったけど「学がない」みたいな「自分でさえ・・」みたいな言い方されてるけど、そういう読書ができることも、一つの天賦の才のような感じがしている。 印象に残ったのは、この「夜を乗り越える」という言葉が、自死した太宰や芥川のその「夜」のことを差していたこと。あの「夜」さえ乗り越えてさえいれば、彼らは彼岸へ旅立つこともなかったのでは・・ということだった。先日のあの方の死を、又吉さんはどう感じていただろうか・・とふと思った。

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2022/05/08

著者の作品を初めて読む。 自身の生い立ちから何故本を読むか。など記されている書。 よく考える方だとよく分かる。 共感する、しないの軸は確かに恐ろしい。 共感しないものも読み進めて、自分の幅を広げること。世界を知ることが大切なのだと考えた。 自分は世界の一つであって、全てでは無い...

著者の作品を初めて読む。 自身の生い立ちから何故本を読むか。など記されている書。 よく考える方だとよく分かる。 共感する、しないの軸は確かに恐ろしい。 共感しないものも読み進めて、自分の幅を広げること。世界を知ることが大切なのだと考えた。 自分は世界の一つであって、全てでは無い。 本は再読することができる。そこが素晴らしい。 普段主に読んでいるビジネス書だけでなく小説も読もうと思う。本の中には答えはない。答えは自分の中にある。それを辿る作業が必要なのだろう。不合理を経験しなければ、合理的にはならない。 著者が薦めている作品は今後読んでみたい。 太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、谷崎潤一郎、三島由紀夫、織田作之助、上林暁、遠藤周作、古井由吉、町田康、西加奈子、中村文則。

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2022/04/07

ご自身の半生をダイジェストしつつ、「小説」の効用についての持論を展開されてました。語りかけるような、とても読みやすい文章で、普段本を買わないような方にこそ読んでもらいたい、という想いを強く感じます。 全体に太宰治への愛があふれていました。彼に関してはもう語りが止まらないといった...

ご自身の半生をダイジェストしつつ、「小説」の効用についての持論を展開されてました。語りかけるような、とても読みやすい文章で、普段本を買わないような方にこそ読んでもらいたい、という想いを強く感じます。 全体に太宰治への愛があふれていました。彼に関してはもう語りが止まらないといったご様子で、普通に太宰治オタクなのではないかと感じました。そこは微笑ましく感じました。 ただ、お笑い関係の内輪話が多くて、度々白ける気分になりました。 よしもと新書ということで、かなりターゲットが絞られた本なのだと思います。 又吉直樹氏や吉本のファンにとっては興味深い本かと思いますが、そうでない人たちにとっては、やや偏った本なので星3つとしました。

Posted byブクログ