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夜を乗り越える 小学館よしもと新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784098235018 |
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商品レビュー
3.9
213件のお客様レビュー
1日で読み終えてしまった。それくらい読み易い本。又吉の自意識と他人からの期待の乖離に書かれており、非常に共感できた。また、なぜ本を読むのかという疑問について独自の視点から書いてあり成程と思った。この本を最後まで読んで俺も暫くは夜を乗り越えて行ける、そう感じた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
前半、少年時代 後半、著者が好きな作家について、本を読む理由 前半はスラスラ読める、後半は知ってる本だとより面白いはず。 又吉さんのラジオをよく聞くので、そのトーンで話してる感じで本を読めたのが良かった。 私も太宰治、芥川龍之介、など又吉お勧め本を読んでみたい。 全体として表現に誇張なく素直で人間らしくて、好み。 犬が苦手、のワードがあったが、その理由はあとに述べつつ、犬の命は愛してる けど過去にこんなのことがあって、と述べる。 とにかく、いろんな本が出てくるので、メモメモ。
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人生を通じて直面する困難や悩みに対し、著者がどのように本を通じてこれに向き合ってきたのか、整理された一冊。本を読む意義や目的が、散りばめられるように綴られており、共感する箇所も多かった。と、本を読む側の観点も多分に語られているが、個人的に興味深かったのは、著者が本を書く側に回った特にどのような点に留意しているか、創作という過程を通じてどのような視点を獲得してきたのか、という点。特に以下にも記載している「内容以外の、本の文章の雰囲気も伝えることを意識して書きました」や「本当に俳句を鑑賞しようと思ったら作ってみないとわかりませんでした」といった箇所は、曲がりなりにも作品を世に出したことがある身として、深く頷ける記述であった。創作という過程を通じて、つくる側としてあれこれ身体的に考える中で、より本や他者に対して想いを馳せることができるのだと、改めて感じた。やはり、本を沢山読んで頭でっかちになる/自分の考えに固執するのではなく、より柔軟に優しくなれればよいなと思う。 特に印象に残った箇所は以下 「『人間失格』は僕にとって、一番頭の中でしゃべっている小説でした。内容もさることながら、頭の中でずっとしゃべっている人達がいる。ずっと考えている人達がいると知れたことが、僕は本当に嬉しかった。僕だけではなかった。みんなひとりで考え、悩み、行動している」(p.29) 「もちろん、そこから強引に自分の答えを探すような読み方はしませんが、あらゆる小説に触れることによって、視点を増やすことができました。自分を肯定してくれるものばかりではありません。自分とよく似た思考の登場人物が、おもしろくない人として罵られているような作品もあります。だから僕はもっともっと本をよまなければなりませんでした」(p.54) 「内容以外の、本の文章の雰囲気も伝えることを意識して書きました。著者と読者を繋ぐこと。読む人も様々ですから、本当それぞれが持っている感覚や求める密度とどう繋げるか」(p.74〜75) 「俳句を作ることによって、他の方が作った俳句を読むのが楽しくなりました。最初僕は「鑑賞の仕方を教えて下さい」と言っていました。作るのは無理だからと。しかし、本当に俳句を鑑賞しようと思ったら作ってみないとわかりませんでした」(p.88) 「わかっていることをわかっている言葉で書かれていても、あまり共感はしません。言葉にできないであろう複雑な感情が明確に描写された時、「うわ、これや!」と思うんです。正確には「これやったんや」と思っているのかもしれません。自分の心の中で散らかっていた感情を整理できる。複雑でどうしようもなかった感情や感覚を、形の合う言葉という箱に一旦しまうことができるのです」(p.114) 「自分は世界のひとつであってすべてではない。世界には無数の視点が存在している。その中から自分の答えを見つければいい。そもそも答えは簡単に出ない。本はそのことを教えてくれます。その先にきっとそれぞれの道があると思います」(p.140) 「太宰は昔の自分の考えていたことを、実はそこまで恥ずかしいとも思っていなかったんじゃないでしょうか。その瞬間、その年齢の自分が下した判断を疑っていなかったのだと思います」(p.191) 「『東京八景』の中にある「人間のプライドの窮極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか」という言葉がすごく好きです。太宰のすべてを表している言葉のように思えます」(p.196) 「とにかくいっぱい書いて無意識のうちに出てきた言葉に自分を託すか、もしくは歩き続けて自分の考えをゼロにして聞こえてくるものに反応するか。そうやって自分の外に出るものを作らなければ、自分が見てきたものや考えたことがあるものにしかなりません。それでは六十五点どまりです。百二十点出そうと思ったら自分だけじゃ無理です。自分を何かをぶつけたり、他のものに託す。僕は自然に託すのが最も力が強いんじゃないかと思っています」(p.242〜243)
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