夜を乗り越える の商品レビュー
好感が持てる。 小説に対して、又吉さんの中に くつくつと静かに燃える情熱が感じられました。 小説に対して深く思うところがあるけれど、押しつぶすほどの期待を押し付けない。その絶妙なバランスにも、小説やそれらを取り巻く環境を大事にしたいという思いの現れに感じられて、この人は本当に本...
好感が持てる。 小説に対して、又吉さんの中に くつくつと静かに燃える情熱が感じられました。 小説に対して深く思うところがあるけれど、押しつぶすほどの期待を押し付けない。その絶妙なバランスにも、小説やそれらを取り巻く環境を大事にしたいという思いの現れに感じられて、この人は本当に本が好きなんだなと思わされる。 それがどうしてそうなのか。 彼自身が今まで生きてきた中で小説に何度も救われてきた、気づきをもらってきたからだと本を読んでわかります。 私の話になりますが、私は人に相談することが苦手です。 結局のところ他人なので、自分の悩みや状況を100%理解してもらうことは難しい。相談して、悲しい思いをするくらいなら最初から期待しないようになりました。 そんな私が悩んだ時に何にすがるかというと本でした。 本に対してはオープンマインドでいられます。自分の心の扉を開けて、素直に吸収できる。 他人に話すのではなく、自分の心の中の対話なので、見栄を張る必要もなく本心を覗くことができます。 だからこそ、本が自分の心の奥深くの大事な部分を刺激したり、触れるときには、心が震えます。 この本を読んでいても、涙が込み上げました。 わかる、と感じて。 私は又吉さんに比べて読んでいる量も、知識も、文章力も劣っていますが、彼が本に対して思う気持ちの一片は同じな気がします。 言葉にしてくれて伝えてくれて嬉しいなと思います。 又吉さん、全然えらぶってないし、見栄張らないし、読んでいて心地良かったです。 本が好きな人の文章を読むことができて、良い読書でした。 本の薦め方もとても丁寧で慎重で、そこも良かったです。読んでみたくなりました。
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自分の感覚を知るためと、自分にできない体験を感じるために本を読む。 自分がポジティブなものを読むより、悩み抜いてる人からの方が元気をもらえるのわかります。
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これも「図書館司書オススメの本」にあった。 本を扱うプロ中のプロが、読書の秋に読んでもらいたい思いは確実に伝わった。 読書好きで知られ、芥川賞作家にもなった芸人でもある彼は、「なぜ本を読むのか?」と聞かれることが多いという。 まずは「面白いから」と答える。 その上で本が好き...
これも「図書館司書オススメの本」にあった。 本を扱うプロ中のプロが、読書の秋に読んでもらいたい思いは確実に伝わった。 読書好きで知られ、芥川賞作家にもなった芸人でもある彼は、「なぜ本を読むのか?」と聞かれることが多いという。 まずは「面白いから」と答える。 その上で本が好きな人にも、本を読まない人にも、誠実に答えていったのがこの本だ。 本を読むことは対話に似ている。 時には、話を聞いてもらっている感覚になることもある。 そして、話をただただ聞くこともある。 話をするだけですっきりすることがある。 体験を聞くだけで、暗闇に明かりが灯るようなことがある。 人は人と関わることで、良くも悪くも変わっていく。 家族。仕事。ご近所さん。 一冊の本を手にすれば、その自分をベースに古今東西の人たちと交わっていくことができる。 感覚を共有していくことができる。 とてもわかりやすく、読みやすく書かれている。 そして考え抜かれて書かれた文章なので、良い意味で読むのに時間がかかる。 秋の夜長をもっともっと長くして、良い本をたくさん読みたくなる渾身の一書。
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<感想> 芸人であり芥川賞作家でもある又吉直樹のエッセイ的な一冊。著者の小説への愛情が溢れ出ていて、久しぶりに太宰治を読んでしまった。 「不幸は幸せのフリ」という言葉は刺さった。なるほど、フリがあるからオチがオチとして成立するのだな。オチしかない話はネタとして成立しないのだ。そう...
<感想> 芸人であり芥川賞作家でもある又吉直樹のエッセイ的な一冊。著者の小説への愛情が溢れ出ていて、久しぶりに太宰治を読んでしまった。 「不幸は幸せのフリ」という言葉は刺さった。なるほど、フリがあるからオチがオチとして成立するのだな。オチしかない話はネタとして成立しないのだ。そう考えれば、ほとんどの失敗は、成功を成功として認識するために必須のステップなのだ。
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又吉さんは私が考えている以上に戦略的に小説を構成しているのですが、独特のフワフワ感が文章に出ちゃっているのが個性で強みだと思います。この「味」はきっと狙って出せるものではないので。 そして言葉というものを真摯に追及している方だと改めて確認しました。感覚を言葉で言い表す努力を怠らな...
又吉さんは私が考えている以上に戦略的に小説を構成しているのですが、独特のフワフワ感が文章に出ちゃっているのが個性で強みだと思います。この「味」はきっと狙って出せるものではないので。 そして言葉というものを真摯に追及している方だと改めて確認しました。感覚を言葉で言い表す努力を怠らない、カウンター視点をいくつも持っている人の文章は信頼できます。
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これほどたくさん本を読んで、そして読んだ本についてこれほど語れるなんて、本当に本が好きで、そしてよく考えている方なのだなと思いました。 考えすぎて疲れるんじゃないかと思うほど、人の気持ちを先回りして考える人なんですね。 お笑いの世界は好きではありませんでしたが、ちょっと覗いてみた...
これほどたくさん本を読んで、そして読んだ本についてこれほど語れるなんて、本当に本が好きで、そしてよく考えている方なのだなと思いました。 考えすぎて疲れるんじゃないかと思うほど、人の気持ちを先回りして考える人なんですね。 お笑いの世界は好きではありませんでしたが、ちょっと覗いてみたくなりました。
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初めて又吉さんの本を読みました 純文学ってフレーズを聞いただけで 小難しいのかなって思いましたが 一つの考えにたどりつくまでの 過程や悩みを線でつなげて たまに脱線してみたりな 人間らしい 読み物なんだと勉強になりました 今まで 仕事で必要に迫まれて読書をしてきたのですが 3...
初めて又吉さんの本を読みました 純文学ってフレーズを聞いただけで 小難しいのかなって思いましたが 一つの考えにたどりつくまでの 過程や悩みを線でつなげて たまに脱線してみたりな 人間らしい 読み物なんだと勉強になりました 今まで 仕事で必要に迫まれて読書をしてきたのですが 30代になってからは 自分にも余裕が出てきて 楽しむための読書をやってみようと思っていました 又吉さんの おすすめ現代文学から読んでみます 所さんが プラモデル作りしていない人の 人生なんて 楽しくない人生 ってテレビで言っていましたが 私にとって読書がそうであるように ひらめきや、感動、じわっと心に残るもの そうゆう感情を蓄積している趣味です 又吉さんの小説も読んでみます
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又吉直樹の『夜を乗り越える』 読書案内的な本は好きだから読んでみたけど、まったく合わなかった。 Amazonかなんかのレビューで「前半はつまらないけど、後半は面白い」的な コメントがあったので我慢したけれどダメだった。 p116 「自分の感覚にはまるものがおもしろい、 それ以外...
又吉直樹の『夜を乗り越える』 読書案内的な本は好きだから読んでみたけど、まったく合わなかった。 Amazonかなんかのレビューで「前半はつまらないけど、後半は面白い」的な コメントがあったので我慢したけれどダメだった。 p116 「自分の感覚にはまるものがおもしろい、 それ以外はおもしろくないというように読んでいくと、 読書本来のおもしろさは半減してしまう」 と書いてあるところが、それこそ私には合わない。 「登場人物の考え方やに共感できなかった」 こういう読み方がおもしろさを半減するとは思えない。 浅薄な考え方・読み方かもしれないけれど、 「全然共感できないけど、おもしろかった」と人に薦めることもある。それともこの文章には隠された何か深いものがあるのか。 又吉直樹は初読なので、ほかのものを読んでみる。
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又吉の書いた新書だから、という理由で購入。いまいちピンとくる内容ではなかった。期待しすぎたのかな。東京百景が良かっただけに、なんだか拍子抜け。
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劣等生だった、でも文章を書かせたら頭が良いことがわかる。それは、読書量と読んできた本の種類、物事を深く考える特性から生まれた頭の良さ。イエモンがカッコ良いと思う感性は一緒だから、私も太宰と芥川龍之介をちゃんと読んでみようかな。
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