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夜を乗り越える の商品レビュー

3.9

213件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

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  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    7

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2024/09/22

1日で読み終えてしまった。それくらい読み易い本。又吉の自意識と他人からの期待の乖離に書かれており、非常に共感できた。また、なぜ本を読むのかという疑問について独自の視点から書いてあり成程と思った。この本を最後まで読んで俺も暫くは夜を乗り越えて行ける、そう感じた。

Posted byブクログ

2024/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前半、少年時代 後半、著者が好きな作家について、本を読む理由 前半はスラスラ読める、後半は知ってる本だとより面白いはず。 又吉さんのラジオをよく聞くので、そのトーンで話してる感じで本を読めたのが良かった。 私も太宰治、芥川龍之介、など又吉お勧め本を読んでみたい。 全体として表現に誇張なく素直で人間らしくて、好み。 犬が苦手、のワードがあったが、その理由はあとに述べつつ、犬の命は愛してる けど過去にこんなのことがあって、と述べる。 とにかく、いろんな本が出てくるので、メモメモ。

Posted byブクログ

2024/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人生を通じて直面する困難や悩みに対し、著者がどのように本を通じてこれに向き合ってきたのか、整理された一冊。本を読む意義や目的が、散りばめられるように綴られており、共感する箇所も多かった。と、本を読む側の観点も多分に語られているが、個人的に興味深かったのは、著者が本を書く側に回った特にどのような点に留意しているか、創作という過程を通じてどのような視点を獲得してきたのか、という点。特に以下にも記載している「内容以外の、本の文章の雰囲気も伝えることを意識して書きました」や「本当に俳句を鑑賞しようと思ったら作ってみないとわかりませんでした」といった箇所は、曲がりなりにも作品を世に出したことがある身として、深く頷ける記述であった。創作という過程を通じて、つくる側としてあれこれ身体的に考える中で、より本や他者に対して想いを馳せることができるのだと、改めて感じた。やはり、本を沢山読んで頭でっかちになる/自分の考えに固執するのではなく、より柔軟に優しくなれればよいなと思う。 特に印象に残った箇所は以下 「『人間失格』は僕にとって、一番頭の中でしゃべっている小説でした。内容もさることながら、頭の中でずっとしゃべっている人達がいる。ずっと考えている人達がいると知れたことが、僕は本当に嬉しかった。僕だけではなかった。みんなひとりで考え、悩み、行動している」(p.29) 「もちろん、そこから強引に自分の答えを探すような読み方はしませんが、あらゆる小説に触れることによって、視点を増やすことができました。自分を肯定してくれるものばかりではありません。自分とよく似た思考の登場人物が、おもしろくない人として罵られているような作品もあります。だから僕はもっともっと本をよまなければなりませんでした」(p.54) 「内容以外の、本の文章の雰囲気も伝えることを意識して書きました。著者と読者を繋ぐこと。読む人も様々ですから、本当それぞれが持っている感覚や求める密度とどう繋げるか」(p.74〜75) 「俳句を作ることによって、他の方が作った俳句を読むのが楽しくなりました。最初僕は「鑑賞の仕方を教えて下さい」と言っていました。作るのは無理だからと。しかし、本当に俳句を鑑賞しようと思ったら作ってみないとわかりませんでした」(p.88) 「わかっていることをわかっている言葉で書かれていても、あまり共感はしません。言葉にできないであろう複雑な感情が明確に描写された時、「うわ、これや!」と思うんです。正確には「これやったんや」と思っているのかもしれません。自分の心の中で散らかっていた感情を整理できる。複雑でどうしようもなかった感情や感覚を、形の合う言葉という箱に一旦しまうことができるのです」(p.114) 「自分は世界のひとつであってすべてではない。世界には無数の視点が存在している。その中から自分の答えを見つければいい。そもそも答えは簡単に出ない。本はそのことを教えてくれます。その先にきっとそれぞれの道があると思います」(p.140) 「太宰は昔の自分の考えていたことを、実はそこまで恥ずかしいとも思っていなかったんじゃないでしょうか。その瞬間、その年齢の自分が下した判断を疑っていなかったのだと思います」(p.191) 「『東京八景』の中にある「人間のプライドの窮極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか」という言葉がすごく好きです。太宰のすべてを表している言葉のように思えます」(p.196) 「とにかくいっぱい書いて無意識のうちに出てきた言葉に自分を託すか、もしくは歩き続けて自分の考えをゼロにして聞こえてくるものに反応するか。そうやって自分の外に出るものを作らなければ、自分が見てきたものや考えたことがあるものにしかなりません。それでは六十五点どまりです。百二十点出そうと思ったら自分だけじゃ無理です。自分を何かをぶつけたり、他のものに託す。僕は自然に託すのが最も力が強いんじゃないかと思っています」(p.242〜243)

Posted byブクログ

2024/07/12

芥川賞作家・又吉直樹さんが、本を読む事について真正面から論じている本。 又吉さんによれば、本を読むのは一言で言えば、面白いから。読書好きの方には納得の答えかもしれません。僕も大納得しました。 どんな本も、人と同じように輝くような個性があり、面白い。そう思います。 そして特に印...

芥川賞作家・又吉直樹さんが、本を読む事について真正面から論じている本。 又吉さんによれば、本を読むのは一言で言えば、面白いから。読書好きの方には納得の答えかもしれません。僕も大納得しました。 どんな本も、人と同じように輝くような個性があり、面白い。そう思います。 そして特に印象に残ったのが、なぜ簡単な表現も出来るはずなのに文学は複雑な言い回しをするのかといった文脈の中で、「簡単な表現にしてしまうと複雑なものが可哀想ですよ」と又吉さんが述べていた箇所です(うろ覚えで、細かい所が間違っていたらすいません)。 又吉さんの文学への深い眼差しと愛情を感じました。 何より秀逸な、「夜を乗り越える」というタイトル。 誰の人生の中にもきっとある、孤独な夜を共に乗り越えてくれた珠玉の本たち。 数々の名作本に、思わず感謝したくなりました。 そして今日もまた、本のページを繰ります。 まだ見ぬ最高の「面白い」を求めて。

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2024/07/07
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‣ 本は僕に必要なものでした。本当に必要なものでした。自分を不安にさせる、自分の中にある異常と思われる部分や、欠陥と思われる部分が小説として言語化されていることが嬉しかった。「自分は変ではない。あるいは、人なんてみんなどこか変な面があるのだ」と知ることができました ‣ 人生は決して長くない。短めに寿命を設定してその限られた時間で何をやるか決める。生き延びたら、また設定し直す ‣ 「ガリ勉」とか「文化人」と呼ばれる人やそれに類する人を馬鹿にしていいという社会通念はなんなのでしょう。そういう人たちが生き難い世界は嫌なんです ‣ 僕はおもしろいと思うものが読めて幸せだし、今後も読み続けていきたいので、素晴らしい才能の作家さん達が自分の創作活動に手応えを感じて頂けるように、読者として「これはおもしろいのだ」と全力で言い続けたいというスタンスです ‣ 自分は世界のひとつであってすべてではない。世界には無数の視点が存在している。その中から自分の答えを見つければいい。そもそも答えは簡単に出ない。本はそのことを教えてくれます ‣ いつの時代にも、その時代時代で切実なことはあります。近代文学が描いた葛藤を、今の時代でもきっと書けると思っています。もっと複雑な葛藤になるかもしれません ‣ 早くゴールに辿りつくことはできない。前向き思考の本に書いてある安易な答えに飛びついても、誰も結果に責任は取ってくれません。小説の主人公は迷っている。答えを出そうと必死になっている。僕たちもそれを辿る。そして考える ‣ 本の中に答えはない。答えは自分の中にしかない ‣ 一部の言葉だけを抜きだ出しても小説の素晴らしさはわかりません。それが小説の素晴らしさでもあります。すべてを読んできたからこそ、その一行が刺さります。体験できます ‣ 小説に期待しすぎるのは嫌なんです。蝶々は人間を喜ばそうと思って飛んでるわけではないし、人間も本来は誰かを喜ばすために生きているわけではありません。ただ、いるだけです ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 『夜を乗り越える』 なんて素敵なタイトルなんでしょう

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2024/07/05

最近、又吉さん見ないのは気のせいか? 又吉さんの小説は読んだ事ある。また出してくれないかなぁ。 本当、本好きなだけあるよなぁ。 こういう新書的な本も楽しんで読める。 それに、又吉さんが言ってると、太宰も芥川も読んでみたくなる。 読んだことはあるけれど、最近読んで無いからなぁ...

最近、又吉さん見ないのは気のせいか? 又吉さんの小説は読んだ事ある。また出してくれないかなぁ。 本当、本好きなだけあるよなぁ。 こういう新書的な本も楽しんで読める。 それに、又吉さんが言ってると、太宰も芥川も読んでみたくなる。 読んだことはあるけれど、最近読んで無いからなぁ。 又吉さんという人間の魅力みたいなのが凄くあって、何となく気になってみてしまう存在なんだよなぁ。

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2024/06/17

2024.06.16 私のBlueskyより転載。 『夜を乗り越える』又吉直樹 #読了 読書って賢くなくて、賢ぶらなくていいんだって確認が出来て良かった。もっと近代文学も読んでみたくなった。太宰治の『人間失格』は読んだことがあった(のも又吉さんきっかけだったかも)が、『斜陽』は...

2024.06.16 私のBlueskyより転載。 『夜を乗り越える』又吉直樹 #読了 読書って賢くなくて、賢ぶらなくていいんだって確認が出来て良かった。もっと近代文学も読んでみたくなった。太宰治の『人間失格』は読んだことがあった(のも又吉さんきっかけだったかも)が、『斜陽』は未読なので読みたい。 amzn.to/4eqMzUo #読書 #PR #読書好きさんと繋がりたい #小学館

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2024/05/13

「本を読むこと」に対する又吉さんの客観的な視点が言語化されていて、大人になって読書の面白さにやっと気付かされた僕はさらに本読みに対する興味と奥深さが広がった。「読書の面白い点は、作者や主人公の視点に立って今までと違う自分の視点を作り、思考の幅を広げること」と記されているが、僕が尊...

「本を読むこと」に対する又吉さんの客観的な視点が言語化されていて、大人になって読書の面白さにやっと気付かされた僕はさらに本読みに対する興味と奥深さが広がった。「読書の面白い点は、作者や主人公の視点に立って今までと違う自分の視点を作り、思考の幅を広げること」と記されているが、僕が尊敬している人が仰っていたこととほぼ同じだった。このような読み方をしてこれなかったから、まだまだ自分も読書を深く楽しめる余地があるように思う。 後半は又吉さんが作者ごとに本の魅力を解釈してくれている。これからの読書へのワクワクを増幅させてくれてもはや感謝しているかも笑

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2024/03/28

20代のころ、又吉さんの影響を受けて、中村文則さんや西加奈子さん太宰修など、結構読みました。そして、また、読もうかなと思いました。紹介されてた、他の方のも。

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2024/03/28

本をたくさん読んできた又吉だからこそ、小説の中のキャラクターやそれを書いた時の作者の気持ちを繊細に捉えていて、その能力こそ、彼が日常において他者を思いやる優しい気持ちに繋がっているのだろうなーと思う。人間として深い人だなぁ。心に残る言葉がたくさんあり、だから私は又吉が好きなんだな...

本をたくさん読んできた又吉だからこそ、小説の中のキャラクターやそれを書いた時の作者の気持ちを繊細に捉えていて、その能力こそ、彼が日常において他者を思いやる優しい気持ちに繋がっているのだろうなーと思う。人間として深い人だなぁ。心に残る言葉がたくさんあり、だから私は又吉が好きなんだな、と改めて思った。

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