あとかた の商品レビュー
この著者さんを読むのは2作目。 前回読んだ高レビューの本は私には全く響かなくてレビューすら書かなかったけれど、この本は好き本だった。 読んでよかった。 ふくらはぎまで、生ぬるいヌルヌルした水でがんじがらめにされてるような登場人物たち。 でも空からはたしかに微かに光が降りていて。...
この著者さんを読むのは2作目。 前回読んだ高レビューの本は私には全く響かなくてレビューすら書かなかったけれど、この本は好き本だった。 読んでよかった。 ふくらはぎまで、生ぬるいヌルヌルした水でがんじがらめにされてるような登場人物たち。 でも空からはたしかに微かに光が降りていて。 将来をどうしていくのかは日々の選択で変わってくるよね 光を見つけることが出来る環境とか自身のモチベーションとか偶然や必然の出会いとか。 みんながみんな、光を見つけられるわけでもない。 いろいろ私の人生も振り返ってしまいました。 オムニバス形式で、いろんな人の人生が絡んでるストーリーです。 1人の自死を選んだ男性から派生する人々のその後。 光が見える最後の2作品が私は好きでした
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短編集かと思ったら、1人の男で繋がってたんだと最後の最後で気づく。ちょっとわかりづらかった(私の読解力が低い)
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各章ごとに主人公は変わるけれど、登場人物が連鎖していく連作短編小説。内容は不倫とか、昼ドラみたいなちょっとドロドロ系っぽいけど、案外スラスラ読み進められた。
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短編集をあまり読み慣れていないが、連作集だったので世界観に没入しやすかった。各話主人公が異なり、視点が変わるので各々の思考・嗜好を味わえるのは短編の面白さだと思う。 性別・年齢・学歴が様々な人物たちの価値観の癖を理解できるくらいには、自分は大人になった気がする。ひとつ目の「ほむ...
短編集をあまり読み慣れていないが、連作集だったので世界観に没入しやすかった。各話主人公が異なり、視点が変わるので各々の思考・嗜好を味わえるのは短編の面白さだと思う。 性別・年齢・学歴が様々な人物たちの価値観の癖を理解できるくらいには、自分は大人になった気がする。ひとつ目の「ほむら」は難しかったので、まだまだガキだなとは思いつつ。 学生時代に、「大学4年の卒業前に自分が死んだら葬儀の参列者は最多になるに違いない」と思ったけど、死んだらそこでみんなの記憶が止まり忘れ去られるだけなので、生き続けた方が「あとかた」は残せるんだろう。良くも悪くも
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ゆらゆらと掴みどころがなく得体の知れないモテオジリーマンが突然自殺するシーンがあって、ちょっと想像がつかなかったね。社会に疲弊しきって自殺するようなオジサンってもうちょっとこう、かっこよさとはあんまりかけ離れたイメージあるけど、この物語の中の彼はなんかめちゃくちゃモテてましたよ。...
ゆらゆらと掴みどころがなく得体の知れないモテオジリーマンが突然自殺するシーンがあって、ちょっと想像がつかなかったね。社会に疲弊しきって自殺するようなオジサンってもうちょっとこう、かっこよさとはあんまりかけ離れたイメージあるけど、この物語の中の彼はなんかめちゃくちゃモテてましたよ。そういうもんなの?知らんけど。 いくつかの短編から成る本書でしたが、その自殺オジをはじめとして短編同士に共通して現れるキャラが何人かいて、そうやって話を跨いで登場する人達は何故かみんな揃って現実離れした性格でした(すれ違う男がみな振り返るほどの美少女が元同級生の高学歴男子大学生の家に居候しててセフレとか連れ込んでるけど、何故か家主の彼とはセックスしてなくて変にピュアなやり取りするくだりはラノベぽかった、作者女性なのに)。 全体的に読みやすい文章で、舞台となってる場所の地名が明言されてないから日本のどこにでもある小都市内の出来事として想像が容易く(それこそ作者出身の江別ぽさもあるし)、感情移入しやすいつくりになってるのは上手いと思いました。自分は固有名詞ゴリ押ししてる方が好きだけどね、そういえば最近知ったんだけど舞城作品によく出てくる福井県の西暁って地名、実在しないんだって。マジかよ。
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2013年に島清恋愛文学賞を受賞した作品です。 この賞は芥川賞や直木賞に比べると、あまりメジャーではないですが恋愛小説から選ばれる賞で、有名な方々が受賞されてます。 六つの短編集ですが、連作形式なので前作に登場した人物が次の話の担い手になってます。 好きな人になかなか本心をさらけ...
2013年に島清恋愛文学賞を受賞した作品です。 この賞は芥川賞や直木賞に比べると、あまりメジャーではないですが恋愛小説から選ばれる賞で、有名な方々が受賞されてます。 六つの短編集ですが、連作形式なので前作に登場した人物が次の話の担い手になってます。 好きな人になかなか本心をさらけ出せない、自身をみせてしまうと嫌われてしまうかも、という気持ちはわかるなぁと思いながら、色んな形の恋愛を表現できる千早さんの文章は素敵だなと思いました。
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【かたち】にとらわれた登場人物が葛藤していく連作短編集。 それぞれが思う生き方や考え方の【かたち】があって、その【かたち】にはまることの安心感や、はまらないことでの虚無感が痛々しく描かれていました。人間の内面を上手に描く千早さん、さすがです!
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千早茜さんが好きで、過去作品をを読むべく手に取った1冊。 10年前の作品なのか… 湿気の多い雨の季節のような、 肌にじとっとまとわりつく湿っぽさが凄まじい。 テーマもテーマなので、これは好き嫌いが分かれるかもしれない。 短編集だけど登場人物が繋がっているので、 様々な人の視点か...
千早茜さんが好きで、過去作品をを読むべく手に取った1冊。 10年前の作品なのか… 湿気の多い雨の季節のような、 肌にじとっとまとわりつく湿っぽさが凄まじい。 テーマもテーマなので、これは好き嫌いが分かれるかもしれない。 短編集だけど登場人物が繋がっているので、 様々な人の視点から他の場面の事実が描かれ、 そういうことだったのかと後から気付く。 人って本当に都合が良い。 とにかくさらっと読めてしまう。扱う内容的にこの軽さがちょうど良い。 そして表現の繊細さはやはり秀逸。 食事の描写も、エッセイを読んだ後なのでなおのこと注目してしまった。 何気なく登場する花の花言葉が意味を持っていたり、とにかく細かい。 エッセイを読んだ後だからこそ、この著者はきっとここまで…と思って読んだけど、まさにその通り。 他作品もぜひ読みたい。
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読みやすくスルスル読めました。 全体的に暗くて切なくて…その雰囲気が好きでした。 うろこは比較的明るい内容でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
薄く関わりあった短編集。1番好きだったのは「うろこ」。なんとも健気な雰囲気で終わる。ガリベン君とハーフの美女はこの先結ばれるのだろうか。ずっとガリベン君は傷ついたこのこが捨てたコンタクトレンズを拾っていて欲しい。
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