あとかた の商品レビュー
ゆらゆらと掴みどころがなく得体の知れないモテオジリーマンが突然自殺するシーンがあって、ちょっと想像がつかなかったね。社会に疲弊しきって自殺するようなオジサンってもうちょっとこう、かっこよさとはあんまりかけ離れたイメージあるけど、この物語の中の彼はなんかめちゃくちゃモテてましたよ。...
ゆらゆらと掴みどころがなく得体の知れないモテオジリーマンが突然自殺するシーンがあって、ちょっと想像がつかなかったね。社会に疲弊しきって自殺するようなオジサンってもうちょっとこう、かっこよさとはあんまりかけ離れたイメージあるけど、この物語の中の彼はなんかめちゃくちゃモテてましたよ。そういうもんなの?知らんけど。 いくつかの短編から成る本書でしたが、その自殺オジをはじめとして短編同士に共通して現れるキャラが何人かいて、そうやって話を跨いで登場する人達は何故かみんな揃って現実離れした性格でした(すれ違う男がみな振り返るほどの美少女が元同級生の高学歴男子大学生の家に居候しててセフレとか連れ込んでるけど、何故か家主の彼とはセックスしてなくて変にピュアなやり取りするくだりはラノベぽかった、作者女性なのに)。 全体的に読みやすい文章で、舞台となってる場所の地名が明言されてないから日本のどこにでもある小都市内の出来事として想像が容易く(それこそ作者出身の江別ぽさもあるし)、感情移入しやすいつくりになってるのは上手いと思いました。自分は固有名詞ゴリ押ししてる方が好きだけどね、そういえば最近知ったんだけど舞城作品によく出てくる福井県の西暁って地名、実在しないんだって。マジかよ。
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2013年に島清恋愛文学賞を受賞した作品です。 この賞は芥川賞や直木賞に比べると、あまりメジャーではないですが恋愛小説から選ばれる賞で、有名な方々が受賞されてます。 六つの短編集ですが、連作形式なので前作に登場した人物が次の話の担い手になってます。 好きな人になかなか本心をさらけ...
2013年に島清恋愛文学賞を受賞した作品です。 この賞は芥川賞や直木賞に比べると、あまりメジャーではないですが恋愛小説から選ばれる賞で、有名な方々が受賞されてます。 六つの短編集ですが、連作形式なので前作に登場した人物が次の話の担い手になってます。 好きな人になかなか本心をさらけ出せない、自身をみせてしまうと嫌われてしまうかも、という気持ちはわかるなぁと思いながら、色んな形の恋愛を表現できる千早さんの文章は素敵だなと思いました。
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恋愛をテーマにした連作短編集。千早茜とは過去作品で相性があまり良くないと思っていたものの、本作はどの話にも共感できる部分があり、割とすらすらと読むことができた。読むタイミングによって感じ方が大きく変わる、そんな六つのお話のように感じられた。
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【かたち】にとらわれた登場人物が葛藤していく連作短編集。 それぞれが思う生き方や考え方の【かたち】があって、その【かたち】にはまることの安心感や、はまらないことでの虚無感が痛々しく描かれていました。人間の内面を上手に描く千早さん、さすがです!
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千早茜さんが好きで、過去作品をを読むべく手に取った1冊。 10年前の作品なのか… 湿気の多い雨の季節のような、 肌にじとっとまとわりつく湿っぽさが凄まじい。 テーマもテーマなので、これは好き嫌いが分かれるかもしれない。 短編集だけど登場人物が繋がっているので、 様々な人の視点か...
千早茜さんが好きで、過去作品をを読むべく手に取った1冊。 10年前の作品なのか… 湿気の多い雨の季節のような、 肌にじとっとまとわりつく湿っぽさが凄まじい。 テーマもテーマなので、これは好き嫌いが分かれるかもしれない。 短編集だけど登場人物が繋がっているので、 様々な人の視点から他の場面の事実が描かれ、 そういうことだったのかと後から気付く。 人って本当に都合が良い。 とにかくさらっと読めてしまう。扱う内容的にこの軽さがちょうど良い。 そして表現の繊細さはやはり秀逸。 食事の描写も、エッセイを読んだ後なのでなおのこと注目してしまった。 何気なく登場する花の花言葉が意味を持っていたり、とにかく細かい。 エッセイを読んだ後だからこそ、この著者はきっとここまで…と思って読んだけど、まさにその通り。 他作品もぜひ読みたい。
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読みやすくスルスル読めました。 全体的に暗くて切なくて…その雰囲気が好きでした。 うろこは比較的明るい内容でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
薄く関わりあった短編集。1番好きだったのは「うろこ」。なんとも健気な雰囲気で終わる。ガリベン君とハーフの美女はこの先結ばれるのだろうか。ずっとガリベン君は傷ついたこのこが捨てたコンタクトレンズを拾っていて欲しい。
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千早茜さんの本が好きで読んだ。 やっぱり面白かった〜恋愛のリアル、共感できるところが結構あった 特に「うろこ」が好きだった
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なにかしらのかたちを欲しがってしまうよねー、ほんと とても好きだったので他の作品も読んでみようと思いました
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とっても好きな作品でした。 結婚適齢期になって周りが次々と結婚していくなか焦る気持ちや、収入の安定しない形で夢を追う夫婦を「可哀想」に思いながらも羨む、とある女性の気持ち。家庭環境に難がありながらも必死に勉強をして有名国立大学に進学したものの、本当の自分を見られている気がしなくて...
とっても好きな作品でした。 結婚適齢期になって周りが次々と結婚していくなか焦る気持ちや、収入の安定しない形で夢を追う夫婦を「可哀想」に思いながらも羨む、とある女性の気持ち。家庭環境に難がありながらも必死に勉強をして有名国立大学に進学したものの、本当の自分を見られている気がしなくて、少しでも努力を怠れば自分が自分でなくなってしまうかもしれないという漠然とした不安と付き合っている男子大学生の気持ち。……そんな彼らの心情描写があまりに生々しく、自分を重ねて読んでしまいました。 不倫を描いたお話も多かったですが、読み終えた後には不思議と暖かさが広がるような心地がしました。 連作短編集となっていて、一話ごとに別話の登場人物が垣間見える瞬間にも、ワクワクしながら読むことが出来ました。
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