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よこまち余話 の商品レビュー

4.3

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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2024/05/28

後半に行くにつれて、どんどん気になって先を急ぎたくなる気持ちと、まだまだこの世界に浸りたい気持ちとないまぜになりました。大好きな世界観です。 この世の中に、この世のものではないものが混じり合う感じは「家守綺譚」を思い出しました。あの本もとっても良かった。 この本はそれ以上に人が人...

後半に行くにつれて、どんどん気になって先を急ぎたくなる気持ちと、まだまだこの世界に浸りたい気持ちとないまぜになりました。大好きな世界観です。 この世の中に、この世のものではないものが混じり合う感じは「家守綺譚」を思い出しました。あの本もとっても良かった。 この本はそれ以上に人が人を思いやる気持ちに溢れていると思いました。 もう今はいない誰かのことを思い出しました。

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2024/05/03

こういうお話は好み。この人の時代ものは空気感まで伝わる。ちょっと驚かされるたびに恐いもの見たさで止められない。

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2024/03/09

2016年発行、中央公論新社の単行本。帯の惹句にも関わらず、最初は明治ぐらいの長屋の日常を描いた小説かと感じた。最初の方からいくつか不思議は描かれているにも関わらず。それぐらい不思議は前近代の日常であるかのように書かれている。中盤から後半、この不思議がじわじわと効いてくる。このよ...

2016年発行、中央公論新社の単行本。帯の惹句にも関わらず、最初は明治ぐらいの長屋の日常を描いた小説かと感じた。最初の方からいくつか不思議は描かれているにも関わらず。それぐらい不思議は前近代の日常であるかのように書かれている。中盤から後半、この不思議がじわじわと効いてくる。このようなところになつかしさを感じ、そして最後に出てくる女性に懐かしさを感じるべき話なのである。 備考:初出「リンカラン」2007年1、3、5、7、9~08年10月号、単行本化にあたり、大幅に加筆、修正、

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2023/09/21

その路地には秘密が漂っている――魚屋の次男・浩三は、同じ長屋のお針子・齣江を通じ、「いつかの人々」と出会うことに。 凄く良かった。霞がかった長屋に紛れ込んだよう。 齣江と老婆がなんだか奇しい感じなのだが何故かはわからないまま物語は浩三の日々で進んでいく。 やんちゃだけど聡い浩三...

その路地には秘密が漂っている――魚屋の次男・浩三は、同じ長屋のお針子・齣江を通じ、「いつかの人々」と出会うことに。 凄く良かった。霞がかった長屋に紛れ込んだよう。 齣江と老婆がなんだか奇しい感じなのだが何故かはわからないまま物語は浩三の日々で進んでいく。 やんちゃだけど聡い浩三と優しく儚さのある齣江の日々が浩三にある予感を芽生えさせる。 読み終えたときに哀しいと同時に暖かい気持ちに… ちょっと時代がかった背景が素敵な作品にしていました♪

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2023/07/28

17篇からなる小さな話が少しずつ進んで、最後にあー、読んで良かったと思えた作品だった。登場人物は多くを語らないけど相手の心情を思いやる間が心地良かった。1つ1つの話に心に沁みる会話があった、再読したい本。

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2022/10/23

夢の中にいたよう。世俗的な人物もいる。地に足着いた堅実な人物もいる。悩みながら一生懸命生きている人たちと、不思議な次元にいる人たちとの交流。大切に読み返したい本。

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2021/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 木内昇「よこまち余話」、2016.1発行。短編連作17話。長屋に住む人々の暮らし。なんとも不思議な雰囲気の世界が広がっていました。私にはよくわからない作品でした。

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2021/04/27

なんとも しみじみしたものが ゆったり余韻として 気持ちに心地よく滲みだす 読後感 あぁ この感覚は 梨木果歩さんの作品の時と よく似ているなぁ と 思ったり 人の暮らしの中にある どうにもできない苛立ち なんとかしたかった思い なんともできないあきらめ それらを そっと掌...

なんとも しみじみしたものが ゆったり余韻として 気持ちに心地よく滲みだす 読後感 あぁ この感覚は 梨木果歩さんの作品の時と よく似ているなぁ と 思ったり 人の暮らしの中にある どうにもできない苛立ち なんとかしたかった思い なんともできないあきらめ それらを そっと掌に掬って 余剰豊かにつむいでいくと こんな物語に なるのでしょうね さかたきよこさんの 表紙絵がまた素晴らしい

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2021/03/13

「よこまち余話」木内昇。2016年、中央公論社。 素晴らしかった。好きです。 木内さんは「茗荷谷の猫」がなンと言っても最高に好きだったのですが、上回りました。 「櫛挽道守」「光炎の人」「球道恋々」、近作全てハイクオリティですが、なかでも「よこまち余話」は、いちばん”匂い”があっ...

「よこまち余話」木内昇。2016年、中央公論社。 素晴らしかった。好きです。 木内さんは「茗荷谷の猫」がなンと言っても最高に好きだったのですが、上回りました。 「櫛挽道守」「光炎の人」「球道恋々」、近作全てハイクオリティですが、なかでも「よこまち余話」は、いちばん”匂い”があって、ここち良い”音”がする小説でした。 (好みによって、地味と言えば地味ですが) 備忘にメモっておくと、昭和初期なのか、大正なのか?くらいの時代の、恐らくは東京の下町辺りの長屋のお話し。 齣江さん、という訳ありげな40がらみの裁縫屋、向かいの長屋にする老婆、同じ長屋に住む魚屋の浩一と浩三(と、その母親のおかみさん)、あたりが主な登場人物。 ドウということの無さそうな、「繊細だけどこじんまりした、ウェルメイドな長屋ものか?」という風情を漂わしながら、「この世とあの世」なのか、時代の時間軸なのか、不思議な往来がミステリアスかつエンタメたっぷりに描かれつつ。 木内昇サンが凡百の作家と違うのは、そんなこんなが実に”凜として”背筋の伸びる上品さ。 それは、そんなエンタメの向こうに伝えたい”匂い”や手触りがはっきりしてるからなんでしょうね。 それぞれに、いわゆる現世で片腕をちぎられるような想いを残してきた名も無き女性たちの、その「片腕をちぎられるような痛みや悔しさ」を。なんというか、春まだ来らじ肌寒い朝の、圧巻な梅の匂いのような見事さで陶然と味わう読書の快楽。 本当に、心温もり泣けてくるとはこのことだ、というラストに脱帽。 と、言う感想も、もう若くない読者のみが感じるモノかも知れませんが…。でも、木内昇さんを同時代に読める幸福。本当にこの作家は凄いと思います。文章、言葉もタマりません。(もちろん、それがいちばんの要素なんですが)

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2021/01/30

【収録作品】ミカリバアサマの夜/抜け道の灯り/花びらと天神様/襦袢の竹、路地の花/雨降らし/夏が朽ちる/晦日の菓子/御酉様の一夜/煤払いと討ち入り/猿田彦の足跡/遠野さん/長と嵩/抽斗のルーペ/まがきの花/花よりもなほ/夏蜜柑と水羊羹/はじまりの日

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