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よこまち余話 の商品レビュー

4.3

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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2016/11/19

ページを捲る毎に感じることになるだろう、上質の物語に触れる愉悦を。 そして読み終えて本を閉じるときに感じるだろう、読書という至福を。 傑作「櫛引道守」から3年…木内さん待望の新作は首を長くして待った甲斐のある素晴らしさ。隙のないきっちりとした連作短編、しかし読み進めるうちに一本ま...

ページを捲る毎に感じることになるだろう、上質の物語に触れる愉悦を。 そして読み終えて本を閉じるときに感じるだろう、読書という至福を。 傑作「櫛引道守」から3年…木内さん待望の新作は首を長くして待った甲斐のある素晴らしさ。隙のないきっちりとした連作短編、しかし読み進めるうちに一本また一本と糸がほつれていくような違和感を抱きながらもラストにはそのほつれた糸が美しい布に仕立て直されて… 具体的には何も語ることはしないでおこうと思う、真っ新な気持ちでお話に浸ることがこの本の真髄だから。 紛うことなき今年のマイベスト

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2016/11/15

CLAMPのxxxHOLICの雰囲気です。 妖しげで、レトロな雰囲気。 どんぴしゃで好みでした。 着物の着付け、習おうかな。

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2016/10/13

とは言っても、そこは今と繋がっているようなそうでもないような… その長屋にゆっくりと流れる時間が、それぞれひつようなのだと思う。

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2016/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どのような内容か知らなかったが、木内昇ということで読んでみる。個人的にはファンタジーはあまり好まないが、細部にリアリティを感じる。 季節の中で夏だけが終わるというのと、質屋の矜持が素敵。

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2016/09/24

木内昇さん、初めて読みました。 読み終わってじんわりと心が温かくそして少し切なくなる物語でした。 神社の石段の近くにある、昔ながらの古い長屋を舞台に 登場するのは感性の鋭い人・鈍い人、頭の切れる人・ぼ~っとした人からこの世の人ともわからぬ人まで 皆が今日一日を大切に生きる愛おしい...

木内昇さん、初めて読みました。 読み終わってじんわりと心が温かくそして少し切なくなる物語でした。 神社の石段の近くにある、昔ながらの古い長屋を舞台に 登場するのは感性の鋭い人・鈍い人、頭の切れる人・ぼ~っとした人からこの世の人ともわからぬ人まで 皆が今日一日を大切に生きる愛おしい存在として描かれています。 物語が進むにつれ、薄紙を剥すように徐々に見えてくるのは 時空を超えるほどの、諦めきれぬ思い。 その一途な思いがまっすぐに読む者の胸に響きます。 お気に入りの作家さんがまた一人増えてとてもうれしい♪

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2016/09/12

いい話だなぁとじんわりとした読後感があった。時代ははっきりしないが、昔の長屋に住む人々のちょっと不思議な物語。お針子・齣江を軸に様々な人が絡んでいく人情物語だが、どれもしっとりとそして時に切なくも優しい話になっている。その幻想的なふわりとした世界観がとても居心地良く心に残る作品だ...

いい話だなぁとじんわりとした読後感があった。時代ははっきりしないが、昔の長屋に住む人々のちょっと不思議な物語。お針子・齣江を軸に様々な人が絡んでいく人情物語だが、どれもしっとりとそして時に切なくも優しい話になっている。その幻想的なふわりとした世界観がとても居心地良く心に残る作品だった。

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2016/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

めっちゃ、よい。 木内さん、やっぱ好きです。 ところでノボル、じゃなくてノボリさんだったのね、と今更きづく。 長屋がなんたらと始まったので江戸ものかな、と思いきや、その空気を残しつつも、もうちょい後の方の時代のよう。 質屋の親子の話がよかった。 胸にしみる。 じわ~じわわ~~っと、くる。 影がしゃべったりするのは、ちょっと浩三が感性の鋭い子だという表現なのかなっと思ったりもしたんだが、 ちらりちらりと不思議が姿をみせ、ああ、そーゆー感じのおはなしなんだなーーっと納得。 時を戻ってでも会いたい人、かあ。 切ない、切ないよう。 天狗が未来の浩三の姿をおっかさんにみせてくれたシーンもしみじみあったかかった。 その姿を大事に大事に胸におさめるおかみさんの様子が、いいなあって。これまたじわ~じわわ~っとくる。 糸屋の若旦那はヒトリ、なんだかちょっと分かってない扱いされてますが、大高さんの言葉が いつか分かる日もくるんじゃないかなーっと思ったりもする。 木内さんのじんわりにじむ人の機微を描くのがうまいよなあ。

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2016/07/30

江戸の下町ものかと思っていたら、大正になってもこんな風情や人情は残っていたのでしょう。齣江さんの慎ましやかな佇まいが美しい。浩三少年との交流がいいですね。トメさんちの壁の穴の話が面白いのですが、あの穴が大きくなって出てくると森見登美彦の世界ですね。(笑) 人情ものかと思ったら静...

江戸の下町ものかと思っていたら、大正になってもこんな風情や人情は残っていたのでしょう。齣江さんの慎ましやかな佇まいが美しい。浩三少年との交流がいいですね。トメさんちの壁の穴の話が面白いのですが、あの穴が大きくなって出てくると森見登美彦の世界ですね。(笑) 人情ものかと思ったら静謐なファンタジーでした。

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2016/07/28

木内昇の描く時間軸は案外としなやかで、過去と今が途切れなく繋がっていることをやんわりとした口調で思い出させてくれるのが常だ。それだから、過去の出来事を分かり易い形で切り取って芝居仕立てで語る歴史物とは一線を画していて、昨日も今日もなく日々の中に連綿と続く何でもない出来事が本当は奇...

木内昇の描く時間軸は案外としなやかで、過去と今が途切れなく繋がっていることをやんわりとした口調で思い出させてくれるのが常だ。それだから、過去の出来事を分かり易い形で切り取って芝居仕立てで語る歴史物とは一線を画していて、昨日も今日もなく日々の中に連綿と続く何でもない出来事が本当は奇跡のような出来事なのだという凡そ歴史小説からは味わうことのないよう感慨が湧く。例えば「茗荷谷の猫」で展開するような時間軸に沿ってのみ移動する視点は、過去と今との多重露出のような効果を生んで、重なり合う日常的な営みを否が応でも意識させる。しかし、それが、つまり一方向にしか流れない時間が、錯綜することがないことを読むものはどこまでも意識しないではいられず、決して直接触れ合うことはないという事実に哀愁を覚える。それがこれまでの木内昇の常套手段でもあったと思う。その意味ではこの本の木内昇はこれまでとは随分と違う。何しろ空想科学小説並みに時間の流れが淀むのだ。 とはいえ、いつもの木内昇の文章から受ける印象が大きく変わるわけではない。読むものは時間の流れの生み出す理不尽さをより強く意識するだけのこと。最終的に大きな流れはやはり不可逆的な事象なのだ。だからといって全てが虚しい訳ではなく、日常は日常として意味を失ったりはしない。全てのことに大袈裟な後知恵の理屈があるように思えたり、物事が必然的に展開するように見えても、歴史はそんな風にして作られるのではなくて、ひとつひとつの営みが大きな糸に束ねられるようにして流れて行くだけ。後から見える景色に真実がある訳ではない。その事はこの「よこまち余話」でもやはりしんしんと伝わってくる。 市井の営みに拘り続けるように見える木内昇の価値観にまたひとつ大きく頷く。

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2016/07/27

多分、明治時代の東京下町、時間が前後し、過去現在未来が入り交じり、不思議な世界が作られる長屋を舞台にした短編連作。 最初読み始めはなかなか物語の雰囲気、風景、世界がイメージしづらかったが、読み進めていくうちに、不思議世界に私自身取り込まれていくようで作品の世界に浸ることが出来た。...

多分、明治時代の東京下町、時間が前後し、過去現在未来が入り交じり、不思議な世界が作られる長屋を舞台にした短編連作。 最初読み始めはなかなか物語の雰囲気、風景、世界がイメージしづらかったが、読み進めていくうちに、不思議世界に私自身取り込まれていくようで作品の世界に浸ることが出来た。不思議世界と言っても、ホラーやおどろおどろしい雰囲気ではなく、「花伝書」に書かれた世界観、能の幽玄の世界等が軸となり、やさしくおぼろげな霞の中の世界といった感じをもった。そこには悲恋が絡んでおり、それも読者を悲しいながらもふわりと心の奥に落ち着いていくストーリーになっている。

Posted byブクログ