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よこまち余話 の商品レビュー

4.3

59件のお客様レビュー

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2016/07/26

東へ行けば天神様のお社。 西へ行けばお屋敷の土塀。 その間にある長屋に暮らし、針仕事を生業とする齣江。 老婆と魚屋の次男は齣江の家に上がり込み日々を暮らす。 不思議なことがあっても、それ以上踏み込んではいけない。幻想的な世界観に大満足の一冊。

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2016/07/24

木内昇さんの作品を読んだのは初めてだったけれど、かなり私好み(*´∀`)♪普通の長屋で暮らす人達の日常に不思議な事が…(゜゜;)でも嫌な話ではなく、暖かくて、切なくて、胸にじ~んとくる(*´-`)これは文庫化したら絶対買う!そして他の木内昇さんの作品も読みたい!(^o^)

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2016/07/21

齣江と、その向かいに住む老婆、隣の魚屋の息子達。 想いを残し逝った人、残された人達の、この世でのリカバリー。4.5

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2016/07/16

浩三の言葉を借りれば、 どこからか芯のしっかりした それでいて儚い光を伴った粒子が集まってきて、 一つ一つの物語を私に見せてはまた散っていく。 とてもきれいだった。 どの話もみとれてしまった。 一昔前の、ある長屋に住んでいる人々の連作短編集。 読んで改めてこの本との縁は…と...

浩三の言葉を借りれば、 どこからか芯のしっかりした それでいて儚い光を伴った粒子が集まってきて、 一つ一つの物語を私に見せてはまた散っていく。 とてもきれいだった。 どの話もみとれてしまった。 一昔前の、ある長屋に住んでいる人々の連作短編集。 読んで改めてこの本との縁は…と思いをめぐらします。 とどまることなく流れていく時間の中、 周囲が変化しても時代が変わっても 自分の粒子として持つべきものが きれいな情景の中にぽつんぽつんと置かれてました。 トメさんの言葉が粋です。 読書ノートはほぼ、トメさんの言葉です。 「能」には全く興味なかったですが、 『花伝書』に挑戦してみたくなる一冊です。 難しいですけど、「色即是空」の言葉も もっと深められるようにならないと いけないなと思います。   夏が過ぎる前に、夏の見送り方を知り 今年からそうせねばと気合い入りました。 大好きなお話ばかりでした。見つけた感が半端ないです☆

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2016/07/08

素敵な本だった。 文章がとてもきれいで少しずつ、大事に丁寧に読みたくなる本だった。 時空を超えた不思議なあたたかい話だと簡単にいえば、そうなのだけど、もっとこう心に残る懐かしい感じ。 うまく言えないけど、とにかく素敵な本だった。

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2016/07/04

少し不思議な雰囲気のあるお針子、齣江を取り巻く日常を書いた短編集か…と思いながら読み始めましたが、途中からこの世とあの世、現在?過去?未来?ちょっとした隙にあらゆる世界が混ざり合った幻想的な空間に引きずり込まれた感覚になりました。過去にやり残した事や忘れられない愛しい人。自分の周...

少し不思議な雰囲気のあるお針子、齣江を取り巻く日常を書いた短編集か…と思いながら読み始めましたが、途中からこの世とあの世、現在?過去?未来?ちょっとした隙にあらゆる世界が混ざり合った幻想的な空間に引きずり込まれた感覚になりました。過去にやり残した事や忘れられない愛しい人。自分の周りにもそんな未練を持った人が紛れ込んで生活していたりして…なんて事をふと想像してみた読後でした。

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2022/02/11

粋で江戸の風情を漂わせる世界はますます洗練されていき、話芸のような、心地よいリズムに浸れました。ところが、なんの説明もなくふと紛れ込む世界が、またぞくぞくするほど新鮮で、鮮烈でした。 しかも、どれが現実のひとなのか、ここは異界なのか、現(うつつ)なのか、読み手は木内さんの思うがま...

粋で江戸の風情を漂わせる世界はますます洗練されていき、話芸のような、心地よいリズムに浸れました。ところが、なんの説明もなくふと紛れ込む世界が、またぞくぞくするほど新鮮で、鮮烈でした。 しかも、どれが現実のひとなのか、ここは異界なのか、現(うつつ)なのか、読み手は木内さんの思うがままに翻弄されるのです。その心地よさ。 木内さんのあたらしい世界に触れて、ますます楽しみな作家さんです。また、そこはかとない、でもニヤニヤしてしまうユーモアにもはまりました。 「少しずつ姿を変える日々の営みの中に、ふと立ち上がる誰かの面影。確かな手応えを刻む、先人の記憶。時を声、人々の思いは積もる。懐かしい露地に季節がめぐるとき、彼女は再び彼と出会う。」 この帯の文章が、この本の世界を言い得て妙でした。

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2016/06/12

読み終わってみれば、ややファンタジーが混じっているのかもしれないが、登場人物がしっかりした実在感をもっていて、不自然さは全くない。 人々がそれぞれに対して持つ想いがしっとりと描かれ、読了後しみじみとした余韻を味わえる。

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2016/06/09

浩三の暮らす路地裏の長屋には、お針子で暮らす齣江や皮肉屋の老婆が住んでいた。影と話ができる浩三が出逢う不思議な世界の物語。行間から情感があふれる静謐な雰囲気の漂う上質な人情物。

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2016/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この作家の作品を手に取ると、好きなお酒か、カクテルかをゆっくりチビチビ楽しみなから読みたいと思ってしまう。 短編集かと思いきや、全てつながるタイムトラベラー?の話。 時代は、明治に入り日清日露戦争前の江戸の名残を残すころ。 長屋の仕立て屋のお駒さん宅日露集まる人達で、物語が進む。魚屋の女将さん、息子が二人、トメ婆さん、糸問屋さんの若旦那、不思議な集金人雨降し、、、。 序盤に、長屋の人達が能を観に行く。 それが大きな布石。魚屋の次男坊、浩三が中学に行きたいと思っている。それを長屋の仲間、家族が支える人情編を展開。魚屋の長男が月の晦日に楽しみに通う和菓子屋親子も人情編の良い味付け。 話は、浩三が知り合った中学の先輩が登場すると、ぐっとタイムトラベラー物語になって行く。 折角、花伝書まで出したから、タイムトラベラーと能の幽玄をもう少し書いて欲しかったけど、雰囲気は出てた。 ふわり、さらりとした日本語で、不思議な世界を描くから、余り理屈を書くと不味いのかしら?

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