チェインドッグ の商品レビュー
鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人犯(主に16~18歳の高校生を男女問わず監禁・拷問のち殺害)、榛村大和からのものだった。驚きの手紙の内容とは…? なんて恐ろしい、けれどどうしようもなく惹きつけられる小説なんだろう。現実にも凄惨な事件は溢...
鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人犯(主に16~18歳の高校生を男女問わず監禁・拷問のち殺害)、榛村大和からのものだった。驚きの手紙の内容とは…? なんて恐ろしい、けれどどうしようもなく惹きつけられる小説なんだろう。現実にも凄惨な事件は溢れているのだから、せめて小説はハートウォーミングを読みたいと常々思っているのに、櫛木作品は読み始めたら最後。どっぷりと人間の毒と闇に取り込まれてしまう。 この本の持つ引力は、榛村大和というシリアルキラーの人物像そのものだと思った。
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日本版レクター博士爆誕! - 櫛木理宇「チェインドッグ」 ★★★★☆ 日本版レクター博士爆誕です。 ありがりな血縁的な話に見せかけて、狂っているぞ。詳しく書けないのが残念ですが、見事です。 個人的には、エピローグが好きじゃない。 とにかく読みやすい。グイグイ進みます。 9件目も...
日本版レクター博士爆誕! - 櫛木理宇「チェインドッグ」 ★★★★☆ 日本版レクター博士爆誕です。 ありがりな血縁的な話に見せかけて、狂っているぞ。詳しく書けないのが残念ですが、見事です。 個人的には、エピローグが好きじゃない。 とにかく読みやすい。グイグイ進みます。 9件目も榛村が犯人だとした、警察・検察の立証がないのがもったいない。そこがないので、「明らかに違うジャン」ってなっちゃっう。せめて被害者の年齢だけでも合わせればいいのに。
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胸糞だが、おもしろかった。 最後まで楽しませてくれた。 筆者は男性なのか女性なのか? なんとなく女性だと思って本書を手に取った。 私と同じ新潟出身ということも、読む前には親近感を持っていた。 が、しかし。 こんな怖い話を書ける人には全く親近感を持てない(褒め言葉)。 榛村(...
胸糞だが、おもしろかった。 最後まで楽しませてくれた。 筆者は男性なのか女性なのか? なんとなく女性だと思って本書を手に取った。 私と同じ新潟出身ということも、読む前には親近感を持っていた。 が、しかし。 こんな怖い話を書ける人には全く親近感を持てない(褒め言葉)。 榛村(はいむら)大和(やまと)という名前は、ジキルとハイドのハイド(=悪意)を意識した名前なのだろうか。 表紙の少女は、私は加納灯里だと思ったのだが、ネット検索しても定かでなかった。
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大学生の雅也のもとに、稀代の連続殺人犯 榛村から届いた手紙。起訴された9件の殺人のうち、1件は冤罪だと訴える彼に頼まれ、雅也は事件の詳細や榛村の過去を探り始める。 現状に不満をもつ者や自分に自信がない者、そんな人間の自尊心や心の弱さをくすぐり、懐にするりと入り込み、思うままに操...
大学生の雅也のもとに、稀代の連続殺人犯 榛村から届いた手紙。起訴された9件の殺人のうち、1件は冤罪だと訴える彼に頼まれ、雅也は事件の詳細や榛村の過去を探り始める。 現状に不満をもつ者や自分に自信がない者、そんな人間の自尊心や心の弱さをくすぐり、懐にするりと入り込み、思うままに操る。 10代の少年少女を残虐な手口で殺したことよりも、他人を支配するその手腕にゾッとする。 この作品、文庫化にあたって『死刑にいたる病』と改題されたそう。個人的には『チェインドッグ』のほうがジワジワと怖い感じがしてしっくり来る。
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現実に嫌気がさしている大学生のもとに、実家の近所のパン屋さんから手紙が届いた。彼は稀代のシリアルキラー。「連続殺人は認めるが、最後の1件は冤罪だ。それを証明してくれないか?」 あらすじだけでかなり面白そう。ちょこちょこグロくてそこは読み飛ばしたけど実際面白くて半日でさくっと読了。...
現実に嫌気がさしている大学生のもとに、実家の近所のパン屋さんから手紙が届いた。彼は稀代のシリアルキラー。「連続殺人は認めるが、最後の1件は冤罪だ。それを証明してくれないか?」 あらすじだけでかなり面白そう。ちょこちょこグロくてそこは読み飛ばしたけど実際面白くて半日でさくっと読了。 サイコパス、という言葉は最近よく聞くようになったけど、これほどまでかと衝撃。怖すぎる。 人の心を掴めるのは共感することができるからでは?というのは、違う。掴んでいるのではなく誘導している。高い知能で他人のコンプレックスを見抜いて、うまく仕組んでいく。 ネタバレ怖いからあれだけど、ラストはなんとなく分かっていてもぞわっとしますね。久々のイヤミス。 しかし、彼がなぜあんなことをするのか解せない。意味がないというか。 他人を使って遊ぶのが楽しいだけなのか、もっと他に意味があるのか。 そんなことして何がしたいの?というところにこだわってしか生きられない彼が、かわいそうだとも思った。 これ、「彼女」主人公で続編というかスピンオフがあったらぜひ読んでみたい…。さらなるイヤミスになってしまう予感がするけども。
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たまたま手に取った本だけど、面白かった!当たりだったなと思いました。 最後に灯里が『ある人に言われたの……』のとこでまさか!?と思ったけどやっぱり!だった。
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つまらなくはないけれどまったく惹きこまれることはなく・・・。浦沢直樹『Monster』というコミック(力作!)あり。
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図書館本。 櫛木理宇にしてはそこまで胸クソ悪くはない。 むしろなんというか清々しいくらい。 見事にやられたという感じか。 櫛木理宇は胸クソ悪さを求めて読むので期待外れというかそういう気持ちでもあるのだが、コレはこれでかなり面白かった。 マインドコントロール系では寄居虫女が胸クソ悪くてよかったし、これは晴れ晴れしい感じでよかった。 結末まで読んでなるほどこうきたかと。 榛村の清々しいまでのクズっぷり。 雅也の見事なコントロールされっぷり。 読んでる僕も見事に榛村に騙されてしまった。 いやあ面白かった。
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初読作家。カバーの帯に「優しかったのは、ひとりの連続殺人犯だけだった。」「抜群のリーダビリティ。巧妙にして悪魔的なプロット!綾辻行人、戦慄。」んーぐいぐい来ますな。早く読みたい衝動に駆られ、結局一気読み。読後の気持ち悪さは何とも表現しがたい。でもこの終わり方嫌いじゃないな。主人公...
初読作家。カバーの帯に「優しかったのは、ひとりの連続殺人犯だけだった。」「抜群のリーダビリティ。巧妙にして悪魔的なプロット!綾辻行人、戦慄。」んーぐいぐい来ますな。早く読みたい衝動に駆られ、結局一気読み。読後の気持ち悪さは何とも表現しがたい。でもこの終わり方嫌いじゃないな。主人公がどんどん変わっていってしまうようで怖かった。ぞくぞくした。読みながら「ダメだ。そっちにいったらダメだ」と心の中で呟く自分がいた。常人には理解し難い、サイコパスの本質を垣間見た。
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