チェインドッグ の商品レビュー
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実は1年前、【死刑にいたる病】の映画を観ていた。 穏やかに話す阿部サダヲが印象的で、話の内容も面白いなあと思った記憶がある。 そして今。 やっと原作である本作品を手に取り読んでみた。 ある意味《主人公》である榛村の容姿が映画と原作で異なっている(決して悪い意味では無い)以外は映画は原作に忠実で、映画の内容をより細やかに書いてあり分かりやすい。 櫛木理宇の作品を読むのはこれが初めてだったが、癖のない文に想像力を掻き立てる描写、魅力的なキャラクターに読む手が止まらずほぼノンストップで読み終えた。 その後出た感想は、ため息だった一つである。 それは読み終えた達成感か、或いは脱力感か、失踪感か。いや、やはり榛村に対する魅力に対する物だろう。 この本を読み終えた時点で 彼の行動を雅也と共に追った時点で 私たちは彼に魅了されていたのだ。 それはもう、どうしようもなく。 「きみの手を握れたらいいのにな」 そう彼に微笑まれたら、私はその手を握れないことを残念に思うだろう。そうして鎖に繋がれた彼の《犬》になるのだ。 これからこれを読むきみへ 気をつけた方がいい。 ページを開いたその瞬間から、 彼の手はきみの方へと伸びていくのだから。
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これは「死刑にいたる病」です。 読み始めて何か読んだことがあるなぁと思って調べたら、文庫化される際にタイトルが「死刑にいたる病」になったらしく、内容は全く同じでした。 せっかく借りたので再読しましたが私のように間違って手にとってしまう人が出ないように記載しておきます。
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連続猟奇殺人で死刑になるであろう容疑者をめぐるミステリー。 この容疑者・榛村が根っからの人たらしで、本人もそれを自覚しているため、恐ろしい事件が次々と起こった過去が明らかになり、戦慄します。 榛村のような人の心に入り込むんで支配するのがうまい人、実際にいるよな…と思います。 そう思って、自分は雅也側の人間なんだろうな…と思い、ゾッとしました。 これからも、榛村のような人に出会わないことを祈ります。 雅也は榛村の手から逃れたように思われましたが、エピローグの記述からまだ悪夢は続きそうなことがありありと伝わり、ただただ震え上がるばかりです…。 映画化の情報を見聞きして興味を持った作品ですが、こんな猟奇的な展開、エログロが苦手なのでとても見られやしない…!と思いました。 どこまで原作に忠実に実写化したのかは、ほんの少し気になりますが…。
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装丁の感じから私を魅了することはなかったのだが、今回図書館が整理期間ということで末席に参列した。 いつの時代も期待を裏切らない櫛木さん。これは2015年出版の作品。なかなか心理的に猟奇的で面白い。あの一世を風靡した「羊たちの沈黙」のレクター博士みたいな。囚人との面会を経るたび、...
装丁の感じから私を魅了することはなかったのだが、今回図書館が整理期間ということで末席に参列した。 いつの時代も期待を裏切らない櫛木さん。これは2015年出版の作品。なかなか心理的に猟奇的で面白い。あの一世を風靡した「羊たちの沈黙」のレクター博士みたいな。囚人との面会を経るたび、その心は操られる。共感して殺人を犯すか、正気を取り戻すかの2択しかない終わり方を想像していた。が、そこはさすが櫛木さん。まさかそっちにも…多くは語るまい。 シリアルキラーものは個人的に好き。共感は出来ないが虐待や傷付けるシーンは秀逸。 そして他の人のレビューを見て、これがあの「死刑にいたる病」の原題だと知った。読みたいと思っていた1冊を知らぬ間に手に取っていた…まさかマインドコントロール!?
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雅也とともに冤罪の犯人を探し、榛村に共感するかのように読み進められた。 いい意味で裏切られ、面白かった。 人が話す他人の印象を信用することの恐ろしさを感じることができ、そういう面では参考にもなったかも。
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「死刑に至る病」を読みたかったが、タイトルが違うだけで中身は同じようだったので、こっちを読んだ。 数十年経っても、当たり前のように金山の情報を収集していた泰村にゾッとした。 とても静かにサラッと書かれていたが、ここが1番怖かった。 雅也は泰村の呪縛から逃れられたが、灯里は、、、 たとえ逃げることができても、逃げた場所はすでに泰村の支配下かもしれない。 鎖が伸びただけで、鎖自体には繋がれた状態を想像した。 ひとつ気になったのは、面会をしている時に会話のメモを取る係の人は「なにやってるんだこいつら?」とはならないのだろうか? 連続殺人鬼として有名になった泰村が大量に手紙を出したり、差出人たちが次々にやってきて話し込んでたりすれば、少しは怪しむ気持ちも生まれそうだが、、、 さすがに野暮か。
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まだ映画を見ていませんが、大好きな阿部サダヲさんが犯人を演じられるということで注目をした一冊です。設定から、阿部サダヲさんではない様な気はするのですが、獄中で、動きもできない中で、表情だけで微妙な感情の動きを演じたり、圧倒的な存在感を出せたりできるのが、阿部さんくらいしかいない...
まだ映画を見ていませんが、大好きな阿部サダヲさんが犯人を演じられるということで注目をした一冊です。設定から、阿部サダヲさんではない様な気はするのですが、獄中で、動きもできない中で、表情だけで微妙な感情の動きを演じたり、圧倒的な存在感を出せたりできるのが、阿部さんくらいしかいないと、監督さんが判断しての起用なのかな?とか、勝手に想像してました。 美青年のイメージとは遠いですが、(もう一度書きますが、阿部サダヲさんは一番好きな俳優さんですが…)、サイコパスなら意外性がなく面白くないとも言えます。 この犯人の執着心と、その執着を持ち続け、行動に移せるパワーがすごいなと感心してしまいました。面倒にならないのかな、って思って。 この作家さんの、1番のことを毎回[いっとう]って書くところとか、少し言葉のクセが気になりました。情景描写などは潔いほど殆どなく、筋に集中できて、面白かったです。
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こちら改題されたのが『死刑に至る病』 獄中から人を操るとゆー映画で観たことあるよーなストーリー。 うん。確かにサイコパス って魅力的だったり引き込まれる人が多かったりするみたいだよね。 エピローグの先が読みたいねー
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