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何者 の商品レビュー

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1320件のお客様レビュー

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2015/08/18
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読書日数 5日 4人大学生の男女が、自分のそれぞれの思いで就活をしていく中で「何者」になっていくのか向かい合いながら過ごしていくというストーリー。 主人公はとかく「他人を分析して、それを「自分ではない何者」になって批判する」といった、よくいる(私もそうかも)人間なのだが、そういった「他人を評価する」だけの人生を送っているようでは、結局は何者にもなれないということに気づき、最後には「自分はカッコが悪い」と認めて、それを今後に生かそうと前向きになっていく。 twitterの「裏アカウント」についての言及や、今の大学生の周りで巻き起こっている「就活」について勉強になった。こういった気持ちでつぶやくのかとかも、大いに参考になった。 「どんなに頑張っても『何者』にもなれない。自分でしかない、ダサいカッコ悪い自分を理想に近づけることしかできない」 この言葉が心に刺さった。他人を評価したり分析したりする時間を「自分を分析する時間にあてて」、考え続けて「自分がどうありたいのか」ということを毎日必死で考えていくこと。これが大事なのである。

Posted byブクログ

2015/08/17
  • ネタバレ

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面白いと思う。 初、浅井リョウ作品。 就職活動をよく描きながら、その中でそれぞれの学生をよく描いているし、上手く表現していると思う。 理香さんはそういうと、テーブルの上に広げられていた模擬ESをさりげなく裏返して立ち上がった。 (P53) →ベンチャーを受けすぎて本番前に疲れるやつがいるという会話の中で理香さんがとっさにやった行動がうまく表現できている。 まだ実際には働いたことない人たちにエントリーシーみせてアドバイスもらって、それってなんか意味あんの? (P72) →理香さんの彼氏の隆良のことば。  確かになと思った。   就職活動において怖いのは、そこだと思う。確固たるものさしがない。ミスが見えないから、その理由がわからない。 (P183) →落とされるのが面接だと数値化できない為、理由がわからない。就職活動をよく表現している。 知らないの?メールアドレスからツイッターのアカウントって検索できるでしょ? (P201) →こわいこわいw 自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分にしか近づけることしかできない。 みんなそれをわかってるから、痛くてカッコ悪くたってがんばるんだよ。 (P301) →理香さんを陰でばかにしていた事がばれるがそれを知りながら理香さんは就活をしていた。

Posted byブクログ

2015/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ひと言でいうと「面白かった」です。 夢中で読みました。 私は本書に出てくる学生さんたちとは、親子ほどの年齢差があるのですが、どこか、昔の自分たちが抱えていた問題を思い出しました。 しかし、現在の若者たちの抱える事情とは違うのかもしれません。 それでも、将来の不安や未来の不確かさはいつの世も、その時代時代で現れるのかもしれません。 今の就職活動というのは、本当に難しいものなんですね。 エントリーシートというのは最近知りました。 履歴書とはまた違うものなんですね。 物語の登場人物の、一人ひとりの抱える問題が、痛く苦しい。切ないです。 P202~204のサワ先輩の台詞が沁みます。 インターネットが普及し、いまや携帯電話&スマートフォンで簡単に繋がれる時代。 SNSの短い文章で表現しきれない、行間にある思いをくみ取れるかどうか。 引用ーーー 『ほんの少の言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと』 引用終わりーーー これに頷くことしきりです。 SNS、使いようによっては爆弾を抱えることになるな。

Posted byブクログ

2015/08/16

ツイッターなどのSNSを取り入れているところは新しいが、ストーリー展開などはそれほどでもなかった。最後の2章の展開はさすがではあったが。

Posted byブクログ

2015/08/16

自分の中の傍観者的な部分をえぐられた。わたしもカッコ悪いです。認めることから始めます。ヒラメがきちんとさばけて、薄づくりが出来るまで師匠に習おう。それができてから、批判します。

Posted byブクログ

2015/08/16

単純に、おもしろいと思う。 今の若者の考え方とか生き方とか、そういうものをうまく描いてて、読んでて思い当たる節があって、そういうところも面白かったり。 ただ、今のおじさんおばさんが読んでもわからないかもなぁ、と。

Posted byブクログ

2015/08/15

これまで読んだ朝井リョウ作品の中では一番面白かった。直木賞受賞も納得の傑作だと思う。 主人公は就職活動中の大学生、拓人。彼とその仲間たちとの就活模様が、現代の若者の等身大の視点で語られる。本作はいわゆる「いまどき」の語り口で展開するが、不思議と軽い印象は受けなかった。きっと登場...

これまで読んだ朝井リョウ作品の中では一番面白かった。直木賞受賞も納得の傑作だと思う。 主人公は就職活動中の大学生、拓人。彼とその仲間たちとの就活模様が、現代の若者の等身大の視点で語られる。本作はいわゆる「いまどき」の語り口で展開するが、不思議と軽い印象は受けなかった。きっと登場人物たちの自意識から吐き出される毒がいいアクセントとして機能しているからなんだろうな。 拓人の発する言葉に読者も共感を覚えながら読み進めるわけだが、そこに罠があった。まったくもって朝井さんは人が悪い。それでもこの小説の凄いところは、ラストである人物が放った言葉が、読者だけではなく著者自身に突き刺さることをも躊躇していないところにあると思う。朝井さんがtwitterをやっていることを抜きにしても。 イタくてカッコ悪い姿であがき続けたっていいじゃないか。小説から発せられたメッセージがダイレクトに自分の中で響いたのは久しぶり。いい作品に出会えた。

Posted byブクログ

2020/10/26

著者は平成元年生まれ。直木賞受賞作。就職活動を目前に控えた大学生5人を中心に話が展開していくが、ツイッターの書き込みを織り交ぜ、登場人物の心情が吐露されて、変化とスピード感を楽しめる。いまどきの就職活動が改めて理解できるし、若者の本音や自意識、行動パターンが分かり面白い。最後の展...

著者は平成元年生まれ。直木賞受賞作。就職活動を目前に控えた大学生5人を中心に話が展開していくが、ツイッターの書き込みを織り交ぜ、登場人物の心情が吐露されて、変化とスピード感を楽しめる。いまどきの就職活動が改めて理解できるし、若者の本音や自意識、行動パターンが分かり面白い。最後の展開も意外感があり目が離せない。この作家の作品をもう少し読みたいと思った。

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2015/08/15

本作品は朝井リョウの直木賞受賞作品です。就活時期を迎えた大学生達のリアルな心情を描いています。物語は主人公である拓人が周りを俯瞰し、冷静に分析する形式で進んでいきます。 その分析は的確で、私もSNS上で表現される文章に対する意見などは共感し、読み進めました。しかし、最後に著者で...

本作品は朝井リョウの直木賞受賞作品です。就活時期を迎えた大学生達のリアルな心情を描いています。物語は主人公である拓人が周りを俯瞰し、冷静に分析する形式で進んでいきます。 その分析は的確で、私もSNS上で表現される文章に対する意見などは共感し、読み進めました。しかし、最後に著者である朝井リョウに首を掴まれ、大衆の前に出された気持ちになりました。お前今まで、主人公に共感したよなと。本当に恐ろしくて、でもこういう本読みたかったと思える作品でした。

Posted byブクログ

2015/08/15

みんな各々考えた上での行動であって、最終的な選択肢は一面的なもの それが結果的には周りと同じ行動であっても、そこに至るまでの背景は人それぞれ だから、周りと同じだからとか、表面的だからとか、痛々しいとか、そんなことで判断しちゃいけないのだと思う 少し離れて否定する人よりは、行動し...

みんな各々考えた上での行動であって、最終的な選択肢は一面的なもの それが結果的には周りと同じ行動であっても、そこに至るまでの背景は人それぞれ だから、周りと同じだからとか、表面的だからとか、痛々しいとか、そんなことで判断しちゃいけないのだと思う 少し離れて否定する人よりは、行動している人のほうが、少なくとも覚悟を決めている

Posted byブクログ