何者 の商品レビュー
ひん曲がった、なよなようじうじ考え過ぎる、いわゆる「ゆとり世代」が抱く感情の表現力に関して、朝井さんの右に出る者はいないと思う。 自分と重なる部分が多すぎる。 人を否定することで、自分を肯定する。 まさに、私のことじゃないか。 だからといって、嫌われたって別にいい。 分類されても...
ひん曲がった、なよなようじうじ考え過ぎる、いわゆる「ゆとり世代」が抱く感情の表現力に関して、朝井さんの右に出る者はいないと思う。 自分と重なる部分が多すぎる。 人を否定することで、自分を肯定する。 まさに、私のことじゃないか。 だからといって、嫌われたって別にいい。 分類されても私は負けない。
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就活の頃のピ特有のリピリした感じを思い出しました。受験よりも人間性を評価されてるから、本当に精神的に疲れる時期だったなぁと。こういう人いるよなー!!イタイわーって思って読んでたら、最後にそんな汚い心をもった自分を批判されるような展開でドッキリ。 自分はこんなことしてないかなーって...
就活の頃のピ特有のリピリした感じを思い出しました。受験よりも人間性を評価されてるから、本当に精神的に疲れる時期だったなぁと。こういう人いるよなー!!イタイわーって思って読んでたら、最後にそんな汚い心をもった自分を批判されるような展開でドッキリ。 自分はこんなことしてないかなーってドキドキ考えちゃったりもしました。 面白かったなぁー。
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snsが普及してる現代を舞台にしてて、のめり込みやすかった。 就活というテーマの中で各登場人物のドロドロとした感情や、ツイッターであるあるな出来事など、あまりにもリアルで途中読んでて苦い気持ちになりました。でもそこがまた面白い。 金銭的な面でどうしても働かなくちゃいけない、家族...
snsが普及してる現代を舞台にしてて、のめり込みやすかった。 就活というテーマの中で各登場人物のドロドロとした感情や、ツイッターであるあるな出来事など、あまりにもリアルで途中読んでて苦い気持ちになりました。でもそこがまた面白い。 金銭的な面でどうしても働かなくちゃいけない、家族の面でもちょっとした問題を抱えた女の子の「だからね、頑張らなくちゃいけないんだ。」って言葉が印象に残っています。 誰もが持つような嫉妬、蔑み、葛藤やらをこれでもかと文章化した、ある意味面白い小説。
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まぁ、よくここまで就活のことを抉り取って書けたなぁ~という話でした。直木賞というのもこれは納得。 就職活動をわざわざ「就活」と略してイベント化している雰囲気がある昨今ですが、就活を取り巻く人間模様が客観的に見ていて面白い。そんな語り手と同じ(客観的な)視点で読んでいたら、最後は…...
まぁ、よくここまで就活のことを抉り取って書けたなぁ~という話でした。直木賞というのもこれは納得。 就職活動をわざわざ「就活」と略してイベント化している雰囲気がある昨今ですが、就活を取り巻く人間模様が客観的に見ていて面白い。そんな語り手と同じ(客観的な)視点で読んでいたら、最後は…言葉が胸に刺さりました。 今の「就活」を経験した方ならきっと共感ができる一冊でした。
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20151103 いやぁ!参った!やられた!朝井さんすごいです。最後ゾクゾクしながら読みました。 今年就活を経験した私には、読むのが辛すぎました。就活中に読んでたら最後まで読み進められないんじゃないじゃないかってくらい、就活での人の心のドロドロが至る所に散りばめてあります。 読み...
20151103 いやぁ!参った!やられた!朝井さんすごいです。最後ゾクゾクしながら読みました。 今年就活を経験した私には、読むのが辛すぎました。就活中に読んでたら最後まで読み進められないんじゃないじゃないかってくらい、就活での人の心のドロドロが至る所に散りばめてあります。 読みながら、主人公の拓人みたいなことを就活中に私もしてたな、と改めて感じさせられました。というか、突きつけられた。ツイッターとフェイスブックはやってなかったものの、自分も皆と同じように就活してるのに、俯瞰していたい、周りのことなんて気になりません、みたいな。今思えば虚勢張りすぎでした。恥ずかしい。はあ。 それにしても朝井さんすごいです。なにがすごいって、「こういう人いるいる!」って人のツイッターでの発言のリアルさ。どの人物を取ってもそう感じました。 何かを表現するってことは、(たとえそれがツイートでも)恥ずかしいことだ!と、前にテレビで星野源が松尾スズキさんに言われたと言っていたことが腑に落ちた気がしました。だからこうして書いていることも本当はすごく恥ずかしいことなんだと思います。 まあでも、解説から引用すれば「別にそんなことどうでもよくないー。楽しければいいじゃーん」のであって、「ツイッターに、何書いても死ぬわけじゃなくねー?」なので、きっと大丈夫です。
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『短い言葉を使って俺たちは日々を過ごしている。そんな日々を記録して発信していくために、最低限の言葉で自分を表現するために、捨てた言葉と拾った言葉たちがある。』 『何のためにとか、誰のためにとか、そんなこと気にしている場合じゃない。本当の「がんばる」は、インターネットやSNS上の...
『短い言葉を使って俺たちは日々を過ごしている。そんな日々を記録して発信していくために、最低限の言葉で自分を表現するために、捨てた言葉と拾った言葉たちがある。』 『何のためにとか、誰のためにとか、そんなこと気にしている場合じゃない。本当の「がんばる」は、インターネットやSNS上のどこにも転がっていない。すぐに止まってしまう各駅停車の中で、寒すぎる二月の強すぎる暖房の中で、ぽろんと転がり落ちるものだ。』 『ほんとうにたいせつなことは、ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、どこにも書かない。ほんとうに訴えたいことは、そんなところで発信して返信をもらって、それで満足するようなことではない。』 『なんでもないようなことを気軽に発信できるようになったからこそ、ほんとうにたいせつなことは、その中にどんどん埋もれて、隠れていく。』 『ほんとうのことが、埋もれていく。手軽に、気軽に伝えられることが増えた分、ほんとうに伝えたいことを、伝えられなくなっていく。』 「短く簡潔に自分を表現しなくちゃいけなくなったんだったら、そこに選ばれなかった言葉のほうが、圧倒的に多いわけだろ ー だから、選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表してるんだと思う」 「十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。これから目指すことをきれいな言葉でアピールするんじゃなくて、これまでやってきたことをみんなに見てもらいなよ。」 「頭の中にあるうちは、いつだって、何だって、傑作なんだよな ー お前はずっと、その中から出られないんだよ」 「ダサくてカッコ悪い自分を理想の自分に近づけることしか、もう私にできることはないんだよ ー ダサくてカッコ悪い今の自分の姿で、これでもかってくらいに悪あがきするしかないんだよ、もう」 『十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。百点になるまで何かを煮詰めてそれを表現したって、あなたのことをあなたと同じように見ている人はもういないんだって。』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このレビューを入力しているのは すっかり秋ですが この作品を読んでいたのは夏でした。 なので、記憶もおぼろげで 読み終わった瞬間に感じた想いは ちょっと遠のいていますが。苦笑 手に取ったきっかけは、 私が今年、新卒の採用担当に異動になったので。 選考に進んでくれているみんなの気持ちを 少しでも感じたくて読んでみました。 (果たして本人たちがこの作品のような感情を抱いてたのかは定かではありませんが。苦笑) 前置きが長くなりましたが… 朝井さんの作品は「桐島、部活やめるってよ」以来でした。 やっぱり、ひとつかふたつ仕掛けを隠してくれていました。 最後に「!!!」と思ったのと同時に、なんか虚しくなりました。 感じ方は人それぞれで、これ以上内容に触れるとネタバレになると思うので控えます。 物語の登場人物たちは就活生たち。 それぞれが「希望」や「やりたいこと」があるなか 「生活」や「事情」、「未来」を抱えながら 就職活動をしていく。 いっせーので始まる選考。 みんな仲間でお互いを応援しあっているはずなんだけど 焦りや劣等感、優越感、色んな感情が混じり合う中で 純粋な仲間ではいられなくなっていく。 さすが朝井さん。 きっと私が大学生だったら読まなかった。笑 なんかボキャブラリーがないことがくやしいけど、 気持ち悪いしムカつくし、たぶん手に取りたくないと思います。苦笑 ただ、面接をしていて感じるのは 「伝えたいこと」と、 その人の「本音」は少し違うところにあるのかなあと思います。 SNSやツィッターなど、 情報はどんどん入ってくるし 自分も発信しやすいツールがたくさんあって。 もう、「周囲」なしでは「個人」が成立しないような時代。 「自分は、幼いころに描いていたような夢を叶えることはきっと難しい。 だけど就職活動をして企業に入れば、 『何者か』になれるかもしれない」 「決して、個人として何者かになることを諦めたわけではない。 スーツの中身までみんな同じなわけではないのだ。」 これって、学生とか関係なくて。 「社会人」として「世間」ていう中にいるけど、 決して「サラリーマン」が全員一緒ではないし、 むしろ埋もれていることや流されていることを 良しとしてないし、しないでほしいし。 とかエラそうですが。笑 私自身も、自信を持てずにいつも不安でいる割には 決断力もないので作中のみんなに自分を重ねていました。 もう30なのに、私も「何者」かになりたくて、日々模索しています。 変身とか自己否定ではなくて、成る、成りたいって感じです。 登場人物たちの10年後はどうなっているんだろう。 とりあえず、私もがんばってあがいたりしているので もがいてぶつかって「何者か」になっていてほしい。
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幼い頃から卑怯で楽な「観察者」の立場を選んでしまいがちな私にとっては、心が抉られる小説。 ずっと、自分ではない何者かになりたかった。どこか遠いところにいけば、新しい経験をすれば、肩書きが増えれば、何者かになれるような気がしていた。 でも実際は何をしても、いつまでたっても、私は卑...
幼い頃から卑怯で楽な「観察者」の立場を選んでしまいがちな私にとっては、心が抉られる小説。 ずっと、自分ではない何者かになりたかった。どこか遠いところにいけば、新しい経験をすれば、肩書きが増えれば、何者かになれるような気がしていた。 でも実際は何をしても、いつまでたっても、私は卑怯で痛々しくてかっこわるくて色んなことがうまく出来ないままだった。 それでも私は今もかっこわるい自分を認められずに、何者かになれる方法を探し続けているような気がする。 劇的な変化はなくても、私は私のままだったとしても、新しい経験や肩書きで、自分が少しずつ変わっていくことを期待している。そしていつか、気づいたら過去の自分よりもいまの自分が少しでも(できれば劇的に)強く優しくなっていたらいいなと思っている。 ラストシーンの主人公は、人の言葉で戦い始めることができた彼は、強くて優しいひとだと思う。 卑怯な私は、少しでも彼のように戦えているだろうか。強く優しい自分になるのを待つのではなく、今の私は私のままで戦い始めなければいけない。怖くてたまらない。
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最後の結末にはドキッとした。 少し恐怖すら感じた。人間の嫌な部分に。 何者にもなれない自分を肯定するために 他人を否定するしかない。主人公が追い詰め られていく様子はまるで自分が追い詰め られていくようなそんな感覚にも思えた。 ひぃ。
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就活が舞台。SNSの自分は何者なのか。ESの自分は何者なのか。 本当の自分とは? 考えさせられるところが多かった。
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