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長いお別れ の商品レビュー

4.2

134件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

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2016/03/13

16/03/12読了 父親が認知症を発症してからの約10年の、妻と子である三姉妹の物語。 妻、お母さんがつよい。普通のおばちゃんなのだけど、彼女の夫に対する態度も心情も、いざ自分の身にふりかかったらそうありたいなと思える現実のいちばんいい形。理想の少し手前。 表題の意味は、孫と先...

16/03/12読了 父親が認知症を発症してからの約10年の、妻と子である三姉妹の物語。 妻、お母さんがつよい。普通のおばちゃんなのだけど、彼女の夫に対する態度も心情も、いざ自分の身にふりかかったらそうありたいなと思える現実のいちばんいい形。理想の少し手前。 表題の意味は、孫と先生の語らいのなかで教えられる。

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2016/05/31

認知症っていずれ他人事ではなくなる気がしていて、重い話かもなぁと思いながらも手に取った。 「小さいお家」を書いた中島さんなら必ずどこかにユーモアがあるだろうと。 それは当たりだった。 親の老いと向き合って過ごす。 それは別れの準備でもあるし、 過ぎてしまえば大切な家族の記憶にかわ...

認知症っていずれ他人事ではなくなる気がしていて、重い話かもなぁと思いながらも手に取った。 「小さいお家」を書いた中島さんなら必ずどこかにユーモアがあるだろうと。 それは当たりだった。 親の老いと向き合って過ごす。 それは別れの準備でもあるし、 過ぎてしまえば大切な家族の記憶にかわる。 呆けてしまえば楽だ、なんて言い方をよくするけれど、痴呆の始まりは日々、何かがわならなくなっていくことの恐怖でもある。 本人が一番怖くて不安な時にどれだけ力になれるかということだ。

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2016/03/07

長いお別れーロンググッバイ、少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかっていくー 認知症患者とその家族が過ごした10年についての本。本来なら深刻に読む内容なのかもしれないが、中島京子が書くとこうなる。なぜか楽観的、あっけらかんとして直接的な重みはない。でも、明るさの中やクスッ...

長いお別れーロンググッバイ、少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかっていくー 認知症患者とその家族が過ごした10年についての本。本来なら深刻に読む内容なのかもしれないが、中島京子が書くとこうなる。なぜか楽観的、あっけらかんとして直接的な重みはない。でも、明るさの中やクスッと笑ってしまうようなエピソードの中に、語られてはいない家族の辛さとその辛さを打ち消してしまうような、日常でも、その日常の記憶を失った人と残される者が共有できる時間や意識の嬉しさというのがにじみ出て、明るくしんみりしちゃう、そんな感じ。 認知症の人と生活することは、ほとんど辛いことに決まってる。そう思うことは、他人事と思っている証拠なのかもしれないけど、自分はその境遇ではないから、そう思わざるを得ないのだけだ、介護

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2016/03/03

最初は痴呆症の父と母娘の会話が面白くて笑ってしまう場面が多かったが、最後の章でグランド校長が痴呆症の事をロンググッドバイと呼ぶんだよの台詞は何と素敵な言葉かと思ったし読んで良かったと思う本でした

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2016/02/19

東さんちの家族小説。とても重い題材ですが、冷静な文章で、楽しくユーモラスに、ときには哀しく、最終的に温かく描かれています。途中からタイトルの意味が見えてきましたが、三姉妹もそうですが、特に曜子さんにとっては、その通りだったのかなと思えます。深い愛情と言ってしまうと陳腐ですが、夫婦...

東さんちの家族小説。とても重い題材ですが、冷静な文章で、楽しくユーモラスに、ときには哀しく、最終的に温かく描かれています。途中からタイトルの意味が見えてきましたが、三姉妹もそうですが、特に曜子さんにとっては、その通りだったのかなと思えます。深い愛情と言ってしまうと陳腐ですが、夫婦間の目に見えないつながりみたいなものに感動です。

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2016/02/15

長年連れ添った夫婦というのは下のお世話も淡々と普段の生活を送るようにやるんだなぁ…と思いました。情が移るというのだろうか?それとも愛情なのだろうか?そこが知りたかったです。 面白かったです。

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2016/02/08

気持ちがあったかくなるところがいっぱいあった。最後の、校長先生と崇くんのお話が特に良かった。 長いお別れってそういう意味があったんだ。

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2016/01/28

医師や介護施設職員って、 ああゆうふうに話すよなあ。 そこは妙にリアルだった。 チャンドラーのハードボイルドは全然関係ないが、 こちらも名作である。 2015 年 第 10 回 中央公論文芸賞受賞作品。

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2016/01/27

じんわりあたためる、炬燵のようないい物語だった。 中学校の校長や図書館長を勤めあげ 退任後に認知症になった、 東昇平さんと家族の十年間の物語。 だんだんと症状がすすんでいく様子を 丁寧な物語に包んでありました。 結構な分量の大変なことも書かれているのに ギスギス感が全くない...

じんわりあたためる、炬燵のようないい物語だった。 中学校の校長や図書館長を勤めあげ 退任後に認知症になった、 東昇平さんと家族の十年間の物語。 だんだんと症状がすすんでいく様子を 丁寧な物語に包んでありました。 結構な分量の大変なことも書かれているのに ギスギス感が全くないんです。 入れ歯騒動や、お父さんの椅子ボタン騒動や 寝室排泄物騒動なども、クスクス笑ってしまいました。 妻の曜子さん、すごいです。 曜子さんのように寄り添ってあげることができれば…。 昇平さん自身もすごいです。 今あるもの出来ることを駆使して、 感覚で相手に伝えていきます。 三女の芙美と父との電話での会話、 とっても温かかったです。 そんなこと言われたら…号泣ですよね。 言葉って意味を超えて、添えた気持ちを届けたり できるんですねぇ。 それと「家へ帰る」とか「嫌だ」とかの発言は そういうこともあるのかも知れないなぁと 色んな場面で考えさせられました。 このラストの描き方も、本の題名もすごく好みです。 「くりまらない」で「ゆーっと」する一冊です。 GPSの名称って、すごいんですね。 私も地球防衛軍を連想してしまいました。

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2016/01/26

アメリカでは、「長いお別れ」というんですね。認知症の父と、介護をする家族の話。重いテーマなのですが、ユーモアたっぷりの文章で、暗くならず、大切なことを伝えてくれている。この家族なら、この先もきっと大丈夫。どういうかたちにせよ、両親の気持ちに沿える形になればいいなと思いました。心が...

アメリカでは、「長いお別れ」というんですね。認知症の父と、介護をする家族の話。重いテーマなのですが、ユーモアたっぷりの文章で、暗くならず、大切なことを伝えてくれている。この家族なら、この先もきっと大丈夫。どういうかたちにせよ、両親の気持ちに沿える形になればいいなと思いました。心が温かくなる作品でした。

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