長いお別れ の商品レビュー
認知症を患った元校長先生と妻の介護。 3人娘のそれぞれの立場の違いから父の接し方 。カリフォルニアに住んでいる 長女が以外に冷静に見えている。 最後のアメリカの校長先生の言葉が優しい 。ロンググッドバイか。 10年の戦いではなくて少しずつお別れ
Posted by
もしかしたら父もそうなるかもと思い昨秋ぐらいに図書館に予約。その間にまさかの父逝去。そして、今ようやく手元に来て読む。 軽いタッチで笑えるような困るような小編が軽いタッチのまま内容が少しずつ重くなり、そして、「うつぶせ」「QOL」は思い当たることもあり考えさせられました。 父は、...
もしかしたら父もそうなるかもと思い昨秋ぐらいに図書館に予約。その間にまさかの父逝去。そして、今ようやく手元に来て読む。 軽いタッチで笑えるような困るような小編が軽いタッチのまま内容が少しずつ重くなり、そして、「うつぶせ」「QOL」は思い当たることもあり考えさせられました。 父は、側にいた母は、どんな思いだったのかと。 今の私にはちょっと辛い一冊だったかもしれません。
Posted by
最近の中島さんは凄い、の一言に尽きます。 20ページほど読んで、止まらなくなり、 40ページほど読んで、どういう結果であっても 5つ星だな、と思っていました。 出張の帰路で読む中、笑いが堪えきれませんでした。 というと、内容を知っている方は不謹慎と思うかもしれません。 ただ...
最近の中島さんは凄い、の一言に尽きます。 20ページほど読んで、止まらなくなり、 40ページほど読んで、どういう結果であっても 5つ星だな、と思っていました。 出張の帰路で読む中、笑いが堪えきれませんでした。 というと、内容を知っている方は不謹慎と思うかもしれません。 ただ、選ぶ言葉が紡ぐイメージは 常に身近で、滑稽で、可笑しくて、悲しい。 その選ばれた言葉たちの控えめで的確なこと。 向田さんの寺貫ように、人の顔も、匂いも 全部が浮かんで、その人たちが頭の中で 動いていくと、ホームコメディのようでした。 まっくろくろすけの散らばったシーツでする セックス、とか。 娘の旦那の親に間違えられて、 私はあんなに太っていないと 内心怒りを燃やすおばあちゃんとか。 他にも浮かぶシーンは数えきれない。 最後は泣く。号泣じゃないけど きっちり泣ける。 全てのシーンが読書ならではの贅沢。 今年の中で断トツの一番です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
老老介護で認知症を患った夫の介護をする妻曜子のキャラがたくましい。他人事とは思えないリアルな内容。少しずつ長い時間をかけて周りをも巻き込む病気だけど、家族が少しずつ気に掛けていたせいか、穏やかにも描かれていたところが救い。
Posted by
元校長の男性に認知症が始まり、亡くなるまでの10年間のエピソードを断片的に描いている。世話をする妻と娘3人、孫、その他の視点がバランスよくちりばめられていて、読み物として十分に面白い。
Posted by
傑作。タイトルと表紙に惑わされぬよう。笑いあり、涙あり。主に笑いの方が多いコメディなんです。死ぬまで幸せを感じろ。
Posted by
認知症を患った家族を抱える苦悩、認知症の方と家族、周囲の人々、介護職員との関わりなどがひしひしと伝わり、身につまされる思い。祖父母は若くして他界したり、自分が生まれる前に他界してしまったので、自分の両親が認知症になったら、どのように接したら良いのか、兄弟でできることは何か、介護サ...
認知症を患った家族を抱える苦悩、認知症の方と家族、周囲の人々、介護職員との関わりなどがひしひしと伝わり、身につまされる思い。祖父母は若くして他界したり、自分が生まれる前に他界してしまったので、自分の両親が認知症になったら、どのように接したら良いのか、兄弟でできることは何か、介護サービスのことなど考えさせられる。認知症の方の考えを否定しないことを心がけるのが大切だと感じる。東家のように認知症だけでなく突然病気になっても家族皆で前を向いて生き、最後のお別れが穏やかでありたいと感じる悲壮感を感じないのが良い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
はじめての中島京子は面白かった! 徐々に認知症がひどくなっていく父親とその家族の話なのだが、文章の持って行き方が私好みだった。余計な説明をせず、そぎ落とした物語の進め方がまたいい!『あれ?』の答が『だよね。やっぱりね』という納得できるものだった。 短篇集かと思っていたら、違うのね。 介護関係の小説や物語は結構読んでいる方だと思うのだけれど、これが時系列的にも一番リアルだった。 カリフォルニアに住んでいる長女茉莉、近くに住んでいるのでいつも頼られる次女菜奈、キャリアウーマン未だにシングルの三女芙美、老老介護をしている母曜子、そして痴呆が始まった元校長で元図書館長の父昇平。最初は自分が何のために出かけたのか(同窓会だったのだが)、どうしてもそこに辿り着けなくなるという初期の段階から、友人が亡くなった事を忘れてしまう物忘れ、そして徘徊、ディサービスに通うようになり、車椅子になり、寝たきりになり、その間に、長女はアメリカでの子育てや生活に苦労したり、次女はミドルフォーティーで妊婦に、三女は失恋と出会いを繰り返し、母親は自分の重病にと、10年の時とともに家族それぞれの出来事を織りなした介護の苦労の物語。 その苦労の中にも、父・昇平のかわいらしさや憎たらしさもよく書けているな~と感心してしまった。 うんこを並べる場面が、ちょー笑ったけど、夫婦の絆というものも窺い知れた。 アメリカでは認知症のことを、Dementia(ディメンティア)といい、ディメンティアになって徐々に忘れて行きなくなってしまう事をロング・グッバイというらしい。 死別というものは、なかなか別れ難いものだけれど、長い時間をかけてのお別れっていうのは…しゃれた言い回しだな~。 全地球測位システム 私の心はサンフランシスコに おうちへ帰ろう フレンズ つながらないものたち 入れ歯をめぐる冒険 うつぶせ QOL クオリティ・オブ・ライフ
Posted by
痴ほう症を発症してから亡くなるまでの家族の物語。優しい言葉で綴られた深い愛情物語に涙しました。 痴呆が進む様子をくすっと笑わせる文章で優しく表現している。、妻の強い愛情と責任感でギリギリまで老々介護をやり遂げた曜子。家庭はやはり母に支えられている。 実際家族の介護が始まったら...
痴ほう症を発症してから亡くなるまでの家族の物語。優しい言葉で綴られた深い愛情物語に涙しました。 痴呆が進む様子をくすっと笑わせる文章で優しく表現している。、妻の強い愛情と責任感でギリギリまで老々介護をやり遂げた曜子。家庭はやはり母に支えられている。 実際家族の介護が始まったら生活は激変して殺伐としそうだけど。 こんな、最期が迎えられたらよいけどこれは健康なときに徳を積んだ人にしか迎えられない最期なのかもしれない(笑)
Posted by
認知症となった夫を介護する妻と、娘三人の物語。 病を発症して10年、認知症はゆっくりと進行していき、10年の歳月は夫、父親との長い別れの道のりとなります。 認知症の夫と、介護する妻が中心となって物語は進んでいきますが、娘三人にもそれぞれ父の病気とは別に問題や変化が起こり、なかなか...
認知症となった夫を介護する妻と、娘三人の物語。 病を発症して10年、認知症はゆっくりと進行していき、10年の歳月は夫、父親との長い別れの道のりとなります。 認知症の夫と、介護する妻が中心となって物語は進んでいきますが、娘三人にもそれぞれ父の病気とは別に問題や変化が起こり、なかなか濃厚な内容の小説でした。
Posted by