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長いお別れ の商品レビュー

4.2

134件のお客様レビュー

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2020/01/07

かつて中学の校長や公立図書館の館長も務めた、東昇平は、認知症を発症した。 かつての威厳を無くし、記憶を無くし、不可解な言動で家族を悩ませる。 十年かけてゆっくりと、元の人格から、家族から、遠ざかっていく過程が描かれる。 だから、『長いお別れ』 GPSの赤い点が地図上をぐるぐる回...

かつて中学の校長や公立図書館の館長も務めた、東昇平は、認知症を発症した。 かつての威厳を無くし、記憶を無くし、不可解な言動で家族を悩ませる。 十年かけてゆっくりと、元の人格から、家族から、遠ざかっていく過程が描かれる。 だから、『長いお別れ』 GPSの赤い点が地図上をぐるぐる回る話しや、孫を認識できなくなっても難解な漢字をためらいなく書くあたりまでは、まだかわいさや微笑ましさも感じられるが、だんだんと人間の尊厳まで失っていくにつれ、やりきれなくなってくる。 大げさな表現は使っていないが、家族は十分すぎるほど大変なのだ。 熱を出して救急搬送されて以降の流れが、自分の父親とそっくりで、同じことを多くの家族が経験してきたのか…と思いを巡らせた。

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2017/01/02

とても深刻なお話なのに、とてもユーモラスに描かれる認知症の父とのロンググッバイを描いた作品。 ホロリとなったり、身につまされたり、ゲラゲラ笑いながら読んだり、いろんな側面を持つ作品でした。

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2016/11/29

もっと深刻で大変なことが多いし、 脳的には感情司るとこと記憶壊れてくから こんな楽じゃないだろうしな〜 とちょっと鼻白む。 三姉妹だが両親いなくて良かった。 しかし義両親いるし、自分もあるし…

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2016/11/23

期待を裏切らない読み応え。二人暮らしの老夫婦と三人の娘たちの話。長女は既婚で子供あり、夫の仕事の都合で渡米中、次女も既婚で子供あり、割合近くに住んでいる、三女は独身でフリーランスで働いており忙しい。父がアルツハイマー型認知症を患っており、母がなんとかかんとか介護しながら暮らしてい...

期待を裏切らない読み応え。二人暮らしの老夫婦と三人の娘たちの話。長女は既婚で子供あり、夫の仕事の都合で渡米中、次女も既婚で子供あり、割合近くに住んでいる、三女は独身でフリーランスで働いており忙しい。父がアルツハイマー型認知症を患っており、母がなんとかかんとか介護しながら暮らしている。少しずつ進行してゆく認知症の症状と介護している母を慮りながらも、自分たちの生活の事情もありつつあれこれ悩みつつ寄り添う家族の様子が、もの悲しいだけでなくユーモアというか暖かみのある筆致で描かれており読み終わるのが勿体なかったです。大変良い本でした。

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2016/11/19

元中学校長の夫が認知症になる。妻、3人の娘たちとの10年の日々。何か変、から、アメリカに住む娘家族の元への旅行、震災、ショートステイ、入れ歯事件、妻の網膜剥離と入院、骨折と発熱。 驚かされ、困らされてはいても、見捨てたりいじめたりしない。いいお父さんだったんだなぁと思いました。...

元中学校長の夫が認知症になる。妻、3人の娘たちとの10年の日々。何か変、から、アメリカに住む娘家族の元への旅行、震災、ショートステイ、入れ歯事件、妻の網膜剥離と入院、骨折と発熱。 驚かされ、困らされてはいても、見捨てたりいじめたりしない。いいお父さんだったんだなぁと思いました。描き方も絶妙。

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2016/11/18

アルツハイマー型認知症を患った父親と、その家族の話。 とても良かった。 最後は、じんわりと涙しました。 前半、まだ病気も軽く、渡米したり孫達と過ごしたりしていた頃の話には、ユーモアがたっぷりで、何度か吹き出しましたが、後半、病気が少しずつ進むにつれ、切な気持ちが募り、辛かった...

アルツハイマー型認知症を患った父親と、その家族の話。 とても良かった。 最後は、じんわりと涙しました。 前半、まだ病気も軽く、渡米したり孫達と過ごしたりしていた頃の話には、ユーモアがたっぷりで、何度か吹き出しましたが、後半、病気が少しずつ進むにつれ、切な気持ちが募り、辛かったです。 妻である曜子さんが立派。2人にはきっと素晴らしい歴史があったこそなのでしょう。 私も姉妹で嫁に出た立場。老老介護はかなり切実です。 無理をせず、優しい気持ちで向き合うことが出来たら、きっと幸せな老年を見送ってあげられるのだろうなと思います。

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2016/11/06

難しいなあ。もう、こういう内容を他人事として楽しめないようになってきた。父が要介護になったら、どうするのか。どのエピソードも自分だったら、どうするかを考えてしまう。 この小説のような幸せなお別れができればいいんだけど。

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2016/10/27

悲しいお話のはずなのに、どこか楽天的な雰囲気が最後まで漂う…。 物忘れが激しい昨今、人ごとではないなぁと。自分のことのように思いながら読んだ。 それぞれ色んなことを抱えて生活をしていながらも、家族の誰かの歯車が調子悪くなってスローになったら、連動してみんなスローペースになってそ...

悲しいお話のはずなのに、どこか楽天的な雰囲気が最後まで漂う…。 物忘れが激しい昨今、人ごとではないなぁと。自分のことのように思いながら読んだ。 それぞれ色んなことを抱えて生活をしていながらも、家族の誰かの歯車が調子悪くなってスローになったら、連動してみんなスローペースになってその人に向き合う。優しい家族だなぁ。なんだかんだ言っても昇平さん幸せだ。妻に、娘に、孫になんだかんだ言っても慕われている。 私はこんな風に親に寄り添ってあげられるだろうか。 私はこんな風に寄り添ってもらえるだろうか。 人生の終わり方、昇平さんは最高だと思う。気づいてないと思うけど。 辛いお話なのにそう感じさせない中島さんはすごい。

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2016/10/18

認知症を患った父と介護する母、3人の娘を軸に、ビックリエピソード満載の父の逝く日まで。 切実で壮絶で、誰にも起こりうるかもしれない未来にかなりショックだけど、割りと明るめな文体で綴られていて、読みやすくしっかりと共感できた。

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2016/10/10

もうすぐ面倒を見る、そして近い将来面倒を掛けなきゃならない問題だから敢えて知らぬふりを決め込んでいたテーマ…たぶん中島さんの本でなければ読まなかっただろう。 やはりこの人は巧いなと思う、認知症の老人が物語の中心であるのだが身に詰まされるような行動をまるで幼な子の無邪気さの如く描く...

もうすぐ面倒を見る、そして近い将来面倒を掛けなきゃならない問題だから敢えて知らぬふりを決め込んでいたテーマ…たぶん中島さんの本でなければ読まなかっただろう。 やはりこの人は巧いなと思う、認知症の老人が物語の中心であるのだが身に詰まされるような行動をまるで幼な子の無邪気さの如く描くことでユーモラスな温かさを出す演出がひとつの素晴らしさ。そしてもうひとつは老々介護の妻やそれぞれの事情を持つ娘たち家族の苦労を超えた 「お父さん大好き」の気持ちだろう。 特にラストの妻の独白は白眉で亭主関白を気取る世の男どもは読んでおいたほうがいい、お見事でした

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