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長いお別れ の商品レビュー

4.3

132件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    20

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2018/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

温かくも切ない。 最終的には妻の名前さえ忘れてしまうけど、どこかで妻の温まりは忘れておらず、そんな最愛の人に看取られて旅立つ。 苦しいときも楽しい時も、いつも一緒に過ごし長年寄り添って‥きっと、父にとって幸せな人生だったんだろう、と思えました。感動です。

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2018/01/09

認知症の夫、介護する妻と娘たち3人の物語。 介護の大変さは実の娘であっても、同居していないと分からない。 妻の曜子さんの献身に胸が苦しくなった。 娘たちにはそれぞれに生活があり、結局は妻の曜子さんが老老介護せざるを得ない状況になる。それでも娘が3人いればいくらかは協力できるので、...

認知症の夫、介護する妻と娘たち3人の物語。 介護の大変さは実の娘であっても、同居していないと分からない。 妻の曜子さんの献身に胸が苦しくなった。 娘たちにはそれぞれに生活があり、結局は妻の曜子さんが老老介護せざるを得ない状況になる。それでも娘が3人いればいくらかは協力できるので、まだましな方かな。 自分のケースに当てはめながら、最後の方は泣きながら読んだ。 昇平さんは妻や子供たちに見守られて亡くなったが、私は間に合うだろうか?とか 実家が遠すぎて、父を介護する母の役に立てない歯がゆさ。 認知症の父を受け入れることができない自分…。 今後を考える上でとても参考になった。こんな風に介護が出来たら、こんな風に見送ることが出来たら凄くいいな、と思った。

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2017/11/26

第10回(2015年)中央公論文芸賞受賞作品、友だちに勧められて手に取りました。主に「オール読物」に連載された作品をまとめて書籍化したもの。認知症になった一家の大黒柱である夫を、10年余りにわたり在宅で支えた妻や家族の物語です。 徐々に変わっていく家族の姿や介護に携わる家族の気...

第10回(2015年)中央公論文芸賞受賞作品、友だちに勧められて手に取りました。主に「オール読物」に連載された作品をまとめて書籍化したもの。認知症になった一家の大黒柱である夫を、10年余りにわたり在宅で支えた妻や家族の物語です。 徐々に変わっていく家族の姿や介護に携わる家族の気持ちの揺れ動きは、1年半という期間(2017年4月に死去)でしたが、父親の介護に直面していたことにリンクして、行間に込められた心の動きや思いなどいろいろと考えさせられました。「ゆっくりゆっくり遠ざかって行く」ことへの向き合い方には答えはなく、本人と周りが相手と自分に問いかけることしかないのかなと思ったりしました。それでも、後に残されたものは「これでよかったのかな」とも考えてしまう訳ですが…。 いわゆる重い雰囲気のタッチで書かれてはおらず、とても読みやすいです。ぜひ読んでみてください。

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2017/11/11

アルツハイマー認知症の父の介護に振り回される家族 でも母親も娘もあくまでもやさしい 私だったらとても無理 文は読みやすいい中島京子さん でも、章ごとにぶつぶつ切れてるのが残念 もうすこしリンクしてほしかった です ≪ 毎日の 暮らしの後の お別れが ≫

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2017/10/24

今 まさに長いお別れの入り口に立ち始めた私にとって、タイムリーではあった。が、あくまでも小説としては美しかったが良き妻、良き娘たちすぎて、共感とまではいかなかった。が、終盤に語られる「長いお別れ」は心にしみた。 家族として過ごし、いつか迎えるお別れに、long goodbyeとい...

今 まさに長いお別れの入り口に立ち始めた私にとって、タイムリーではあった。が、あくまでも小説としては美しかったが良き妻、良き娘たちすぎて、共感とまではいかなかった。が、終盤に語られる「長いお別れ」は心にしみた。 家族として過ごし、いつか迎えるお別れに、long goodbyeという形は自然なお別れのように思う。 ま、こればかりは現実は中々希望通りにはいかないからこその小説

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2017/10/15

とりあえずボタンは押したいお父さん。 車いすのボタンを押し、ひっくり返って足の裏を差し出すお父さん。 孫にコウロギ?コオロギ?どっちが正しい?と聞かれて、蟋蟀とサラっと漢字で書けてしまう元国語教師。 笑ったのは友人の中島さんのお葬式での話。 同僚の反応が楽しかった。 40代に...

とりあえずボタンは押したいお父さん。 車いすのボタンを押し、ひっくり返って足の裏を差し出すお父さん。 孫にコウロギ?コオロギ?どっちが正しい?と聞かれて、蟋蟀とサラっと漢字で書けてしまう元国語教師。 笑ったのは友人の中島さんのお葬式での話。 同僚の反応が楽しかった。 40代に入り、兄嫁の父親のお通夜に出た後ぐらいから、なんとなく年老いてきた親のこと、自分たちの老後、一人っ子の息子の将来のことが頭の中を占めるようになり、最近買う本は老後関連が多い。 長いお別れ・・・。 私の祖母もアルツハイマーを発症して10年。 饒舌だった祖母も、今は自分からは話しかけてはこなくなった。表情も乏しくなった。 10年かけて、だんだん離れていったなという感じが私にも分かる。私の名前を呼ぶこともなくなった。 忘れたのかもしれない。 この話では三人姉妹が出てくる。 母の曜子が目の手術で入院してしまうのだが、三人姉妹は連絡を取り合って相談し合って・・っていう、そういうことができるんだなと思った。 我が家は一人っ子、男の子。 真剣にお金を貯めようと思った。 あと、運動をちゃんとして寝たきりにならないようにしなければと思う。

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2017/10/12

とてもいい小説だった。認知症の家族の世話をしている友達がいるので、身近なテーマである。暗くならないような表現なので、楽しく読めるがこの本により患者や家族の苦悩が経験しないものにでもわかる。友達に勧めたい. ロンググッバイとは、英語で認知症を表す。少しずつ記憶を失くしてゆっくりゆっ...

とてもいい小説だった。認知症の家族の世話をしている友達がいるので、身近なテーマである。暗くならないような表現なので、楽しく読めるがこの本により患者や家族の苦悩が経験しないものにでもわかる。友達に勧めたい. ロンググッバイとは、英語で認知症を表す。少しずつ記憶を失くしてゆっくりゆっくり遠ざかっていくから…

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2017/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

興梠(コーロギ)という漢字は迷うことなく書けるのに、自分の家族の名前や顔は忘れてしまった…アルツハイマー型認知症を患った男性と家族の物語。 長い年月をかけて少しずつ記憶を失くしていく認知症の年老いた夫を、年老いた妻が看る老老介護。 デイサービスやヘルパーに助けて貰いながらの介護も、助かる反面気を遣うしなかなか大変だ。 20年以上住み続けた家にいるのに「帰りたい」と言ったり、何かと「やだ!」と拒否する夫。 でも常に夫(父)がどうしたいのかを考える家族の姿勢には頭が下がる。 自分の両親のことを考えてしまう。 他人事ではない。

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2017/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一話ずつ『オール讀物』に発表しているせいか、一冊の本としてまとまったとき、時の経過の記載が不十分(まして発表順でなく入れ替えてまである)。 なんだか妻であり母である曜子さんの書き方に不自然を感じる。妻としては普通だが、母としてはずいぶんな書き方である、なんだか著者の母っていい人ではなかったのかなぁと勘ぐってしまうほど。 なんだか『最期は自宅で過ごしたい』『馴染んだ地元で』言うのはたやすい。半分以上の人が自宅で最期を迎えたいというが、たぶんそれは男性の意見だと思う。夫は妻に看取ってもらいたいだろうが、女は男の介護などに期待などできない。お粗末な介護よりプロの介護士にお願いし気分よく過ごしたい。自宅介護も結局は家族の負担になり続かず、施設入所の順番待ちの間の訪問介護になる。大変だねぇ 超超高齢社会。

Posted byブクログ

2017/12/14

認知症が進む父親と、父親を明るく囲む家族。暖かく良い小説だった。作中でだんだん症状が進み、徘徊する様子、会話すらできなくなる様子がリアルだけど、それぞれの章の終わりがちょっとしたほほえみの情景で締められていて、希望が持てる。

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