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長いお別れ の商品レビュー

4.3

132件のお客様レビュー

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2020/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

認知症になった昇平と、妻の曜子や3人の娘たちの それぞれの思いのつまった闘病生活10年間。 同窓会の会場にたどり着くことができなかった発症当時。 長女が住むサンフランシスコにみんなで行ったこと。 家にいながらもここではないおうちに帰りたがる昇平。 東日本大震災が起きた当時。 家に帰ることは出来なくても、漢字だけははっきりと書ける記憶。 昇平がどこかにやった入れ歯を探すのが得意な名探偵の孫。 妻の曜子の入院と、 知らず知らずのうちに弱っていた昇平の入院騒動と、永遠の別れ。 近所を彷徨う父と三女の芙美が手を繋いで帰宅するシーンでまず涙し、 読み終えた時にはこれ以上ないくらいの号泣だった。 隣で眠る猫がびっくりして飛び起きるほどの嗚咽まじりの号泣に、自分でも驚いた。 決して他人事じゃない、誰にとっても。 入院した妻曜子が昇平の心配に興奮して 子供も産んでない人には無理よ!と三女を無茶苦茶にデスって 次女にそれは偏見よって言われてるのが面白かった。 大切な人が認知症によって 自分や周囲を少しずつ忘れていく過程が ユーモアもありつつ、切なくてやるせなくて、 人の一生について考えさせられる一冊。

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2020/02/10

認知症の祖母を世話する母に知人が貸してくれたそう。ロング・グッドバイ。なるほど…少しずつ遠ざかっていく。

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2019/11/22

右膝上の骨折をきっかけに1年間で3度の骨折の手術を行い、リハビリ、介護施設への入所を経て6年間の入院生活の末後半は我が子である私の事も分からなくなって他界した母との思い出が重なりリアルな感じを持って読んだ。 認知症を患って叙々記憶を失くしてゆっくり遠ざかってゆく、これがロング・グ...

右膝上の骨折をきっかけに1年間で3度の骨折の手術を行い、リハビリ、介護施設への入所を経て6年間の入院生活の末後半は我が子である私の事も分からなくなって他界した母との思い出が重なりリアルな感じを持って読んだ。 認知症を患って叙々記憶を失くしてゆっくり遠ざかってゆく、これがロング・グッドバイとの事だが、私の母もベッドの上からロング・グッドバイだったのだな。

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2019/10/30

認知症になってしまった元中学校長を介護する家族。介護の現実を描写している。それでも読んでいてふっと笑いがおこったりするのは、家族に愛が感じられるから。とくに妻は高齢にもかかわらずとても頼もしい。介護の現場に携わる人たちもすごいな。わたしには愛はあるだろうか。

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2019/10/28

 老老介護やアルツハイマー型認知症の現状が、とても具体的にユーモアをもって描かれていました。作家として、大変な能力を見せていただきました。私の両親も、高齢まで介護ということは経験しましたが、何かしらの後悔は消えません。生きるとはどういうことなのだろう、そういう感情が、飾らずに生々...

 老老介護やアルツハイマー型認知症の現状が、とても具体的にユーモアをもって描かれていました。作家として、大変な能力を見せていただきました。私の両親も、高齢まで介護ということは経験しましたが、何かしらの後悔は消えません。生きるとはどういうことなのだろう、そういう感情が、飾らずに生々しく迫ってきました。

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2019/07/29

自分の身にも近い内起こりうるだろうことで、読んでいてつらいと思える箇所もたくさんあった。 でもしっかり考えていかないと、と考えさせられることもたくさん。 お母さんの前向きな考えや行動が素晴らしい。 改めて映画を観たいなと。

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2019/06/29

認知症の夫を自宅介護する妻。 離れて暮らす3人の娘とその家族。 大変、不幸、なんてイメージばかりだけど、それが日常になっていくと、当然クスリと笑える場面があったり、幸せを感じることもある、淡々とした文体で描かれた穏やかな話。 なんで私がこんな目に、という思いを持たずに介護をし...

認知症の夫を自宅介護する妻。 離れて暮らす3人の娘とその家族。 大変、不幸、なんてイメージばかりだけど、それが日常になっていくと、当然クスリと笑える場面があったり、幸せを感じることもある、淡々とした文体で描かれた穏やかな話。 なんで私がこんな目に、という思いを持たずに介護をし続けることは難しいのかな、この本に書かれていることは綺麗事なんだろうか? 私にはわからない。

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2019/06/23

実際の介護はこんなものじゃないんだと思う。オイラにその覚悟はあるかなぁ?嫁にその覚悟はあるかなぁ?ないよなぁ、きっと。オイラはカラダが丈夫なだけ、嫌がられそうだ。嫁が認知症になったら、夫婦ではなくて一からお互いを知っていく関係になると考えた方が精神的にいいかもしれない、長い間付き...

実際の介護はこんなものじゃないんだと思う。オイラにその覚悟はあるかなぁ?嫁にその覚悟はあるかなぁ?ないよなぁ、きっと。オイラはカラダが丈夫なだけ、嫌がられそうだ。嫁が認知症になったら、夫婦ではなくて一からお互いを知っていく関係になると考えた方が精神的にいいかもしれない、長い間付き添ってきた関係を信じて。 でもオイラ、先生が亡くなった場面でホッとしたんだ。悲しいけど、それとは違う感情のほうが大きかった。オイラには介護の経験はないけど、実際に直面したらきっとホッとしちゃうんじゃないかな。 ”ときおり、意のままにならないことにいら立って、人を突き飛ばしたり大きな声を出したりすることはあるけれど、そこにはいつも何らかの理由があるし、笑顔が消え失せたわけではない。この人が何かを忘れてしまったからと言って、この人以外の何者かに変わってしまったわけではない。” こんなふうに考えられる自信がない。曜子は昇平のそばにいたいという想いが強いから、耐えるという感情をあまり抱くことなく介護できたんだと思う。あと昇平の笑顔。笑顔のチカラをオイラは信じる。すごいパワーにもなるし、癒してもくれる。そういえば、嫁の笑顔見てないな。

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2019/05/19

映画公開に備えて読む。この著者は「小さいおうち」以来久方だがなんとか作家を続けていたんだ、最近賞を取っても消えていく人が多いので文筆業も楽ではなさそうである。この手の小説を読むのは有吉佐和子の「恍惚の人」以来のような気がするが、介護保険制度が出来ても結局犠牲を強いられるのは家族で...

映画公開に備えて読む。この著者は「小さいおうち」以来久方だがなんとか作家を続けていたんだ、最近賞を取っても消えていく人が多いので文筆業も楽ではなさそうである。この手の小説を読むのは有吉佐和子の「恍惚の人」以来のような気がするが、介護保険制度が出来ても結局犠牲を強いられるのは家族でそのことは昔と一切変わっていないようである。排泄物を並べるという描写があったが、「恍惚の人」では投げていたのではなかったっけ、こういう物語を読むと老いに恐怖を感じる。この家族がQOLを重視し延命治療は行わかったのは賢明だと言える。

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2019/05/08

某所読書会課題図書.短編が8つ、元高校の校長でアルツハイマー型認知症を患っている東昇平と介護している妻曜子の物語だが、複雑な読後感を覚える.長女の茉莉は夫の都合でサンフランシスコ在住、次女の菜奈は少し離れたところに住んでいる.三女の芙美は独身で料理に関する仕事をしており、それぞれ...

某所読書会課題図書.短編が8つ、元高校の校長でアルツハイマー型認知症を患っている東昇平と介護している妻曜子の物語だが、複雑な読後感を覚える.長女の茉莉は夫の都合でサンフランシスコ在住、次女の菜奈は少し離れたところに住んでいる.三女の芙美は独身で料理に関する仕事をしており、それぞれ両親の様子をうかがっている.ドタバタ劇のようなエピソードが連続するが、曜子の奮闘は特筆すべきものだと思う.娘たちはそれぞれの生活があり、介護に本気で向き合うことができないが、曜子が網膜剥離で入院した際、昇平の介護を菜奈と芙美が実際に行って、ぐったりきた「うつぶせ」の場面は実感がこもっていると感じた.

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