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長いお別れ の商品レビュー

4.2

136件のお客様レビュー

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2025/01/22

3人姉妹の、両親のことを気にしつつもどこか他人事な態度がリアルだなと感じた。 数年前に祖父を癌で亡くした。80歳を超えた祖母がヘルパーさんの手を借りながらもほぼ1人で自宅介護をしていた。当時、私の母(祖母の娘)と私自身が同居し、かつすぐ近くに叔母(祖母の娘)が住んでいたにも関わら...

3人姉妹の、両親のことを気にしつつもどこか他人事な態度がリアルだなと感じた。 数年前に祖父を癌で亡くした。80歳を超えた祖母がヘルパーさんの手を借りながらもほぼ1人で自宅介護をしていた。当時、私の母(祖母の娘)と私自身が同居し、かつすぐ近くに叔母(祖母の娘)が住んでいたにも関わらず。 私は母子家庭かつ一人っ子なので、妻の曜子が経験したような介護を今後自分ひとりで背負う可能性が高い。読み終わって、いやこれって10.20年後の自分の姿なんじゃない?と気づく。いやいや、気づくのが遅すぎると鈍感な自分に呆れる。 介護は、本当はもっと過酷で、綺麗なものではないと思う。昇平と曜子の間には2人にしかわからない絆や愛がある。それは昇平の記憶が少しずつ遠く消えて無くなってしまっても。曜子のことを妻だと認識できなくなっても。2人の間には2人にしかわからない何かがある。きっと私の祖母と祖父の間にも、二人にしかわからない何かがあったのかな、と読み終わってふと考えた。

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2024/12/12

認知症を患った父とその家族の物語なんですが臨場感溢れていて、なにも盛ったりしてないけどユーモアが必見で高齢化が進むにつれて我家でも起こりうるシナリオをしみじみと読ませてもらいました。 10年間の老々介護を続ける母と3人の娘たちの家族との関りが描かれていて、日常に溶け込んだ問題は誰...

認知症を患った父とその家族の物語なんですが臨場感溢れていて、なにも盛ったりしてないけどユーモアが必見で高齢化が進むにつれて我家でも起こりうるシナリオをしみじみと読ませてもらいました。 10年間の老々介護を続ける母と3人の娘たちの家族との関りが描かれていて、日常に溶け込んだ問題は誰もが抱えていることだけど淡々とこなしてく姿に感銘を受けました。 特に認知症患者あるあるの事例がたくさん出てきて、うなずきっぱなしでした。 「長いお別れ」の意味がジーンと伝わってきて、つらいけど前向きにとらえることができた作品でした。

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2024/10/19

中島京子さん講演会の参加に向けて、図書館で著者の本をいくつか借りてきた。 この本は題名と装画から予想した通り、認知症を患う父親の介護について書かれている。 私自身が高齢者施設に長く勤務しているので、この本に描かれている認知症の男性と家族のようなケースは日々目にしている。 介...

中島京子さん講演会の参加に向けて、図書館で著者の本をいくつか借りてきた。 この本は題名と装画から予想した通り、認知症を患う父親の介護について書かれている。 私自身が高齢者施設に長く勤務しているので、この本に描かれている認知症の男性と家族のようなケースは日々目にしている。 介護は終わりが見えないからこそ、家族にとって不安や疲労との闘いだ。 中島京子さんもおそらくこの地獄のような介護を経験されたのだろう。 認知症に限らず、ケアをする際に患者さんの思いと家族の思いが一致せずどちらを優先すべきか悩むことは少なくない。 そして、熱心な家族ほど、患者さんの思いに応えようと頑張りすぎて家族の思いがなかなか吸い上げられず泣き寝入りしてしまうことは多い。 この本を読んで、支える側である家族の状況や思いを様々な角度から捉えることの大切を改めて認識できた。 患者さんが一番大切なのは当たり前。 だけど、それと同じくらい介護者である家族こそが大切。 そして、いつか自分も認知症を患う人を支える家族という立場になるだろう。 最期まで妻の曜子のように献身的にサポートすることができるとは思えない。 それでも、長いお別れという作業に心して向かいあっていかねばと思わされた。

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2024/10/01

著者、中島京子さん、ウィキペディアを見ると、次のように書かれています。 ---引用開始 中島 京子(なかじま きょうこ、1964年3月23日 - )は、日本の小説家、エッセイスト。 東京都杉並区出身。埼玉県和光市、八王子市育ち。父はフランス文学者で中央大学名誉教授の中島昭和...

著者、中島京子さん、ウィキペディアを見ると、次のように書かれています。 ---引用開始 中島 京子(なかじま きょうこ、1964年3月23日 - )は、日本の小説家、エッセイスト。 東京都杉並区出身。埼玉県和光市、八王子市育ち。父はフランス文学者で中央大学名誉教授の中島昭和。母はフランス文学者で明治大学元教授の中島公子。姉はエッセイストの中島さおり。 ---引用終了 で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をするー。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。 ---引用終了

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2024/08/11

身につまされる。全ての人が必ず歳をとる。 自分は認知症や病気にはならず 穏やかに老衰で。なんて思ってる。 認知症 誰もなりたくてなってるわけじゃない 家族は本当に大変だけど 本人も 徐々に記憶が無くなるのは恐怖らしい。 文句を言いながらも 妻も娘達もみんな お父さんを大切に思って...

身につまされる。全ての人が必ず歳をとる。 自分は認知症や病気にはならず 穏やかに老衰で。なんて思ってる。 認知症 誰もなりたくてなってるわけじゃない 家族は本当に大変だけど 本人も 徐々に記憶が無くなるのは恐怖らしい。 文句を言いながらも 妻も娘達もみんな お父さんを大切に思っていて ある意味 昇平は幸せだったのかも。 物忘れ程度だったのにお話が進むにつれ 症状も進んで 本当に 「長いお別れ」 自宅で母が老老介護して 亡くなった父を思い出しちょっと涙でした。

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2024/07/09

2015年刊。タイトルは英語圏で「認知症に掛かった人とのゆっくりとした別れ」で、そのものの意味だそうだ。個人的には認知症の介護経験は無いが、高齢の親の介護経験は有るので割と生々しく感じた。小説の割には結構具体的に実例的なケースが描かれているようだ。なので、重い。強調や反復はしつこ...

2015年刊。タイトルは英語圏で「認知症に掛かった人とのゆっくりとした別れ」で、そのものの意味だそうだ。個人的には認知症の介護経験は無いが、高齢の親の介護経験は有るので割と生々しく感じた。小説の割には結構具体的に実例的なケースが描かれているようだ。なので、重い。強調や反復はしつこくないが、やはり重い。小説という形で仮想体験してみたい人には良いのかも。読んで楽しい本では無い。

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2024/02/25

認知症の祖父を祖母と娘3人が関わりながら介護をする。描写がリアルで時々本の中に入り込んだような感覚になる。介護する側の苦悩も、他人任せにしてしまう気持ちもすごくわかるなあと思った。

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2023/09/02

素晴らしかった。認知症を患った家族の介護を描いているが、必要以上の悲壮感はなく、ユーモアがあり、介護とは直接関係のない家族それぞれの人生もある。家族みんなが認知症を患った父親への愛情をしっかり持っていることを感じられて気持ちが良かった。

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2023/06/13

2023/6/13 認知症になった東先生との長いお別れ。 群像劇で、その人たちのその後をズバリ描かないところがいいなぁと思った。 東先生とメリーゴーラウンドに乗った姉妹が幸せだといいな。 離れたところで父と母が2人きりで暮らしているから考えさせられた。 両親のQOLはどん...

2023/6/13 認知症になった東先生との長いお別れ。 群像劇で、その人たちのその後をズバリ描かないところがいいなぁと思った。 東先生とメリーゴーラウンドに乗った姉妹が幸せだといいな。 離れたところで父と母が2人きりで暮らしているから考えさせられた。 両親のQOLはどんなもんだろう。

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2022/09/08

認知症を発症した東昇平と主にその妻、娘3人の10年間の介護生活を描いた作品。認知症とは「長いお別れ」を意味する…記憶は長い時間をかけて失われ遠ざかっていく…終始、重い介護の視点を明るく前向きにとらえているような、そんな内容でした。この東さんのような方ばかりではなく、急激に認知症状...

認知症を発症した東昇平と主にその妻、娘3人の10年間の介護生活を描いた作品。認知症とは「長いお別れ」を意味する…記憶は長い時間をかけて失われ遠ざかっていく…終始、重い介護の視点を明るく前向きにとらえているような、そんな内容でした。この東さんのような方ばかりではなく、急激に認知症状が進み周囲が困惑してしまうケースも多いのが実際です。

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