夜の国のクーパー の商品レビュー
パンチがあるわけではないけれど、わかりやすくていい話だった。トム君と一緒にドキドキした。ネコとネズミがわかりあえるならば。
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最初はなかなか世界観に入り込めず、読み進めるのが辛かったが、一旦はまってしまった後は一気に読み終わった。
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ファンタジーというより童話。 どんな意外さが?と思って読んでいたら、ようやく終盤に出てきた。トム君賢いなぁ
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大満足!!! なかなかシュールな推理小説だと思うけれど、内容は王道で正道だと思った。 妻の浮気の憂さ晴らしに釣りに出かけた、しがない地方公務員の僕が、急激な天候変化で舟が転覆して遭難。そして、目が覚めた時には蔓のような縄で縛られて、猫に話しかけられた。 「ちょっと話を聞いてほし...
大満足!!! なかなかシュールな推理小説だと思うけれど、内容は王道で正道だと思った。 妻の浮気の憂さ晴らしに釣りに出かけた、しがない地方公務員の僕が、急激な天候変化で舟が転覆して遭難。そして、目が覚めた時には蔓のような縄で縛られて、猫に話しかけられた。 「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と(笑) そこから始まる寓話的な世界は独特なものなんだけど、もしかしたら私たちもこの世界の人々とおんなじ場所に立っていないかと考えると、背中がふっ、と寒くなった。 人はもしかしたら、自分の都合の悪いものは……。と重大なネタバレは避けて、猫好きの人にはたまらない傑作であることは確か。 そうして大江健三郎ファンの私には作者の後書きがたまらなくうれしかったりするのだ!
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現代版ガリバーか。まさかそこをひっくり返してくるとは。中世ヨーロッパを連想させる舞台は伊坂作品には珍しいのでは。人間と猫、猫と鼠のサイズの対比もヒントになっているのかもしれない。
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妻の不貞 株取引 釣り 冠人と酸人 太古からの指令 鼠を追う僕の体内を、歓喜の震えが駆け巡る 蛹さなぎ 鍔迫り合い 悦びの信号が、全身を走る 扉の閂かんぬき 透明 「トムとジェリー」へのオマージュとおぼしき場面が忍び込まされている。洒落ていますね。人間が未成年の状態にあるのは、理...
妻の不貞 株取引 釣り 冠人と酸人 太古からの指令 鼠を追う僕の体内を、歓喜の震えが駆け巡る 蛹さなぎ 鍔迫り合い 悦びの信号が、全身を走る 扉の閂かんぬき 透明 「トムとジェリー」へのオマージュとおぼしき場面が忍び込まされている。洒落ていますね。人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、他人の指示を仰がないと、自分の理性を使う決意も勇気も持てないからなのだ。 知る勇気を持て カント
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評判の割りにという感じでした。キャラや設定は面白かったが、ストーリーが安易に予想できてしまいました。 ただ、文章がすごく綺麗で、こんなに一文字一文字大切に読みたいと思ったのは初めてでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どうせ小説を読むのであれば、聞いたこともないような「とんでもないホラ話」がいい。しかも、現実世界とどこか地続きのものがいい。 まさにそれ。 ファンタジーのような世界の中に、いきなり妻に浮気をされた男性公務員(40)が登場するのだから頭の中は「?」だらけになる。 猫が欠伸をするとき、鼠を追いかけるとき、首根っこを掴まれたとき。 猫好きとしてはたまらないほど、猫の気持ちを噛み砕いてくれている。伊坂氏は猫なのか。猫が小説を書いているのか。 互いに話せるとは思っていなかった猫と鼠の掛け合いも小気味いい。 トム君は「考えたこともなかった」ことを突きつけられてばかり。先入観とは恐ろしい。 伊坂氏お得意(?と思っている)の、騙し絵のような種明かしには笑ってしまった。 そうやんな、輸血で卒倒してしまうような平凡な公務員の「私」が国対国の戦争の解決の片棒を担おうなんて思うはずないもの。普通なら。 僕の国対鉄国、猫対鼠、私対妻、いずれも問題は続いていくだろう。 でも今はそれでいい。おもしろかった。
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猫が喋る。あと、鼠も喋る。 国境の杉の木がぶよぶよとしたサナギに変わってクーパーになる。 で、戦争が終わって兵士達が街に乗り込んできたんだけどどうしよう、と猫に相談される地方公務員のお話。 物語の始まりは、『吾輩は猫である』を彷彿とさせるが、読んでいくうちに、それどころではない...
猫が喋る。あと、鼠も喋る。 国境の杉の木がぶよぶよとしたサナギに変わってクーパーになる。 で、戦争が終わって兵士達が街に乗り込んできたんだけどどうしよう、と猫に相談される地方公務員のお話。 物語の始まりは、『吾輩は猫である』を彷彿とさせるが、読んでいくうちに、それどころではないという気分にさせられる。 全体的にはお伽噺だ。お伽噺だが、そこには明らかに「戦争」があるから、ちょっとどきっとする。 面白く読めるんだけれど、ちょっとだけ風刺が効いている。 猫に関する描写はリアリティがありながらも、ちょっとトムとジェリーな感じ(しかも、作中で語り手になる猫もトム君だ!)。 これを読みながら幾度となく我が家の猫をこっそり観察した。しまいには、つかまえて顔を近づけて「おまえも本当はしゃべれるんだろう」と問い詰めたりもした。そして怪訝そうな顔をされた後、目を背けられた。 文庫の帯には「世界の秘密のおはなし」と書いてあったので、猫がしゃべれるということも世界の秘密なのだろう。 秘密ならば仕方がない。 何はともあれ、猫好きにお勧めの1冊です。
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ガリバー旅行記や進撃の巨人を彷彿とさせる場面がちらほらあった。「夜の国のクーパー」はファンタジーのようだけれど、どこか現代社会に通じている。国家、政治、戦争、支配するものとされるもののように。物語中「為政者が変われば国の方針は変わる」「何が正しくて、何が誤っているのか、自分で判断...
ガリバー旅行記や進撃の巨人を彷彿とさせる場面がちらほらあった。「夜の国のクーパー」はファンタジーのようだけれど、どこか現代社会に通じている。国家、政治、戦争、支配するものとされるもののように。物語中「為政者が変われば国の方針は変わる」「何が正しくて、何が誤っているのか、自分で判断しろ。それが重要だ」という言葉が何度も出てきた。為政者を信頼し過ぎるあまり、人々が考えることを止め、為政者に反対するものも居なくなったときの危うさを感じた。考えることは止めてはいけない。絶対に。
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