夜の国のクーパー の商品レビュー
昔はそれほど響かなかった伊坂幸太郎に、今さらながらハマり、最新文庫ということで読んだ。 セリフが魅力的で、今の時代に恥ずかしげもなく「勇気」をテーマとしている作品が多いところがいいのだと思う。 この作品に関しては、そういったメッセージ性があまり強くなく、よくありそうなストーリ...
昔はそれほど響かなかった伊坂幸太郎に、今さらながらハマり、最新文庫ということで読んだ。 セリフが魅力的で、今の時代に恥ずかしげもなく「勇気」をテーマとしている作品が多いところがいいのだと思う。 この作品に関しては、そういったメッセージ性があまり強くなく、よくありそうなストーリーだったので、星は3つ。 真実を見極めようとするという姿勢。 相手を知ろうとすることで、平行線がいつかは交差する。 当たり前だけど、気に入った部分。
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久々の伊坂作品。 大好きな『アヒルと鴨のコインロッカー』と同じ創元推理文庫だったので迷わず購入。 久々に読んでみると読みやすくて、内容のおもしろさと相まって読む手が進む進む。 今回はちょっと仕掛けが簡単すぎて展開が読めたけど、後半怒涛の伏線回収はまさに伊坂節。 高校生時代以来...
久々の伊坂作品。 大好きな『アヒルと鴨のコインロッカー』と同じ創元推理文庫だったので迷わず購入。 久々に読んでみると読みやすくて、内容のおもしろさと相まって読む手が進む進む。 今回はちょっと仕掛けが簡単すぎて展開が読めたけど、後半怒涛の伏線回収はまさに伊坂節。 高校生時代以来に伊坂熱がぶり返してきた。
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妻に浮気され、現実逃避のために勢いで飛び出した釣り船。 そんな私が迷い込んだ場所では猫が話しかけてきた。 こんな突拍子もない展開に戸惑い、 そして猫が話す物語に興味を惹かれ、 この物語はどこに着地するのだろうと読み進めた結果、 心が温まる結末にイイ意味で裏切られた。 正直、この...
妻に浮気され、現実逃避のために勢いで飛び出した釣り船。 そんな私が迷い込んだ場所では猫が話しかけてきた。 こんな突拍子もない展開に戸惑い、 そして猫が話す物語に興味を惹かれ、 この物語はどこに着地するのだろうと読み進めた結果、 心が温まる結末にイイ意味で裏切られた。 正直、この国の謎が暴かれた時、 それはどこか予想していた面でもあり、拍子抜けだった。 だがしかし、そこからの物語はまさに人間の物語だった。 帰る場所がある、これに尽きるなと。 だからこそ人間は明日も生きられるのだろう。
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伊坂幸太郎にハマっていろいろ読んでいますが、1番とまでいかなくともすごく好きなお話です。たまにハズレかなと思う作品もあったのですが、伊坂さんにはこんなお話をもっと書いてもらいたいと思えました。ファンタジー、SFが好きな人はとても楽しいと思います。現代ミステリーが好きな方はちょっと...
伊坂幸太郎にハマっていろいろ読んでいますが、1番とまでいかなくともすごく好きなお話です。たまにハズレかなと思う作品もあったのですが、伊坂さんにはこんなお話をもっと書いてもらいたいと思えました。ファンタジー、SFが好きな人はとても楽しいと思います。現代ミステリーが好きな方はちょっと苦手なのかも。絵本なような世界観で、でもテーマはしっかりしています。 (ちなみに私が好きな伊坂作品は重力ピエロとバイバイブラックバード。参考までに)
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伊坂幸太郎の夜の国のクーパーを読みました。 語り手の「私」が気がついたとき地面に縛り付けられていました。 そこに猫が話しかけてきます。 何故か、語り手には猫の言葉が分かるようになっているのでした。 猫のトムが語るには、この国の人間は隣国の鉄国と戦争をして負けてしまい、そこから...
伊坂幸太郎の夜の国のクーパーを読みました。 語り手の「私」が気がついたとき地面に縛り付けられていました。 そこに猫が話しかけてきます。 何故か、語り手には猫の言葉が分かるようになっているのでした。 猫のトムが語るには、この国の人間は隣国の鉄国と戦争をして負けてしまい、そこから来た兵隊に占領されてしまいます。 国王の「冠人」は兵隊の隊長に殺害されてしまい、住民たちは戦々恐々としています。 トムの物語と並行してもう一つの物語が語られます。 この国のそばに杉の木の森があります。 その杉の木はクーパーと呼ばれる怪物になって人間を襲います。 このクーパーを倒すために毎年数人の若者が選ばれて杉の木の森に出かけていきます。 若者たちはクーパーを倒すことが出来るとクーパーの樹液をあびて透明になってしまうのでした。 この二つの物語が交差するとき、この国の真相が現われてきます。 久しぶりに伊坂幸太郎の面白い物語を読みました。
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アリとナシの話。 ネコとネズミはしゃべります。 ネコの尻尾の捉え方は飼ってる人にはよくわかる。不思議な物語だけど違和感なく読めた。 ネコとの会話はいい。
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名前だけで新刊を買う。 伊坂幸太郎。さすがだなあ。 ここ最近出てる彼の文庫はなかなか癖が強い。 入り込むのに時間がかかる。 入り込めない場合も多々ある。 この夜の国クーパーは、最初50ページがなかなか進まない。 伊坂幸太郎が書いてなかったらこの時点で読むのを止めてたかもしれ...
名前だけで新刊を買う。 伊坂幸太郎。さすがだなあ。 ここ最近出てる彼の文庫はなかなか癖が強い。 入り込むのに時間がかかる。 入り込めない場合も多々ある。 この夜の国クーパーは、最初50ページがなかなか進まない。 伊坂幸太郎が書いてなかったらこの時点で読むのを止めてたかもしれない。 ただ、トムが壁の外に出た辺りから、いや、そのちょっと前らへんから、読み始めたら止まらない!!そこまで来るのが長かったけど、ここまで来たら一瞬です!!! 最後まで読み終えたとき、読んで良かったと思うことまちがいなし!!!!
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妻に浮気され、居心地が悪くなった家を飛び出し、趣味の釣りに出た「私」は、乗っていた舟が転覆し、気がつくと見知らぬ場所の草叢で、蔓に縛られて身動きが取れない自分を発見します。 そして突然、見知らぬ猫「トム君」に話しかけられ、彼の故郷である小さな町に起こった出来事を聴かされます。 ...
妻に浮気され、居心地が悪くなった家を飛び出し、趣味の釣りに出た「私」は、乗っていた舟が転覆し、気がつくと見知らぬ場所の草叢で、蔓に縛られて身動きが取れない自分を発見します。 そして突然、見知らぬ猫「トム君」に話しかけられ、彼の故郷である小さな町に起こった出来事を聴かされます。 その町がある国は、隣国との戦争に敗れ、軍隊が入り込んできて国王を処刑され、人々は恐怖に怯えながら暮らしているというのです。 トム君は私に、町を救う手助けを頼むのですが… 人語を話さないはずのものが話したり、一見、長閑で平和な社会に不穏な影が差し掛かったりという設定は、伊坂さんのデビュー作「オーデュボンの祈り」を彷彿とさせます。 また、人間だけでなく、猫やネズミの社会や暮らしぶりもユーモアたっぷりに語られます。 小説に出てくる人物や事柄を、実在するそれらをモチーフにしてるとか、あるいは何かの隠喩だと考えることは、僕の場合、あまりありませんが、このお話は、何となく現代の日本や世界情勢をなぞらえている寓話のような気がしました。 でも説教くさいお話では決してありません。 町の行く末をハラハラしながら見つめているうちに、物語は最初に見えていたのとは、全く違う様相を呈してきて、最後には予想もしなかったドンデン返しの結末にたどりつきます。 そして、プロローグのようなエピローグを読み終えた時に、切なくも温かい感動に包まれます。 ファンタジックな傑作ミステリー。 やっぱり伊坂幸太郎さんにハズレなしです。
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戦争と支配、そして帰るべき場所をテーマにしたミステリー。しかも、ファンタジックでユーモラスにあふれたミステリーだ。 非現実的な設定なので牧歌的な雰囲気が漂うが、語られる内容は意外と重い。 伊坂作品定番とも言える、伏線がうまく回収されていく様を気持ちよく読ませてもらった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本、凄いすき。世界観が堪らなく引き込まれる。読み終わるのがもったいなくてじっくりとよみました。 人間のエゴも、トム君目線で見ると純粋な疑問や感想で語られ人間のバカさ加減が浮き彫りになっているかんじがする。やっぱり猫は喋れるんだなぁ。
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