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暇と退屈の倫理学 増補新版 の商品レビュー

4.4

154件のお客様レビュー

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2022/03/05
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暇と退屈、消費と浪費、贅沢とは何か。 倫理学、哲学、経済学など幅広く縦横無尽に大いに語る。 歴史的哲学者の例題から映画「ファイトクラブ」まで 非常にわかりやすい。 おそらく年齢とともに印象が変わるので 将来、再読必要。

Posted byブクログ

2022/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了。人がより良く生きるとはどういうことだろう。何をしたらもっとより良く生きることができるのだろう。そんな問いを考えるヒントをたくさんくれる一冊。 「贅沢を取り戻す」とは、なんと素敵な言葉だろう。「消費」ではなく「贅沢」(浪費)。終わりのない消費に身を投じて永久に刺激と欲求のいたちごっこをするよりは、しっかりと身体いっぱいに「贅沢」をする。そうして人が人として充実した生を送れるのだというのはとても納得。僕らは「贅沢」を敵視しがちな割には永久の消費レースにいとも簡単に身を投じてしまう。だから改めて、「贅沢」(浪費)について考えて、「暇と退屈」と付き合う生き方を身につけるべきなのだな、と思った。 そして、「人はパンのみにて生きるにあらずと言う。いや、パンも味わおうではないか。そして同時に、パンだけでなく、バラももとめよう。人の生活はバラで飾られていなければならない」(p362)という箇所は、この本から得られる宝物。

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2022/02/15

久々に「当たり」だった。暇と退屈の違いや退屈はいつから始まったか、環世界という概念、マルクスやハイデッガーの論に対する解説・批判など知的好奇心を唆る考察が多々あった。ぜひもう一度読み返してみたい。

Posted byブクログ

2022/02/13

最近、友人が読んでたりで目にすることが多かったけど10年前に出版された本なのか。とても面白かった。ここ数年で人生は楽しむものだっていうような考えが分かるようになってきたけど、今読めてよかったな。通読して、私の日常がとても贅沢で幸福なものだと改めて気付かされ、じんわり涙してしまった...

最近、友人が読んでたりで目にすることが多かったけど10年前に出版された本なのか。とても面白かった。ここ数年で人生は楽しむものだっていうような考えが分かるようになってきたけど、今読めてよかったな。通読して、私の日常がとても贅沢で幸福なものだと改めて気付かされ、じんわり涙してしまった。 分かりやすい語り口で、これまでの哲学者の議論受けて筆者が考察していく様を追体験できるようで、わくわくしながら読んでいた。自分だと素通りしてしまうような矛盾点にツッコミがどんどん入れられていて感動してしまった。笑 退屈は苦痛だと言うけれど、やはりそのような人間的な悩みを抱けることはとても贅沢なことだと思う。どんな状況でも苦悩はあるだろうけど、自分なりに精一杯立ち向かいたい。受け取ること味わうこと贅沢すること、すごくありきたりだけど自分を満たしていくことが上手にできるようになりたいなと思った。 「環世界」に関する話題はなんとなく自分で考えていたことがあったので、ぼんやりイメージしていたものをはっきり言語化してもらって眺め直すことができたのも面白かった。私が見ている世界とあなたが見ている世界が同じだなんて、思えなかったんだよなあ 最後の「傷と運命」では「<責任>の生成」で触れられていたような議論がでてきて嬉しくなった。

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2024/08/11

暇つぶしかどうかってのは、心動かすものに出会おうとする姿勢があるかどうかだろ、って思いながら読み進めていった。意外と同じ考えでちょっと嬉しい。記号や観念の受け取りである消費と、浪費の違いはハッとさせられる人も多いのでは。「広告は消費によって『個性的』になることを求める」っていうボ...

暇つぶしかどうかってのは、心動かすものに出会おうとする姿勢があるかどうかだろ、って思いながら読み進めていった。意外と同じ考えでちょっと嬉しい。記号や観念の受け取りである消費と、浪費の違いはハッとさせられる人も多いのでは。「広告は消費によって『個性的』になることを求める」っていうボードリヤールの言葉も良い。

Posted byブクログ

2022/01/30

暇と退屈とはなんなのか、退屈にどう向き合えばいいのか。その答えを哲学、倫理学、経済学、生物学といった先人たちの多様な書物を使って定義していく哲学本。 人は退屈を斥けるために消費行動を行う。しかし消費活動を続けていては人間は永遠に満たされない。人が豊かになるために、いま一度贅沢を...

暇と退屈とはなんなのか、退屈にどう向き合えばいいのか。その答えを哲学、倫理学、経済学、生物学といった先人たちの多様な書物を使って定義していく哲学本。 人は退屈を斥けるために消費行動を行う。しかし消費活動を続けていては人間は永遠に満たされない。人が豊かになるために、いま一度贅沢を取り戻す必要がある。余裕ある生活の中で、退屈と距離をとりながら生きることを楽しむ。それがこの本が提示している、退屈に対する解決策だと理解した。 全部で7章、それぞれジャンルの異なる内容が書かれていて、一見繋がっていないように見える。しかし、それらは最終的にひとつの結論に集約されていく。その構成が見事で感動した。本が分厚いうえに、途中から何を言っているのか分からなくなり、飛ばし読みしたくなる衝動に駆られるが、そこをグッと抑えて読み切ってほしい。

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2022/01/29

とても読みやすくて面白かった。 哲学勉強してみようかなという気持ちになった。 環世界や、浪費と消費の話がおもしろかった。

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2022/01/22

ハイデッガーなどの哲学を分かりやすく紹介しつつも、その足りないところに踏み込んで人間であることと「退屈」との関係、あるいは自由の意味を示している。 消費と浪費の違いなど興味深い思考で、浪費が受け取ることというのが新鮮だった。 図表にして解説したり、例で示したり、懇切丁寧に展開して...

ハイデッガーなどの哲学を分かりやすく紹介しつつも、その足りないところに踏み込んで人間であることと「退屈」との関係、あるいは自由の意味を示している。 消費と浪費の違いなど興味深い思考で、浪費が受け取ることというのが新鮮だった。 図表にして解説したり、例で示したり、懇切丁寧に展開してあって、読み終わった今は納得の「退屈」の倫理学だ。

Posted byブクログ

2022/01/19

序章でがーっと掴まれる。「好きなことが分からない」からの退屈とは?暇とは?に繋がる流れ、やばい。話の繋ぎ方がとても好きだった。哲学素人の私でも楽しめました、また読み返す気がする。勧めてもらったことに感謝。

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2021/12/18
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『退屈は犯罪です』とうたうTVCMが流れている丁度その頃に、図書館で借りて読んでいた。 図書館で借りたあと、購入して再読した。 良い本だと思った理由は3つ。 とても論述が丁寧であること。章末でそれまでの議論の概要をまとめたり、次章の議論との接続を整理したり、そういう構成・論述に助けられた。 議論の幅が広いこと。想像以上に広かった。古今東西の思想を引いてそこから議論を展開するという意味での幅広さだけではない。人類にとって定住の始まりとは何だったのか、労働が合理的に管理されるようになったことの功罪、消費社会への違和感、ダニから見た世界。。。 考えることや問題を掘りすすめることの手本として、学ぶところが多い。(こんなのは完全に偏見だけれども)哲学とは部屋にこもって沈思黙考するものと思っていたが、時に科学的探求を端緒にこうも幅広く思索するものなのかと考えを改めるきっかけになった。 ぼんやりと湧いてくるもの、拭い去れないものに対するヒントであること。衣食住事足りて、健康にも恵まれて、それでもなお気晴らしを求めてあくせくしているがこれは一体何なんだろう。 退屈が犯罪であるかどうかはさておき、それが人生における苦労の一端であるなら、その由来を深く探ることは意義ある営みだろうと思う。

Posted byブクログ