暇と退屈の倫理学 増補新版 の商品レビュー
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前書きからめちゃくちゃ面白くて2章くらいまではバーッと読んだものの、それ以降は似たような話を、ちょっとずつ形を変えながら説明していて、だんだんくどいな…と感じた。 しかし前半だけでも、人の真理を明かすというか、目から鱗がポロポロ落ちる話がもりだくさんでよかった…。
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暇と退屈は密接に結びついているものだと思うけれどイコールではないのではないか。忙しくしていても、暇つぶしをしていても、人は退屈を感じることがある。退屈は苦しい。人は刺激を避け身を守ろうとするが、それは退屈に向かう道に他ならない。人は苦痛に向かって進んでいるようなものだ。 非常に面...
暇と退屈は密接に結びついているものだと思うけれどイコールではないのではないか。忙しくしていても、暇つぶしをしていても、人は退屈を感じることがある。退屈は苦しい。人は刺激を避け身を守ろうとするが、それは退屈に向かう道に他ならない。人は苦痛に向かって進んでいるようなものだ。 非常に面白く読んだ。なんとなく感じていることが論理的に述べられていて、ある種快感を覚える。
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「暇と退屈」について幅広い知見から詳細に論じられていてとても面白かった。自らの研究活動の刺激になると同時に、これだけの知性を見せつけられると自分のやっていることがちっぽけにも思えてくる。
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とても面白い。そして分かりやすく、読み易い。所々、声を出して笑えるくらい、作品としても面白い。 読了に向かっていくに連れ、斎藤幸平さんの《人新世〜》を読んでから、ずっとモヤモヤしてたものが晴れていく感覚があった。 環境問題に対して本気で危機感を持ち、斎藤さんの環世界に引き込まれ...
とても面白い。そして分かりやすく、読み易い。所々、声を出して笑えるくらい、作品としても面白い。 読了に向かっていくに連れ、斎藤幸平さんの《人新世〜》を読んでから、ずっとモヤモヤしてたものが晴れていく感覚があった。 環境問題に対して本気で危機感を持ち、斎藤さんの環世界に引き込まれていた当初。 だがすぐに『今の状態で革命が起きてしまっては、世界は混乱に陥って気候危機で亡くなる人よりも遥かに多くの人が革命後に亡くなるのでは』と。 そこから、シューマッハー、イリイチ、マンフォード、フロムをはじめ20世紀の議論を振り返ってきたが、それでも釈然とせず。 そして漸くここに来て、『どう生きたら良いのか、そしてどう生きるように促せば良いのか』の指針が提示されたような気がしてきた、そんな一冊。 暇と退屈の《倫理学》とはよく言ったもので、これが《哲学》だったなら、20世紀の議論と大差を感じず、『良い本だった』で終わっていたかもしれないが、この本は『どう生きるか』をとても身近でかつ実践的に示してくれており、かつ、最後まで伴走してくれるような文体になっているのも含め、あーこれが《倫理学》かあ、という感覚を味わえた。 帯にもあるが、人生は(自分なりの)バラで彩らなければならない、というメッセージも通読して初めて、身体で感じるものなんだろう。 積読状態にしたまま半年が経ち、ふと読み始めた一冊だったが、この本を読むのがこのタイミングで良かった、積読本を読んで毎度そう思えるのが、読書の面白さでもある。 読書は私にとってバラであり、これからもバラで彩っていきたいと思う。
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暇、退屈とは何かという問いを通して、退屈というものを客観視できるようになり、結果として人生を豊かに生きるためにどういうことを意識すれば良いのかが学べた。 テーマは日常的なもので難しくなく、分かりやすい展開であるものの、根本的には哲学の本なので一定のレベルでの難解さはあるため、読む...
暇、退屈とは何かという問いを通して、退屈というものを客観視できるようになり、結果として人生を豊かに生きるためにどういうことを意識すれば良いのかが学べた。 テーマは日常的なもので難しくなく、分かりやすい展開であるものの、根本的には哲学の本なので一定のレベルでの難解さはあるため、読む人を選ぶ本だとは思う。非常に知的好奇心がくすぐられて面白いのだが、最後まで読み通せる人は多くないだろう。 人間の人間としての側面と動物としての側面についてや、人類の生活が移住から定住に変わる過程で生まれた「退屈」についての見解など、納得できることが多かった。 豊かに生きていくため、消費ではなく浪費をしながら生きていきたい。
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■退屈とは? 「退屈」は人間とは切っても切れない縁にあり、「退屈」と向き合っていくことが人間の使命でもある。 ■退屈の起源 移住・定住は退屈の起源であり、退屈という悩みは人間の生活様式に大きな影響を及ぼしてきた。 ■暇と退屈 暇≠退屈である。暇は客観的な条件付けなのに対し、退...
■退屈とは? 「退屈」は人間とは切っても切れない縁にあり、「退屈」と向き合っていくことが人間の使命でもある。 ■退屈の起源 移住・定住は退屈の起源であり、退屈という悩みは人間の生活様式に大きな影響を及ぼしてきた。 ■暇と退屈 暇≠退屈である。暇は客観的な条件付けなのに対し、退屈は主観的な状態を表す。経済史の観点から見ると、当初暇は労働を免除された上位階級の特権であった。個人と自由の平等が進むことで、人々は暇を手に入れることになるが、暇を生きる術をもっておらず、退屈との戦いが始まるのである。 ■ハイデガーの退屈の分析 1)人間は退屈し、人間だけが退屈する。それは自由であるのが人間だけだからだ。 2)人間は決断によってこの自由の可能性を発揮することができる。
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しっかり読み進めないと難しかったけど面白かった!一章が特にまだ分かりやすくて好みな議論だった。消費と浪費の違いの着目が興味深かった。
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年を取るにつれて感じる退屈感の正体は、環世界移動の頻度の低下であると思う。同じ場所に留まろうとする(安定と均整)のに快楽を感じつつ、退屈に苦しむ相反した二つの感情を同時に持ってしまう。それはひとえに、環世界を移動することが少なくなり、自らの強力な自意識の下に留まってしまうからだ。幼少期は何もかもが新鮮である(サリエンシー)ため、自意識の外で環世界を頻繫に飛び回ることができた。しかし年を重ねるにつれてその快感ループを阻害する要因(受験と部活など)が増えてきてしまい、その飛び回る感覚を忘れてしまう。「今何にハマってるの?」は「今どこの環世界を生きているの?」に言い換えられる。第一第三形態に逃げ込むのはそこそこに、第二形態で「待ち構える」姿勢と「浪費」することを大事にしたい。
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暇と退屈という切り口から人類学、経済学、哲学その他思想史などを考察していく本。 取り上げられる話題の多様さと面白さが飽きさせませんでした。 難解な理論が具体例と共に丹念に検証されており、哲学に詳しくない私でも楽しく読み進められました。 環世界が刺激的だったのでいつかユクスキュ...
暇と退屈という切り口から人類学、経済学、哲学その他思想史などを考察していく本。 取り上げられる話題の多様さと面白さが飽きさせませんでした。 難解な理論が具体例と共に丹念に検証されており、哲学に詳しくない私でも楽しく読み進められました。 環世界が刺激的だったのでいつかユクスキュルを読んでみたいです。
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暇と退屈、消費と浪費、贅沢とは何か。 倫理学、哲学、経済学など幅広く縦横無尽に大いに語る。 歴史的哲学者の例題から映画「ファイトクラブ」まで 非常にわかりやすい。 おそらく年齢とともに印象が変わるので 将来、再読必要。
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