あい の商品レビュー
高田郁さんの小説は2冊目。その一冊目の「銀二貫」にはとても感動しました。当然、この本にも過度に期待をしてしまう。 幾分、行儀のよい美談づくしに閉口気味になるなんてのはへそ曲がりの言い分であります。あまりにいい話にそんな聖人君子がホンマにおますのか?とも。 でも、読み終わっ...
高田郁さんの小説は2冊目。その一冊目の「銀二貫」にはとても感動しました。当然、この本にも過度に期待をしてしまう。 幾分、行儀のよい美談づくしに閉口気味になるなんてのはへそ曲がりの言い分であります。あまりにいい話にそんな聖人君子がホンマにおますのか?とも。 でも、読み終わってなんとも美しい話を読んだものかと深く深く余韻が残りました。最後まで日和らず、とことん生きていく意味を自分の身に追い込んでいく。それが生きがいならば、少ししんどいけれどいい人生を送るとはこんな人たちなのかもしれません。 今を生きればいい。それに違いないのですが、目先に生きるにあらず、名声のためでなく、世のために先の人たちののために生きる、そんな歴史に残る偉い人もいるのですね。ラストシーンは美しい、秀逸です。
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銀二貫に続いて読む高田郁作品。 みをつくしシリーズも銀二貫も料理がベースの物語だったのでこの本もかなと思ったけれど、全く違う作品でした。 関寛斎という実在した人物の妻の物語。 あとがきで妻のあいについては残っている資料がほとんどないと書いてあったので、おそらくはほとんどフィクショ...
銀二貫に続いて読む高田郁作品。 みをつくしシリーズも銀二貫も料理がベースの物語だったのでこの本もかなと思ったけれど、全く違う作品でした。 関寛斎という実在した人物の妻の物語。 あとがきで妻のあいについては残っている資料がほとんどないと書いてあったので、おそらくはほとんどフィクションなんだと思うけど、素晴らしい人物だなととても楽しく読めた。 何度か出てくる、あいの良いところ。いつまでもくよくよと悔やまない。物事の良い面を見る。 関寛斎という人は知らなかったけど、素晴らしい人物だったんだろうな。 老いてもお互いのことを想い合う夫婦、素敵。
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関寛斎先生の妻アイさんの物語り。 夫婦の絆、信頼が素敵でした。 アイさんあっての関寛斎だった..そんな作品でした。
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此の手の小説は数冊に留め置くのがよい 数を重ねる程に自己嫌悪の深みに填まる。 書き手が畏怖を覚えつ綴っているなら尚更であろう。
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人生1番の純愛小説を読んだ気がする。 関寛斎と、その妻アイが亡くなるまでの年月。 激動の時代にあって、たった一人と添い遂げた偉人は多くはないのではないかな。汚れちまった心根の私は「出張多いし、いつ隠し子が出てくるのかしらん」と構えながら読んだけれど、そんなものはなくてアイとの間に八男四女もの子供をもうけた。夭折した子も多い。子を喪う哀しみを祖母や母や友から聞く限りでは、言葉にならないと言う。どんなにたくさんいようと、その子自身はたった一人。指の例えは分かりやすい。 人がひとりで生きられないのは、司る性質を補い合うため。先鋭化してゆく自分にブレーキをかけるのは、違う性質を持つ他人。かなり激しい性格の寛斎について、アイは最期まで本当に頑張った。これぞ愛だとしか言いようがない。 関寛斎とはどんな人かと思って途中でウィキを読んでしまった。司馬さんの本を読んでる人なら知っていたろうが寛斎の人生の幕引きの仕方が劇的に過ぎたので、読了してから調べれば良かった…順番を間違った。作中でも「家族とのことは色々あろうが」といった内容の記述があったので、これを示唆するものだったのだな。ブレーキというか、緩衝材というか、受け止めていた人の不在は大きな要因でもあったのかもしれない。 「人たるものの本分は眼前にあらず永遠に在り」という生き方は素晴らしいと思う。かく在りたい。 濱口儀兵衛は『福を届けよ』でも重要な人物だった。ヒゲタ醤油七代目の物語も読んでみたいと思う。 千葉県だから神道なのかな。 アイの機織りへの想いも好もしかった。アイヌの織物アットゥシにも興味が湧いた。北海道の記念館にも足を運んでみたい。
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2024.02.16.audible この時代、子供がこんなに簡単に死んでしまうのか それが1番衝撃だった。 73歳で北海道開拓を志すことにも驚く。 高田郁さんらしい、女性の描き方 本の紹介 齢73歳にして、北海道開拓を志した医師・関寛斎。藩医師、戊辰戦争における野戦病院での功績など、これまでの地位や名誉を捨ててまでも彼は、北の大地を目指した。そんな夫を傍らで支え続けた妻・あい。幕末から明治へと激動の時代を生き、波乱の生涯を送ったふたりの育んだ愛のかたちとは―。妻・あいの視点から描く、歴史上に実在した知られざる傑物の姿とは―。愛することの意味を問う感動の物語。
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題名に拘る私は、「あい-永遠に在り」は素敵な題名だと感じる。なぜひらがななのだろう。目次を見たら理由がわかる。そして最後に・・・。 時は幕末から明治にかけて見事なストーリーが紡がれている。丁寧な情景描写も目に浮かんでくるほどに心に沁みる。しかしそれは背景に過ぎない。 叔父の関俊...
題名に拘る私は、「あい-永遠に在り」は素敵な題名だと感じる。なぜひらがななのだろう。目次を見たら理由がわかる。そして最後に・・・。 時は幕末から明治にかけて見事なストーリーが紡がれている。丁寧な情景描写も目に浮かんでくるほどに心に沁みる。しかしそれは背景に過ぎない。 叔父の関俊輔、その妻年子との事実上の出会いから物語は始まる。 人は人を助け、決して私利私欲に没頭する事が心を温めてくれる。 学問は「頭」と「心」に宝を築いてくれると年子の言葉、それを自らの手で成し遂げるのが読書だと思うのである。 「銭というのは厄介だ。なまじ味を覚えると、もっと欲しくなる。それが叶わないと性根がさもしくなる。」という表現は私自身にも省みが必要だった。金と政治の問題に嫌悪を抱くのはさもしさが見て取れるからだろう。海外で慎ましやかな生活をしている子どもたちを見ても、明るく元気で楽しそうに過ごしている。日本にはもうこんな情景は見られないのだろうか?一度原点に帰ってみるべきだと感じた。 「人たる者の本分は、眼前にあらずして、永遠に在り」と梧陵、この言葉は、最後まで一貫して貫かれる。私の頭からつま先までも貫かれる。 心温まる一方で悲しみ、慈しみ、哀しみを纏っている。頬を濡らしながら、何度も読み返した。
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あいさんがあんなに身体を壊したんだから、想像した何倍も過酷な移住だったんだなぁ。辛い冬より開拓者の精神を選んだ。辛い選択だけど、カッパの寒稽古みたいなものだったのだろうか。でも痛ましいってあいさんが。なんとかならんかった関先生、生き方がそうさせたけど、充分受けた恩は返したし、子供...
あいさんがあんなに身体を壊したんだから、想像した何倍も過酷な移住だったんだなぁ。辛い冬より開拓者の精神を選んだ。辛い選択だけど、カッパの寒稽古みたいなものだったのだろうか。でも痛ましいってあいさんが。なんとかならんかった関先生、生き方がそうさせたけど、充分受けた恩は返したし、子供達が居る場所が全てではありませんか。北海道に渡って名を残したけど、最後の北海道は読んでいて辛すぎる。里さんだって別れること無かった、後ろ向きで終わったことだけど、やっぱり辛い。山桃になるけど、悲しくてやるせない
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実在した関寛斎とその妻あいの物語。 時代小説は初めて読んだけど、実在した人物の話ということもあり、とても引き込まれた。 寛斎とあいの関係や、人柄がとてもすてきだった。 出世のためではなく人のために生きていく様が本当に尊敬する。 私も、2人のように思い合える相手と、生きていきた...
実在した関寛斎とその妻あいの物語。 時代小説は初めて読んだけど、実在した人物の話ということもあり、とても引き込まれた。 寛斎とあいの関係や、人柄がとてもすてきだった。 出世のためではなく人のために生きていく様が本当に尊敬する。 私も、2人のように思い合える相手と、生きていきたいと思った。
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伝記? 半生記? 思ってた内容と違った。 完全なフィクションじゃないから、ちょこちょこ固い。普段読まないジャンルなので難しく感じる。 全然日本史分かんないな…って知識の無さに打ちひしがれながら読み終えた。 それでも遺言のところ泣いちゃったね。
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